採用の効率化を実現する具体的な方法とは?コスト削減と「採用の質」を両立させるコツ
				企業の成長にとって「採用」は最も重要な経営課題の一つです。しかし、多くの経営者様や人事担当者様から、 「採用活動にリソースを割いているのに、なかなか募集が集まらない」 「採用人数は変わらないのに、コストは年々増え続けている」 「採用業務が多すぎて、他の重要な業務に手が回らない」 といったお悩みを伺います。
これらの課題の根底には、実は「採用活動の非効率性」が隠れているケースが少なくありません。
本記事では、なぜ採用活動が非効率になってしまうのか、その原因を深掘りします。その上で、採用活動を根本から効率化するための具体的な7つのステップ、そして「採用の効率」と「採用の質」を両立させる新しいアプローチについて、分かりやすく解説していきます。
もくじ
採用の効率化が重要視される理由・背景
近年、「採用の効率化」は、単なる「工数削減」や「コストカット」という守りの視点だけでなく、企業の競争力を左右する「攻めの戦略」として重要視されています。その背景には、主に3つの要因があります。
労働力人口の減少と採用競争の激化
ご存知の通り、日本は労働力人口の減少という大きな課題に直面しています。少ない人材のパイを多くの企業が奪い合う「超売り手市場」が続いています。
このような状況下で、非効率な採用活動を続けているとどうなるでしょうか。他社がスピーディーな選考を進める中で、自社の対応が遅れれば、優秀な人材は次々と他社に流れてしまいます。「採用負け」に直結するリスクがあるのです。
採用手法の多様化・複雑化
かつては求人広告や人材紹介が中心でしたが、現在はそれに加えて、ダイレクトリクルーティング、SNS採用、リファラル採用、アルムナイ採用など、採用チャネル(手法)が非常に多様化しています。
選択肢が増えたことは喜ばしい反面、各チャネルの管理、候補者とのコミュニケーション、データ分析といった業務が複雑化し、人事担当者様の工数を圧迫する要因にもなっています。
候補者の価値観の変化と「採用体験(CX)」の重視
現代の候補者は、「その会社で働く体験」を非常に重視します。そしてその体験は、応募の瞬間から始まっています。これを「採用体験(Candidate Experience, CX)」と呼びます。
例えば、
- 応募したのに返信が遅い
 - 面接日程の調整がスムーズに進まない
 - 面接官によって言っていることが違う
 
こうした「非効率」な選考プロセスは、そのまま候補者の「採用体験」を損ね、「この会社は、入社後も非効率で働きにくそうだ」という印象を与えかねません。結果として、内定辞退につながってしまうのです。
採用が非効率になる4つの主な原因
では、なぜ採用活動は非効率になってしまうのでしょうか。貴社の状況を振り返りながら、よくある4つの原因を確認してみましょう。
採用プロセスが属人化・ブラックボックス化している
採用業務が特定のエース担当者に依存し、「あの人でなければ進まない」「進捗状況がわからない」といった状態になっていないでしょうか。 情報共有がなされず、業務が属人化・ブラックボックス化すると、担当者が不在の際に業務が滞るだけでなく、組織としての採用ノウハウが蓄積されません。
採用ターゲット(ペルソナ)が曖昧
「コミュニケーション能力が高い、意欲的な若手」といった曖昧な人物像で採用活動を進めていませんか? 求める人物像(ペルソナ)が明確でないと、書類選考の基準がブレたり、面接官によって評価がバラバラになったりします。結果として、選考に無駄な時間がかかり、入社後のミスマッチも多発してしまいます。
「ノンコア業務」にリソースを割きすぎている
採用業務には、本来人事が注力すべき「コア業務」と、それ以外の「ノンコア業務」があります。
- コア業務
採用戦略の立案、ペルソナ設計、面接による候補者の見極め、魅力付け(動機形成)など - ノンコア業務
求人票の作成・出稿管理、応募者との日程調整、合否連絡、データ入力、説明会の会場手配など 
非効率な体制のままでは、本来時間をかけるべき「コア業務」ではなく、煩雑な「ノンコア業務」に追われ、採用の質が低下するという悪循環に陥ってしまいます。
採用チャネルの「選択と集中」ができていない
「去年も使ったから」という理由だけで、惰性で同じ求人媒体に広告を出し続けていないでしょうか。 どのチャネルから何人応募があり、何人採用でき、採用単価(1人採用するのにかかったコスト)はいくらか、そして入社後に活躍しているか。こうした効果測定を怠っていると、効果の薄いチャネルに延々とコストと工数を垂れ流すことになります。
採用活動を劇的に効率化する7つのステップ
もし上記のような原因に心当たりがあれば、今すぐ採用プロセスを見直しましょう。ここでは、採用活動を効率化するための具体的な7つのステップをご紹介します。
現状の採用プロセスを「見える化」する
まずは、自社の採用活動の「全体像」を把握することから始めます。「募集開始」から「入社」までに発生する全てのタスクを洗い出しましょう。 そして、各タスクの「担当者」「かかっている時間(工数)」「使っているツール」を書き出します。この「見える化」を行うだけで、「ここに時間がかかりすぎていた」「この業務は重複している」といった問題点が浮かび上がってきます。
採用ターゲット(ペルソナ)を再定義する
採用における効率化とは、単に工数を減らすことだけではありません。「ミスマッチを減らすこと」こそが、最大の効率化です。 現場の部門(配属先)とも深く議論し、「どのような経験・スキルを持つ人か」「どのような志向性・価値観を持つ人か」というペルソナを具体的に、かつ明確に再定義しましょう。これが明確になれば、書類選考や面接の精度が格段に上がります。
「コア業務」と「ノンコア業務」に仕分ける
ステップ1で見える化したタスクを、「コア業務」と「ノンコア業務」に仕分けます。 人事担当者様がやるべきことは、ノンコア業務をいかに減らし、コア業務(=候補者と向き合い、見極め、惹きつけること)にリソースを集中させるかを考えることです。
ノンコア業務を徹底的に削減・自動化する
仕分けたノンコア業務は、積極的に削減・自動化を検討します。
- Web面接ツール(オンライン面接システム)の導入
候補者の移動時間や交通費、社内の会議室調整のコストを削減できます。遠方の候補者との接点も増やせます。 - チャットボットの活用
よくある質問(勤務地、福利厚生など)への対応を自動化し、初期対応の工数を削減します。 
採用管理システム(ATS)を導入する
採用の効率化において、今や「採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)」の導入は不可欠とも言えます。 ATSを導入することで、以下のような効果が期待できます。
- 複数の採用チャネルからの応募者情報を一元管理できる
 - 選考の進捗状況をリアルタイムで「見える化」できる
 - 候補者とのメールや日程調整をシステム上で完結できる
 - 採用データを蓄積し、分析・改善に活かせる
 
