人材獲得競争に勝つ!リファラル採用とアルムナイ採用の戦略的活用術

人材獲得競争に勝つ!リファラル採用とアルムナイ採用の戦略的活用術

「求人広告費は増え続けているのに、応募が集まらない」 「採用しても、すぐに辞めてしまう…」

企業の成長に不可欠な人材採用。しかし、少子高齢化による労働人口の減少や働き方の多様化により、多くの企業が人材獲得競争の激化という課題に直面しています。

このような状況を打開する一手として、今あらためて注目されているのが、自社の社員や元社員との「繋がり」を活かした採用手法です。それが、「リファラル採用」と「アルムナイ採用」です。
これらの手法は、採用コストを抑えつつ、自社の文化にマッチした優秀な人材を獲得できる可能性を秘めています。

本記事では、リファラル採用とアルムナイ採用の基本的な知識から、両者の違い、導入の具体的なステップ、そして成功のためのコツまで、中小企業の経営者・人事担当者の皆様に向けて分かりやすく解説します。

そもそもリファラル採用・アルムナイ採用とは?


まずは、それぞれの採用手法の基本的な意味を理解しておきましょう。

リファラル採用|社員の紹介で採用候補者と出会う

リファラル(Referral)とは「紹介・推薦」を意味する言葉です。リファラル採用とは、自社の社員に、その知人や友人を紹介・推薦してもらう採用手法を指します。

単なる「縁故採用」と混同されがちですが、縁故採用が血縁関係などを理由に無条件で採用するケースがあるのに対し、リファラル採用はあくまで候補者を紹介してもらう「きっかけ」であり、その後の選考は通常通り行われるのが一般的です。社員と候補者の信頼関係がベースにあるため、企業のリアルな魅力を伝えやすく、採用後のミスマッチが起こりにくいのが特徴です。

アルムナイ採用|企業の「卒業生」を再雇用する

アルムナイ(Alumni)とは、本来「卒業生・同窓生」を意味する言葉です。人事領域においては、一度その企業を退職した元社員を指します。そして、このアルムナイを再び雇用するのが「アルムナイ採用」です。

かつては「出戻り」とネガティブなイメージで捉えられることもありましたが、終身雇用が当たり前でなくなった現在では、貴重な人材戦略の一つとして見直されています。企業文化や業務内容への理解が深く、他社で培った新たなスキルや経験を還元してくれる「即戦力」としての活躍が期待できます。

リファラル採用とアルムナイ採用の4つの違い


リファラル採用とアルムナイ採用は、どちらも「繋がり」を活かす点では共通していますが、その性質は異なります。ここでは、4つの観点から両者の違いを比較してみましょう。

比較項目

1. 対象者
  
リファラル採用:社員の知人・友人
  アルムナイ採用:自社の退職者(アルムナイ)

2. 期待できる効果

  リファラル採用:
   ・新たな人材層へのアプローチ
   ・採用ブランディングの強化
   ・社員のエンゲージメント向上
  アルムナイ採用:
   ・即戦力の確保
   ・教育、研修コストの削減
   ・多様な知見の獲得

3. 導入の難易度

  リファラル採用:比較的始めやすいが、制度設計と社内への浸透が成功の鍵となる。
  アルムナイ採用:退職者との良好な関係構築が前提。長期的な視点でのネットワーク作りが必要。

4. 主なコミュニケーション

  リファラル採用:社員に対する継続的な情報提供、協力依頼、インセンティブ設計など。
  アルムナイ採用:退職者コミュニティの運営、SNSやニュースレターでの定期的な情報発信など。


このように、アプローチする対象や期待できる効果が異なるため、どちらか一方を選ぶというよりは、両者の特性を理解し、自社の状況に合わせて戦略的に活用していくことが重要です。

