主な採用手法10選。おすすめの手法や採用成功の鍵を紹介

主な採用手法10選。おすすめの手法や採用成功の鍵を紹介

採用活動を行っても「募集が集まらない」「採用コストが増え続ける一方だ」といった悩みを抱える企業の経営者・人事担当者様は少なくありません。
世の中には多様な採用手法があり、自社の状況や目的に合わせてこれらを賢く使い分けることが、採用成功の鍵となります。

特に近年は、元社員を再雇用する「アルムナイ採用」も注目されていますが、「退職者との接点がない」「制度設計が難しい」といった新たな課題を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、主要な採用手法を一覧で比較・解説し、企業が自社に最適な手法を見つけるためのポイント、そしてアルムナイ採用を含む採用活動全体を成功に導く秘訣をご紹介します。

採用手法は大きく3種類に分類できる

数多くの採用手法が存在しますが、まずは全体像を把握するために、アプローチの方法によって大きく3種類に分類してみましょう。

  1. 求人広告(プル型)
    求人サイトや雑誌などに広告を掲載し、求職者からの応募を「待つ」手法です。広く認知させたい場合に有効ですが、応募者の質は様々です。
  2. スカウト(プッシュ型)
    企業側からデータベースなどを検索し、求める人材に直接アプローチをかける「攻め」の手法です。ダイレクトリクルーティングやヘッドハンティングがこれにあたります。
  3. リファラル(紹介型)
    社員や元社員など、自社と繋がりのある人からの「紹介」を基盤とする手法です。リファラル採用やアルムナイ採用が代表的です。

自社の知名度や採用リソース(予算・マンパワー)に応じて、これらの型をどう組み合わせるかが戦略の第一歩となります。

【一覧比較】主要な採用手法10選

ここでは、代表的な10の採用手法について、それぞれの特徴、メリット・デメリット、コスト目安、そして企業への適性を分かりやすく解説します。

1. 求人広告(就職・転職サイト)

  • 概要
    リクナビやマイナビといった大手総合サイト、または業界・職種特化型サイトに求人情報を掲載し、応募を募る最も一般的な手法です。
  • メリット
    サイトの集客力を利用できるため、短期間で広い層にリーチでき、企業の認知度向上にも繋がります。
  • デメリット
    掲載費用がかかる割に、求める人材からの応募があるとは限りません。応募者対応の工数も多く発生します。
  • コスト目安
    数万円~数百万円(掲載期間やプラン、サイトの規模による)
  • 企業への適性
    まずは広く認知させたい、多くの母集団(応募者)を集めたい場合に適しています。

2. 人材紹介(エージェント)

  • 概要
    人材紹介会社(エージェント)に求める人物像を伝え、登録者の中から合致する人材を紹介してもらう手法です。
  • メリット
    採用要件にマッチした人材に出会いやすいのが最大の特徴です。応募者のスクリーニングや面接調整などを代行してくれるため、採用工数を大幅に削減できます。
  • デメリット
    成功報酬型が一般的で、採用決定時のコストが高額(理論年収の30%前後)になりがちです。
  • コスト目安
    成功報酬型(採用決定者の理論年収の25%~35%)
  • 企業への適性
    専門職や管理職など、ピンポイントで即戦力が欲しい場合や、採用工数を削減したい場合に有効です。

3. ダイレクトリクルーティング(スカウト)

  • 概要
    企業側が転職サイトやSNSのデータベースを検索し、求める人材に「スカウトメール」を送って直接アプローチする手法です。
  • メリット
    転職潜在層(今すぐの転職は考えていないが良いところがあれば、という層)にもアプローチできます。自社の魅力を熱意と共に直接伝えられるのも強みです。
  • デメリット
    候補者の検索、スカウトメールの文面作成・送信、その後のやり取りなど、運用に非常に工数がかかります。
  • コスト目安
    初期費用+月額利用料、または成功報酬型
  • 企業への適性
    人事担当者のマンパワーに余裕があり、自社の魅力を熱意をもって伝えられる場合に有効です。

4. リファラル採用(社員紹介)

  • 概要
    自社の社員に、知人や友人を「この会社に合う」と思う人材として推薦・紹介してもらう手法です。
  • メリット
    採用コストを大幅に削減できます。また、社員の紹介であるため、企業文化への理解度が高く、ミスマッチの少ない人材を採用しやすい傾向にあります。
  • デメリット
    社員の協力度合いによって成果が左右されます。紹介された手前、不採用にしづらい、といった人間関係のしがらみが生まれる可能性もあります。
  • コスト目安
    紹介インセンティブ(社員への謝礼:数万円~数十万円程度)のみの場合が多い。
  • 企業への適性
    社員のエンゲージメント(会社への愛着)が高い企業に最適です。コストを抑え、確実な採用を目指したい場合に強力な手法となります。

【関連】リファラル採用とは?メリット・デメリットから成功のコツまで徹底解説

5. アルムナイ採用(出戻り採用)

