新卒採用における「リファラル採用」とは?メリットと成功に導く5つのステップを解説

新卒採用における「リファラル採用」とは?メリットと成功に導く5つのステップを解説

売り手市場が続き、学生の価値観も多様化する昨今の新卒採用で、多くの企業様が「母集団が集まらない」「求める人物像の学生と出会えない」といった共通の悩みを抱えています。

そんな中、中途採用で主流となりつつある「リファラル採用」を、新卒採用に取り入れる動きが活発化しているのをご存知でしょうか。

「学生に人脈なんてあるの?」「内定者に協力してもらうなんて、負担ではないか?」といった疑問もあるかもしれません。しかし、新卒のリファラル採用は、従来の手法では出会えなかった優秀な学生と早期に繋がる可能性を秘めた、非常に強力な一手となり得るのです。

本記事では、新卒採用でリファラルを行うメリット・デメリットから、具体的な成功のステップまで網羅的に解説します。

なぜ今、新卒採用でリファラル採用が注目されるのか?

新卒採用においてリファラル採用が注目される背景には、「採用市場」と「学生(Z世代)」の大きな変化があります。

1. 採用市場の変化:従来手法の限界

激化する売り手市場と採用の早期化
有効求人倍率は高止まりを続け、企業が学生を選ぶ時代から、学生が企業を選ぶ「売り手市場」が定着しました。それに伴い、インターンシップを起点とした採用活動の早期化・長期化も進んでいます。就職ナビサイトがオープンする頃には、すでに多くの優秀な学生が企業と接触を持っているのが実情です。

就職ナビサイトの情報過多と差別化の困難さ
ナビサイトには膨大な数の企業情報が掲載されており、学生はすべての情報に目を通すことができません。結果、多くの企業がその他大勢に埋もれてしまい、自社の存在に気づいてもらうことすら難しくなっています。また、どの企業も同じように魅力的な言葉でPRするため、学生から見ると「違いが分からない」状態に陥りがちで、真の魅力を伝えることが困難です。

2. 学生(Z世代)の変化:リアルな情報を求める価値観

SNSネイティブ世代の情報収集術
現在の学生の中心である「Z世代」は、生まれた時からインターネットやSNSが身近にあるデジタルネイティブです。彼らは企業の公式発表をそのまま鵜呑みにするのではなく、X(旧Twitter)やInstagram、就活口コミサイトなどで、社員や元社員による「本音」を検索し、リアルな情報を集めることに長けています。

「共感」と「透明性」への強い関心
彼らは企業選びにおいて、給与や事業内容といった条件面だけでなく、「その会社で働くことに共感できるか」「信頼できるオープンな社風か」といった透明性を非常に重視します。そのため、年齢が近く、信頼できる身近な存在である内定者や若手社員からの「生の声」は、他のどんな情報よりも強い説得力を持ちます。入社後のギャップを極端に恐れる彼らにとって、リファラル採用は、安心できる情報源から企業のリアルを知るための最適な手段なのです。

これらの変化により、企業がコントロールする「公式情報」だけでは学生の心を掴むことが難しくなりました。だからこそ、社員一人ひとりの信頼をベースにした、新しい採用チャネルであるリファラル採用が、今の時代の新卒採用において強力な武器として注目されているのです。

新卒採用でリファラル採用を行う5つのメリット

新卒採用に特化した場合、リファラル採用には中途採用とは一味違ったメリットがあります。

早期から優秀な学生と接触できる

本格的な就職活動が解禁される前から、有望な学生と中長期的な関係を築けるのが最大のメリットです。例えば、大学の研究室で優秀と評判の学生や、サークル活動でリーダーシップを発揮している学生、長期インターンで頭角を現している他社の学生など、社員や内定者の人脈だからこそキャッチできる「隠れた逸材」に早期からアプローチできます。インターンシップへの参加を促したり、カジュアルな面談を設定したりすることで、他社に先駆けて自社の魅力を伝え、ファンになってもらうことが可能です。

採用競合が少ない潜在層にアプローチ可能

リファラル採用は、そもそも自社を認知していなかったり、業界研究の対象外だったりする「転職潜在層」ならぬ「就職潜在層」にリーチできる貴重な機会です。例えば、「IT業界は志望していなかったが、友人が楽しそうに働いているのを見て興味が湧いた」「地方在住で都心の合同説明会には参加しなかったが、先輩に紹介されて初めてその企業の魅力を知った」というケースは少なくありません。競争の激しい採用市場から一歩抜け出し、新たな母集団を形成することができます。

学生のリアルな声で企業の魅力を伝えられる

学生が最も知りたいのは、企業のWebサイトに書かれた綺麗な言葉ではありません。年齢の近い内定者や若手社員が語る「入社の決め手」「仕事のやりがいと大変さ」「職場のリアルな雰囲気」といった生々しい体験談こそ、心を動かす最高のコンテンツです。特に、仕事の厳しい側面や失敗談なども包み隠さず話すことで、かえって情報の信頼性が増し、「誠実な会社だ」という印象を与えることができます。この「信頼の醸成」こそが、リファラルの本質的な価値と言えるでしょう。

