リファラル採用と縁故採用の違いとは?メリット・デメリットから導入の注意点まで徹底解説

少子高齢化による労働人口の減少、そして働き方の多様化。現代の日本において、企業の採用活動はますます激化しています。高騰し続ける採用コストに頭を悩ませ、新たな打ち手を模索している経営者様・人事担当者様も多いのではないでしょうか。
そのような状況で、今あらためて注目を集めているのが「リファラル採用」です。
しかし、その一方で、「リファラル採用って、結局は縁故採用と同じじゃないの?」「社員の紹介だと、かえって不公平な選考にならないか?」といった懸念や誤解の声が、導入の障壁になっているケースも少なくありません。
そこで本記事では、リファラル採用と縁故採用の違いを徹底解説します。それぞれのメリット・デメリットを整理し、リファラル採用を「縁故採用」と誤解させず、正しく成功に導くための具体的なポイントまで、分かりやすくご紹介します。
もくじ
「リファラル採用」と「縁故採用」とは?
両者の違いを理解するために、まずはそれぞれの言葉の定義を正しく押さえておきましょう。
リファラル採用とは?
リファラル採用(Referral recruiting)とは、自社の社員に、友人や知人など、自社に合うと思う人材を紹介・推薦してもらう採用手法のことです。
最大のポイントは、あくまで採用の「きっかけ」が社員からの紹介であるという点です。紹介された候補者は、通常の応募者と同様に、書類選考や面接といった公平な選考プロセスを経て、合否が判断されます。社員は「信頼できるこの人なら、きっとうちの会社で活躍できる」という思いで推薦し、会社は客観的な基準でその適性を見極めます。
縁故採用とは?
縁故採用とは、経営者や役員の血縁・地縁といった、個人的なつながり(コネ)を重視して採用を行う手法を指します。
縁故採用の場合、候補者の能力やスキル、会社への適性評価よりも、紹介者との人間関係が優先される傾向にあります。そのため、正規の選考プロセスが簡略化されたり、時には完全に免除されたりするケースが多く見られます。一般的に「コネ入社」と呼ばれるものが、これにあたります。
リファラル採用と縁故採用の5つの決定的違い
リファラル採用と縁故採用は、似ているようでその本質は全く異なります。ここでは、両者の決定的な違いを5つのポイントに分けて、詳しく見ていきましょう。
1.選考プロセスの有無
最も大きな違いは、公平な選考プロセスが存在するかどうかです。 リファラル採用では、紹介はあくまで応募のきっかけの一つです。候補者は、他の応募者と同じ土俵で、同じ選考基準に則って評価されます。スキルや経験、カルチャーフィットが見合わなければ、不採用となることも当然あります。
一方、縁故採用では、紹介者の立場が強く影響するため、選考自体が形式的なものになるか、あるいは完全に免除されることが少なくありません。「〇〇さんの紹介だから」という理由で、採用が半ば決定している状態です。
2.採用の目的
リファラル採用の目的は、あくまで「自社にマッチした優秀な人材を獲得すること」です。採用コストの削減や定着率の向上といった効果も期待されますが、それらはすべて、この主目的を達成した結果として得られるものです。
対して縁故採用は、紹介者との関係維持や、何らかの恩義に報いることなどが目的となり得ます。必ずしも、会社の成長や事業戦略に最適化された採用活動とは言えない側面があります。
3.公平性と透明性
リファラル採用は、全社員に紹介の機会が開かれており、採用基準や選考プロセスも明確なため、公平性と透明性が担保されます。
縁故採用は、経営層など一部の人間関係の中だけで話が進むため、採用のプロセスがブラックボックス化しがちです。「なぜあの人が採用されたのか」という基準が不透明なため、他の社員から不公平感を持たれやすいという問題を抱えています。
4.紹介者の範囲
リファラル採用では、原則として全社員が紹介者となり得ます。現場で働く社員が「自分の仕事仲間として一緒に働きたい」と思える人材を紹介するため、より現場のニーズに合った人材が集まりやすいという特長があります。
縁故採用の紹介者は、採用決定権を持つ経営層や役員など、ごく特定の人物に限定されることがほとんどです。
5.採用後の組織への影響
適切に運用されたリファラル採用では、紹介者である社員が会社の理念や文化を候補者に事前に伝えているため、入社後のミスマッチが起こりにくく、早期離職のリスクを低減できます。結果として、組織全体の定着率向上や活性化につながります。
縁故採用で入社した社員の能力や適性が著しく低い場合、周囲の社員は「なぜあんな人が…」と不満を抱き、チーム全体のモチベーション低下を招く危険性があります。