  • 概要
    自社を一度退職した元社員(アルムナイ=同窓生)を、再び雇用する手法です。
  • メリット
    即戦力として期待できる(業務内容や社風を既に理解している)点が最大の強みです。ミスマッチが極めて少なく、リファラル採用同様に採用コストも低く抑えられます。
  • デメリット
    対象となる元社員が限定的です。また、退職時の理由(特にネガティブな理由)によっては再雇用が難しい場合や、既存社員との公平性の担保(給与設定など)に配慮が必要です。
  • コスト目安
    低い(退職者コミュニティの運営費、再雇用の手続き費用など)
  • 企業への適性
    社員との関係性が良好な企業、または専門性を一度外で磨いた人材を呼び戻したい場合に有効です。ただし、上記課題をクリアする「仕組みづくり」が鍵となります。

【関連】アルムナイ採用とは?メリット・デメリットから導入方法まで徹底解説

6. SNS採用(ソーシャルリクルーティング)

  • 概要
    X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、LinkedInなどを活用し、企業の日常や文化、働く人の姿を発信して応募者とコミュニケーションをとる手法です。
  • メリット
    低コストで始められます。求人広告では伝わらない「企業のリアルな雰囲気」を発信でき、カルチャーフィットする人材との出会いが期待できます。
  • デメリット
    「中の人」として継続的に情報発信を行う工数が必要です。また、不適切な発信による炎上リスクも伴います。
  • コスト目安
    ほぼ無料(SNS広告を出す場合は別途費用)
  • 企業への適性
    広報担当がいる、またはSNS運用が得意な社員がいる場合に有効です。特に若年層にアプローチしたい場合に適しています。

7. オウンドメディアリクルーティング(採用サイト・ブログ)

  • 概要
    自社で運営する採用サイトやブログ(オウンドメディア)で、仕事内容、社員インタビュー、企業文化などを深く掘り下げて発信する手法です。
  • メリット
    求人広告の文字数制限などに縛られず、自社の魅力を自由に、かつ深く伝えられます。コンテンツは資産として蓄積され、SEO(検索エンジン最適化)による継続的な流入も見込めます。
  • デメリット
    質の高いコンテンツを継続的に制作するには、時間と工数がかかります。成果が出るまでにも時間がかかる、中長期的な施策です。
  • コスト目安
    サイト制作費、記事制作費(内製できれば人件費のみ)
  • 中小企業への適性
    独自の強みや企業文化をしっかりと言語化して伝えたい、長期的な視点で採用ブランディングを構築したい企業に向いています。

8. ハローワーク(公共職業安定所)

  • 概要
    国が運営する公共の職業紹介サービスです。無料で求人票を掲載できます。
  • メリット
    採用コストが一切かからない点が最大のメリットです。各地域に拠点があるため、地元・地域密着型の人材採用に強いです。
  • デメリット
    利用者の層が非常に幅広いため、求めるスキルや経験を持つ人材とマッチングしにくい場合もあります。掲載できる情報量にも限りがあります。
  • コスト目安
    無料
  • 中小企業への適性
    とにかくコストをかけずに採用したい場合、地域の人材を採用したい場合、未経験者採用を検討している場合に適しています。

9. 合同説明会・イベント

  • 概要
    複数の企業が集まる新卒向け・中途向けの説明会や転職フェアに出展し、求職者と直接コミュニケーションをとる手法です。
  • メリット
    一度に多くの求職者と直接会うことができます。Web上では伝わりにくい自社の熱意や雰囲気を、対面で直接伝えられる貴重な機会です。
  • デメリット
    出展費用(ブース代など)がかかります。多くの企業が並ぶため、他社と比較されやすく、ブース装飾やプレゼンテーションに工夫が必要です。当日の運営にもマンパワーが割かれます。
  • コスト目安
    数万円~数百万円(イベントの規模やブースの大きさによる)
  • 中小企業への適性
    知名度は低くても、直接対話することで魅力を伝えられる自信がある企業や、新卒採用などで多くの学生に認知を広げたい場合に有効です。

10. ヘッドハンティング

  • 概要
    他社で現在活躍している優秀な人材を、専門のヘッドハンターを通じてスカウトし、引き抜く手法です。
  • メリット
    他社で既に高い実績を出している、極めて優秀な人材をピンポイントで狙うことができます。
  • デメリット
    コストが非常に高額(年収の30%~50%以上になることも)です。また、相手が転職に応じるとは限らず、失敗するリスクもあります。
  • コスト目安
    高額(成功報酬型、年収の30%~50%以上)
  • 中小企業への適性
    経営幹部や特殊な専門家など、事業の核となる人材がどうしても必要な場合に検討されますが、コスト的なハードルは高い傾向にあります。

企業が自社に合った採用手法を選ぶ3つのステップ

ここまで採用手法の一覧を見て「結局、自社はどれを選べば良いのか?」と迷ってしまうかもしれません。企業が最適な手法を選ぶための考え方を、3つのステップで解説します。

1.採用の「目的」と「ペルソナ」を明確にする

まずは「なぜ採用するのか」「誰を採用したいのか」を徹底的にクリアにします。

  • 目的の例
    ・将来の幹部候補として、ポテンシャルのある新卒が欲しいのか?
    ・急な欠員補充のため、即戦力となる経験者が欲しいのか?
  • ペルソナ(人物像)の例
    ・どのようなスキルや経験を持っている人か?
    ・どのような価値観や志向性を持っている人か?