なぜ今注目される?リファラル採用・アルムナイ採用のメリット

では、なぜ今これらの採用手法が注目されているのでしょうか。企業側、候補者側双方のメリットを見ていきましょう。


企業側のメリット

  • 採用コストの大幅な削減
    求人広告や人材紹介サービスにかかる費用が発生しないため、採用コストを大幅に抑えることができます。
  • 企業文化とのミスマッチ低減と定着率の向上
    紹介者(社員・元社員)を通じて、企業のリアルな魅力や文化、時には課題点も候補者に伝わるため、入社後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぎ、定着率の向上が期待できます。
  • 転職潜在層への効果的なアプローチ
    転職市場には出てきていないものの、「良い会社があれば」と考えている優秀な潜在層にアプローチできる可能性があります。
  • 社員のエンゲージメント向上(リファラル採用)
    社員が自社を「知人に紹介したい会社」だと再認識するきっかけになり、組織への帰属意識や貢献意欲(エンゲージメント)の向上に繋がります。
  • 即戦力の確保と教育コストの削減(アルムナイ採用)
    アルムナイは事業や業務内容を既に理解しているため、オンボーディング(受け入れ研修)にかかる時間やコストを大幅に削減でき、即戦力として早期に活躍してくれます。

候補者側のメリット

  • 信頼できる情報源から、企業のリアルな情報を得られる
    求人票だけでは分からない社内の雰囲気や働きがいといった、ポジティブな面もネガティブな面も含めたリアルな情報を、信頼できる知人から得ることができます。
  • 自身のスキルや経験、人柄を深く理解してもらった上で選考に進める
    特にアルムナイ採用の場合、企業側が候補者の強みや人柄を既に把握しているため、安心して選考に臨むことができます。

リファラル採用とアルムナイ採用のデメリットと具体的な対策

メリットの多い採用手法ですが、導入前に知っておくべきデメリットも存在します。事前に対策を講じることで、スムーズな運用が可能になります。

リファラル採用のデメリットと対策

  • 課題:人間関係のしがらみ 紹介者と候補者の関係性から、不採用になった場合に気まずさが生じたり、逆に入社後に期待したパフォーマンスを発揮できなかった際に紹介者の立場がなくなったりする可能性があります。
    • 対策: 選考基準は通常採用と全く同じであることを事前に伝え、紹介はあくまで「きっかけ」であることを明確にしましょう。また、不採用の際も、紹介者への丁寧なフォローを忘れないことが重要です。
  • 課題:紹介される人材の偏り 特定の部署や仲の良い社員グループからしか紹介が集まらないと、同質的な人材ばかりになり、組織の多様性が失われる可能性があります。
    • 対策: 全社に向けて「どのようなスキルや経験を持つ人材を求めているか」という人物像を具体的に共有し、様々な部署の社員に協力を仰ぎましょう。

アルムナイ採用のデメリットと対策

  • 課題:退職理由によっては再雇用が困難 ネガティブな理由で退職した元社員を再雇用するのは現実的ではありません。
    • 対策: 円満退職者との良好な関係を日頃から築いておくことが大前提です。退職時面談を丁寧に行い、将来的な復帰の可能性についてもコミュニケーションをとっておくと良いでしょう。
  • 課題:「出戻り」に対する既存社員の反発 既存社員の中には、一度会社を辞めた人が戻ってくることに対して、快く思わない人もいるかもしれません。
    • 対策: なぜそのアルムナイを再雇用するのか、その人にどのような役割を期待しているのかを、既存社員に丁寧に説明し、理解と協力を得ることが不可欠です。