入社後のミスマッチを防ぎ、定着率向上が期待できる

入社前に良い面も悪い面もリアルな情報を得ているため、「こんなはずじゃなかった」という入社後のギャップを最小限に抑えられます。これは早期離職の防止に直結します。さらに重要なのは、入社前から社内に知人(紹介者)がいるという「心理的安全性」です。業務でつまずいた時や、新しい環境に悩んだ時に、気軽に相談できる相手がいることは、新入社員の精神的な支えとなり、スムーズな立ち上がりと職場への定着を力強く後押しします。

採用ブランディングとコスト削減を両立できる

リファラル採用が活性化するということは、「社員が自社に愛着を持ち、友人や後輩に推奨したくなる会社である」ことの何よりの証明です。この活動を通じて、学生コミュニティに「あの会社は社員を大切にしている」というポジティブな評判が自然と広まっていきます。これは、一朝一夕には築けない強力な「エンプロイヤーブランディング(働く場所としての企業の魅力)」に繋がります。結果として、高額な求人広告費や人材紹介手数料といった採用コストの削減も実現できるため、まさに一石二鳥の効果が期待できるのです。

新卒のリファラル採用で押さえるべきデメリットと対策

多くのメリットがある一方で、新卒のリファラル採用特有のデメリットも存在します。事前に対策を講じることで、リスクを最小限に抑えましょう。

  • 協力者(内定者・若手社員)への負担と心理的プレッシャー
    紹介を依頼された側が「ノルマを課せられた」と感じたり、友人を会社に評価されることにストレスを感じたりする可能性があります。
    • 対策: あくまで任意参加であることを強調し、無理強いは絶対にしないこと。また、結果に関わらず協力してくれたこと自体を評価し、感謝を伝える文化を醸成することが重要です。
  • 不採用時の人間関係トラブル
    紹介した友人が不採用になった場合、紹介者と友人の関係が気まずくなる恐れがあります。
    • 対策: 「紹介=合格ではない」「選考は公平な基準で行う」という点を、関係者全員に事前に丁寧に説明しておきましょう。不採用通知も、候補者の人格を否定するのではなく、丁寧なコミュニケーションを心がける必要があります。
  • 候補者の同質化(出身大学やサークルなどが偏る)
    同じ大学やサークルの後輩など、似たようなバックグラウンドを持つ学生ばかりが集まり、組織の多様性が失われるリスクがあります。
    • 対策: 求める人物像のスキルや価値観を具体的に伝え、「多様な人材を求めている」というメッセージを発信しましょう。リファラル採用だけに偏らず、他の採用手法と組み合わせることも有効です。
  • 紹介数のコントロールが難しい
    「今月中に〇人欲しい」といった、短期的な人数のコントロールには向いていません。
    • 対策: すぐの採用に繋がらなくても、優秀な学生を紹介してもらったら関係性を維持する「タレントプール」として位置づけ、中長期的な視点で運用しましょう。

新卒のリファラル採用を成功に導く5つのステップ

新卒のリファラル採用を成功させるには、思いつきで始めるのではなく、しっかりとした設計と準備が不可欠です。

目的とルールの明確化

まず「なぜ新卒リファラルをやるのか」という目的を明確にします(例:IT系の優秀な学生と早期に接触するため)。その上で、紹介対象者(例:大学・大学院に在学中の学生)、紹介フロー、インセンティブのルールなどを具体的に定め、社内規定として言語化しましょう。

協力者(リクルーター)の選定と依頼

協力者は、自社へのエンゲージメントが高い内定者や入社1〜3年目の若手社員が適任です。対象者を集めた説明会などを開き、制度の目的やメリットを丁寧に説明し、共感を得た上で協力を依頼します。

協力者への情報提供とトレーニング

協力者には「会社のパンフレットを渡しておくから、あとはよろしく」ではいけません。会社の魅力や求める人物像をまとめた「紹介ハンドブック」を用意したり、学生への説明方法を練習する簡単なトレーニングを実施したりすることで、紹介の質が高まります。

紹介しやすい仕組みと魅力的なインセンティブの用意

SNSで簡単に共有できる紹介ページのURLや、QRコード付きの紹介カードを用意するなど、協力者が「これなら手軽にできそう」と思える仕組みが重要です。また、インセンティブは金銭だけでなく、食事券やギフト券、紹介した友人との会食費用の補助など、学生にも喜ばれるような工夫が効果的です。

紹介された学生への特別なフォロー

紹介で応募してくれた学生には、通常ルートの学生以上に丁寧なコミュニケーションを心がけましょう。選考過程で特別な座談会に招待したり、フィードバックを詳細に伝えたりすることで、学生の満足度と入社意欲を高めることができます。

新卒採用におけるリファラルにおすすめのサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

新卒のリファラル採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください

新卒採用におけるリファラル採用は、単なる母集団形成の手法ではありません。内定者や若手社員を巻き込み、学生と真摯に向き合うことで、企業と学生の新しい関係性を築くための強力な採用戦略です。

しかし、「新卒リファラル採用の制度設計から運用まで、専門家のアドバイスが欲しい」

「新卒リファラル採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」

といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。

そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。

「リファアルム

「リファアルム」は、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。

ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。

当社では経験豊富な採用コンサルタントが設計から運用までワンストップで支援します。

リファラル、アルムナイ採用成功のために必要なノウハウと実務支援、マネジメントをプロの人事チームが顧客の採用成功まで伴走します。

アルムナイ採用、そして新卒採用活動全体でお困りのことがございましたら、まずはお気軽に下記よりお問い合わせください。

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