リファラル採用の3つのデメリットと対策
リファラル採用を成功させるためには、そのメリットとデメリットの両方を正しく理解し、事前に対策を講じることが重要です。
人間関係の悪化リスク
紹介した友人が不採用になった場合、紹介者である社員と候補者の関係が気まずくなる可能性があります。
対策: 選考基準やプロセスを事前に明確に社員へ伝えておきましょう。「紹介=採用ではないこと」「あくまで公平に選考すること」を丁寧に説明し、理解を得ることが不可欠です。
人材の同質化
社員が自分と似たタイプの友人ばかりを紹介することで、組織内の人材が同質化し、多様性が失われる懸念があります。
対策: 経営戦略に基づき、「今、会社としてどのようなスキルや個性を持った人材が必要か」という求める人物像を具体的に定義し、社内に周知徹底することが有効です。
紹介が活性化しない
制度を導入しただけで、社員がなかなか動いてくれず、紹介が集まらないケースも少なくありません。
対策: 制度の目的や会社へのメリットだけでなく、「紹介してくれた社員へのインセンティブ」や「紹介しやすい仕組みづくり」など、社員側のメリットや協力しやすさを設計することが成功の鍵となります。
リファラル採用を成功させる5つのポイント
最後に、リファラル採用を形骸化させず、社内に正しく浸透・活性化させるための具体的な5つのポイントをご紹介します。
明確なルールと評価基準を設定する
最も重要なのが、公平性・透明性を担保するルール作りです。誰が紹介できるのか、どのようなプロセスで選考が進むのか、評価基準は何か、インセンティブはいつ誰に支払われるのか、といった点を明確に言語化し、全社員がいつでも閲覧できる状態にしておきましょう。これが「縁故採用とは違う」という何よりの証明になります。
リファラル採用の目的とメリットを社内に浸透させる
「なぜ会社はリファラル採用を推進するのか」という目的やビジョンを、経営層から自分の言葉で社員に語りかけることが大切です。「コスト削減」といった会社側の都合だけでなく、「信頼できる仲間と働くことで、より良い職場環境をみんなで創っていける」といった、社員にとってのメリットも合わせて伝え、共感と協力を促しましょう。
社員が「紹介したい」と思える環境を整える
社員が友人を紹介する際、紹介用のツールが複雑だったり、必要な情報(募集要項や会社の魅力など)がまとまっていなかったりすると、行動のハードルは一気に上がってしまいます。紹介フローを可能な限り簡略化し、社員が自信を持って自社を推薦できるような情報を提供することが重要です。また、紹介してくれた社員への感謝や、選考状況の丁寧なフィードバックも忘れてはいけません。
魅力的で公平なインセンティブを設計する
社員の協力意欲を高めるインセンティブ制度も有効です。ただし、金銭的な報酬(リファーラルボーナス)だけでなく、食事券や特別休暇、評価への反映など、自社の社風や社員の価値観に合った多様なインセンティブを検討しましょう。報酬の金額や支払い条件で不公平感が出ないよう、誰もが納得できる制度設計を心がけてください。
【関連】リファラル採用の報酬制度とは?金額の相場から制度設計のコツまで解説
リファラル採用に特化したツールを活用する
近年、リファラル採用の運用を効率化・活性化させるための専用ツールやクラウドサービスが増えています。こうしたツールの活用は、成功の確率を大きく高めます。
ツールがあることで、社員は気軽に紹介することができ、人事担当者としても管理工数の削減を実現することができます。
アナログな運用では管理が難しく、形骸化しやすいリファラル採用も、ツールを活用することで制度として定着させやすくなります。
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
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本記事では、リファラル採用と縁故採用の違いについて、5つの視点から解説しました。
リファラル採用: 公平な選考を経て、自社に合う優秀な人材を獲得する手法
縁故採用: 個人的なつながりを優先し、選考が不透明になりがちな手法
両者は似て非なるものであり、リファラル採用は、透明性の高いルールのもとで正しく運用すれば、企業と社員の双方に大きなメリットをもたらす、極めて有効な採用戦略です。
成功の鍵は、「縁故採用との違いを全社で正しく理解し、社員が前向きに協力してくれる環境を整備すること」にあります。
しかし、「リファラル採用において、専門家のアドバイスが欲しい」
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