これが曖昧なままでは、どの手法(どの媒体、どのエージェント)を使うべきか判断できません。

2.自社の「強み」と「リソース」を棚卸しする

次に、自社の現状を客観的に把握します。

  • 強みの例
    ・「アットホームで風通しの良い社風」
    ・「ニッチな分野での高い技術力」
    ・「地域密着で顧客との距離が近い」
  • リソースの例
    ・「今回の採用にかけられる予算はいくらか?」
    ・「人事担当者は何人いて、どれくらい工数を割けるか?」

例えば、マンパワーが足りないのに工数がかかるダイレクトリクルーティングをメインにするのは困難です。逆に、社風が強みならリファラル採用やSNS採用が効果的かもしれません。

3.手法を「組み合わせる」ことを前提に選定する

特定の手法一つだけに頼るのはリスクが伴います。「これさえやればOK」という万能な手法は存在しません。

  • 組み合わせの例
    ・認知拡大のために「求人広告」を使いつつ、ミスマッチを減らすために「リファラル採用」を強化する。
    ・即戦力確保のために「人材紹介」を使いつつ、長期的な資産として「オウンドメディア」を育てる。
    ・「アルムナイ採用」の仕組みを整えつつ、並行して「ダイレクトリクルーティング」も行う。

自社の目的とリソースに合わせて、複数の手法を組み合わせ、試行錯誤していくことが重要です。

採用手法で「リファラル採用」「アルムナイ採用」を選択するメリット


採用コストの大幅な削減

リファラル採用・アルムナイ採用は、採用コストの削減に直結します。通常、人材紹介エージェントを利用すれば、採用決定者の年収の30%~35%程度の手数料が発生します。求人広告を掲載する場合も、決して安くはない費用がかかります。

しかし、リファラル採用やアルムナイ採用などを通じて直接アプローチできれば、こうした外部サービスへの手数料を大幅に削減、あるいはゼロに抑えることが可能です。採用プロセスの簡略化による、人事担当者の時間的・人的コストの削減効果も期待できるでしょう。

【関連】リファラル採用の採用コストとは?インセンティブ相場と成功のコツ

カルチャーフィットの担保と採用ミスマッチの防止

採用活動における最大の課題の一つが、「入社後のミスマッチ」です。どんなに優秀な人材でも、企業の文化や価値観に馴染めなければ、本来のパフォーマンスを発揮できず、早期離職に繋がってしまいます。

その点、リファラル採用・アルムナイ採用は自社の企業文化、事業内容、そして社内の人間関係まで深く理解しています。企業側も紹介した社員やアルムナイ人材の人柄や仕事ぶりを把握しているため、互いに「こんなはずじゃなかった」というギャップが極めて生じにくいのです。この相互理解は、採用における失敗のリスクを最小限に抑えます。

即戦力としての活躍と新たな知見の獲得

リファラル採用・アルムナイ採用の人材は、社内のルールや業務プロセスが浸透しやすいため、入社後のオンボーディング(研修や教育)期間を大幅に短縮できます。人間関係の再構築もスムーズに進み、即戦力として迅速にチームに貢献してくれるでしょう。

そして最大の付加価値は、他社で培った新たなスキル、知識、人脈を自社に還元してくれる点にあります。競合他社の戦略、異業種のビジネスモデル、新しいテクノロジーの知見など、リファラル採用・アルムナイ採用の人材が持ち帰る「外の風」は、組織に新たなイノベーションをもたらす起爆剤となり得ます。

エンゲージメント向上と組織の活性化

様々な企業と比較検討した上で自社を選んでくれたという事実は、リファラル採用・アルムナイ採用における人材が高いエンゲージメントを持っている証拠です。彼らのロイヤリティは高く、定着率の向上も期待できます。

また、そういった既存社員にも好影響を与えます。「この会社は社員の意見を取り入れてくれるんだ」「この会社は、一度辞めても温かく迎えてくれる場所だ」という認識は、社員に心理的安全性をもたらし、キャリアパスの多様性を示すことに繋がります。組織の新陳代謝が促され、健全な活性化が生まれる効果も見込めるでしょう。

【関連】リファラル採用におけるエンゲージメント向上とは?成功に導くポイントを解説

採用ブランディングの強化

リファラル採用・アルムナイ採用に積極的に取り組む姿勢は、「人を大切にする企業」「働きやすい企業」であることの何よりの証明となります。円満な退職と、その後の良好な関係性は、企業の魅力として社外へと自然に伝わっていきます。

社員が友人や知人に自社の魅力を語る「アンバサダー(広報大使)」のような役割を担ってくれることも少なくありません。これは、金銭では得られない、信頼性の高い採用ブランディングと言えるでしょう。

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アルムナイ採用を含め、どの手法にも一長一短があります。重要なのは、まず自社の目的やリソースを明確にし、それに基づいて複数の手法を戦略的に組み合わせることです。

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