Excelやスプレッドシートでの管理に限界を感じている場合は、導入を強く推奨します。
採用アウトソーシング(RPO)を検討する
自社の人員(リソース)だけでノンコア業務を捌ききれない場合は、外部の専門家に委託する「採用アウトソーシング(RPO:Recruitment Process Outsourcing)」も有効な選択肢です。 例えば、スカウトメールの送信代行や、日程調整の代行などを委託し、人事担当者様は面接などのコア業務に専念できる体制を構築します。
自社に合った採用チャネルへ見直す
最後に、利用している採用チャネルの効果測定を必ず行いましょう。「応募数」「採用決定数」「採用単価」「入社後の定着率・活躍度」などのデータを分析します。 そして、自社のペルソナに合致し、費用対効果の高いチャネルに予算と工数を「選択と集中」させることが重要です。効果の薄いチャネルからは勇気を持って撤退する判断も必要です。
採用効率化で注目されるリファラル採用・アルムナイ採用
ここまでは、既存の採用プロセスを「改善」することによる効率化(守りの効率化)を中心にお話ししました。 しかし、採用競争が激化する現代において、もう一歩進んだ「攻めの効率化」が求められています。その「切り札」として、今まさに注目を集めているのが「リファラル採用」と「アルムナイ採用」です。
- リファラル採用:自社の社員に、友人や知人を紹介してもらう手法
 - アルムナイ採用:自社の退職者(アルムナイ)を再雇用する手法
 
なぜリファラル・アルムナイ採用が効率化につながるのか?
なぜ、これらの手法が採用の効率化に直結するのでしょうか。
- ミスマッチが少なく、選考効率が高い
最大のメリットは「採用の質」です。社員や元社員は、自社の文化や働き方を深く理解しています。その彼ら・彼女らが「この人なら自社に合う」と判断した人材を紹介してくれるため、ペルソナとの親和性が非常に高いのです。
結果として、書類選考や一次面接の通過率が格段に高く、選考プロセス全体を効率化できます。 - 採用コスト(広告費)を大幅に削減できる
求人広告費や人材紹介会社への高額な成功報酬手数料が発生しません。社員への紹介インセンティブ(報酬)を設定したとしても、従来の採用単価を劇的に下げられる可能性を秘めています。 - 質の高い「転職潜在層」にアプローチできる
従来の採用手法では、基本的に「今、転職活動をしている人」にしかアプローチできません。しかし、リファラル・アルムナイ採用であれば、転職市場には出てきていない優秀な「転職潜在層」に対しても、「あなたの会社なら興味がある」という形で接点を持つことができます。 
リファラル・アルムナイ採用を「非効率」にしないための課題
ただし、これほどメリットの多いリファラル・アルムナイ採用も、ただ「始めてください」と社員に呼びかけるだけでは機能しません。 むしろ、運用方法を間違えると、 「紹介がいつも特定の社員に偏ってしまう」 「誰が誰を紹介し、今どの選考段階なのか、人事が管理しきれない」 「制度がいつの間にか形骸化し、誰も紹介してくれない」 といった「非効率」な状態に陥ってしまいます。
課題を解決し、効率化を加速させる「専用ツール」の活用
こうした課題は、しっかりとした制度設計と、それを運用するための「専用ツール」を活用することで解決できます。 社員やアルムナイ(退職者)が「紹介したい」と思ったときに簡単に紹介でき、人事担当者様はその紹介プロセスや応募者情報を「見える化」し、「一元管理」できる仕組みが不可欠です。
効率的な運用基盤を整えることさえできれば、リファラル・アルムナイ採用は、貴社の採用活動における最も強力で効率的なチャネルへと成長するでしょう。
【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説
おすすめのリファラル採用・アルムナイ採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
リファラル採用・アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください
本記事では、採用活動が非効率になる原因から、具体的な効率化の7つのステップ、そして「効率」と「質」を両立させる考え方までを解説してきました。
採用の効率化は、単なる「作業の時短」ではありません。 それは、自社の採用プロセスに潜む無駄を徹底的に「見える化」し、削減すること。 そして、それによって生まれた貴重なリソースを、候補者と真摯に向き合う「コア業務」に集中させることです。
さらに、採用の「質」と「効率」を飛躍的に高める「攻めの効率化」として、リファラル採用・アルムナイ採用という新しい挑戦を検討してみてはいかがでしょうか。
しかし、「リファラル採用・アルムナイ採用について、専門家のアドバイスが欲しい」
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