【5ステップで解説】リファラル・アルムナイ採用の始め方

では、実際にこれらの採用手法を導入するには、何から始めればよいのでしょうか。ここでは、5つのステップに分けて解説します。

  • ステップ1:目的とゴール(KGI/KPI)を設定する 「なぜ導入するのか」という目的を明確にします。「採用コストを年間〇%削減する」「リファラル経由での採用決定数を年間〇名にする」など、具体的な数値目標(KGI/KPI)を設定することで、その後の施策の効果を正しく測定できます。
  • ステップ2:制度・ルールを設計する 運用の根幹となるルールを定めます。
    リファラル採用: 紹介から採用までのフロー、紹介者への報酬(インセンティブ)の有無や金額、対象者などを決めます。
    アルムナイ採用: 再雇用の対象となる条件(例:勤続年数、役職)、待遇、選考プロセスなどを定めます。
    共通: 個人情報の取り扱いに関するルールも必ず整備しましょう。
  • ステップ3:協力体制・ネットワークを構築する
    リファラル採用: 経営層から全社に向けて協力依頼のメッセージを発信する、説明会を実施するなど、制度を社内に浸透させ、協力的な雰囲気を作ることが重要です。
    アルムナイ採用: 退職者と繋がるためのプラットフォームを構築します。SNSグループの作成、メーリングリストの整備、アルムナイ向けイベントの開催などが有効です。
  • ステップ4:運用を開始し、継続的に情報を発信する 制度を作って終わりではなく、継続的な情報発信が不可欠です。「現在募集中のポジション」「会社の近況」「イベントのお知らせ」などを定期的に発信し、社員やアルムナイの関心を維持しましょう。
  • ステップ5:効果を測定し、改善を繰り返す ステップ1で設定したKPIの進捗を定期的に確認します。紹介数や採用決定数などの定量的なデータに加え、紹介者や応募者へのアンケートやヒアリングを行い、「なぜ紹介してくれたのか」「制度のどこに改善点があるか」といった定性的な意見も収集し、制度をより良いものへと改善していきましょう。

リファラル採用とアルムナイ採用の成功確率を飛躍的に高める3つのコツ

最後に、リファラル採用・アルムナイ採用を形骸化させず、成果に繋げるための本質的なコツを3つご紹介します。

1. 「紹介したい」「また働きたい」と思える魅力的な職場が土台

どんなに優れた制度を作っても、社員が「この会社を知人に紹介したい」と思えなければ、あるいは元社員が「またあの会社で働きたい」と感じなければ、紹介や応募は生まれません。働きがいのある業務、良好な人間関係、公正な評価制度といった、魅力的な職場環境を整えることが、すべての土台となります。

2. 「お願い」ではなく「情報提供」のスタンスを徹底する

社員やアルムナイに対して、「誰か紹介してください」とプレッシャーをかけるのは逆効果です。そうではなく、「私たちの会社では今、こんな仲間を探しています」「会社の魅力を伝えるパートナーとして、力を貸してもらえませんか?」というスタンスで、あくまで情報提供と協力依頼に徹することが、良好な関係を維持し、自発的な協力を引き出す秘訣です。

3. 採用管理ツール(ATS)で煩雑な業務を効率化する

リファラル採用やアルムナイ採用を始めると、誰が誰を紹介したのか、選考はどこまで進んでいるのかといった情報が煩雑になりがちです。採用管理ツール(ATS:Applicant Tracking System)を活用すれば、これらの候補者情報を一元管理し、紹介者への報告や候補者とのコミュニケーションをスムーズに行うことができ、人事担当者の負担を大幅に軽減できます。

リファラル採用とアルムナイ採用の両方を支援する採用サービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

リファラル採用・アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください

リファラル採用とアルムナイ採用は、単に採用コストを削減するためのテクニックではありません。社員や元社員との信頼関係を資本とし、企業のファンを増やしていく「エンゲージメント採用」とも呼べる、これからの時代の本質的な採用戦略です。

両者の特性を正しく理解し、自社の文化や状況に合わせて戦略的に導入・運用することで、大手企業にも負けない強固な採用力を築くことができます。

しかし、「リファラル採用やアルムナイ採用の制度設計から運用まで、専門家のアドバイスが欲しい」

「リファラル採用、アルムナイ採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」

といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。

そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。

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ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。

当社では経験豊富な採用コンサルタントが設計から運用までワンストップで支援します。

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