アルムナイ採用の面接、どう進める?質問例から不採用時の伝え方まで徹底解説

アルムナイ採用の面接、どう進める?質問例から不採用時の伝え方まで徹底解説

「アルムナイ採用(出戻り採用)」が、採用難に悩む企業にとって有効な戦略として注目されています。
しかし、いざ元社員が面接に来たとき、「普通の面接とどう進めればいいのか?」「何を聞くべきか?」「昔話だけで終わってしまいそうだ」と悩む経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

アルムナイ採用は、うまく活用すれば即戦力確保や採用コスト削減に直結します。
一方で、面接での見極めを誤ると「期待外れ」や「早期の再退職」といったミスマッチを招くリスクもはらんでいます。

この記事では、アルムナイ採用の面接を成功させるために不可欠な「心構え」から、具体的な「質問例」、失敗しないための「注意点」まで、網羅的に解説します。

もくじ

アルムナイ採用の面接で「よくある失敗」とは?

アルムナイ採用の面接は、お互いを知っているという安心感から、つい「雑談」や「昔話」に終始しがちです。しかし、それでは適切な評価はできません。まずは、よくある失敗パターンを把握しましょう。

昔話や雑談だけで終わってしまう

「あの時は大変だったね」「〇〇さんは元気?」といった昔話や雑談で盛り上がり、面接時間が終了してしまうケースです。 これでは、候補者が他社で培ってきた「現在のスキル」や「復職への熱意」を見極めることができません。

「なぜ辞めたのか」を詰問してしまう

退職理由の確認は必要ですが、面接官が感情的になり、「なぜあのタイミングで辞めたんだ」「会社が大変な時だったのに」と責めるような口調で詰問してしまうと、候補者の意欲を大きく削いでしまいます。

在籍時の評価を鵜呑みにしてしまう

「昔はエースだったから」「真面目だったから」と、在籍時の評価や印象だけで採用を決めてしまうケースです。 人は数年で大きく変わります。候補者のスキルや価値観の変化、そして自社の変化を考慮せずに採用すると、ミスマッチの原因となります。

会社の「変化」を伝えないまま進めてしまう

候補者が知っているのは「過去の会社」です。 現在の事業フェーズ、組織体制、評価制度、使用ツールなどの「変化」を伝えないまま採用すると、入社後に「こんなはずではなかった」「聞いていた話と違う」というギャップが生まれ、早期退職につながりかねません。

【関連】アルムナイ採用のよくある失敗パターン7選!成功に導く5つの対策を解説

アルムナイ採用の面接で最も重要な「心構え」

アルムナイ採用の面接での失敗を防ぐため、面接官(経営者・人事担当者)は以下の3つの心構えを持つことが非常に重要です。

「元社員」ではなく「新規の即戦力候補」として接する

ここがアルムナイ採用の面接において最も大切な心構えです。過去の関係性や情実に流されず、「他社での経験を積んだ、一人のプロフェッショナルな転職希望者」としてフラットに評価する姿勢が求められます。 馴れ合いにならず、一定の緊張感を持って面接に臨みましょう。

「変化」と「再現性」を見極めること

アルムナイ採用の面接は、単なる同窓会ではありません。以下の2点を見極める場であると、明確に定義することが大切です。

  • 変化
    退職後、他社で何を経験し、どう「変化・成長」したのか。
  • 再現性
    その成長したスキルは、「”今の”当社」で発揮(再現)できるのか。

期待値のすり合わせを通常以上に徹底する

候補者は「昔の環境」をベースに期待している可能性があり、会社側も「昔の活躍」を期待しすぎている場合があります。 「給与はこれくらいだろう」「役職はこのあたりだろう」といった双方の思い込みを排除し、お互いの期待値を丁寧にすり合わせる必要があります。

アルムナイ採用の面接で聞くべき質問集

アルムナイ採用の面接は「過去(退職)」「空白期間(他社経験)」「現在(復職理由)」「未来(入社後)」の4つの時間軸で整理して質問すると、見極めがしやすくなります。

退職理由と背景の確認

【見極めたいこと】
 ・候補者が退職に至った「根本的な課題」が、自社で現在解消されているか。
 ・課題を客観的に捉えられているか。

【質問例】
 ・「あらためて、当時退職を考えられた背景や理由について、今どのように整理されていますか?」
 ・「(もし人間関係や待遇が理由なら)当時、当社に対して感じていた課題はどのような点でしたか?」
 ・「その課題(不満)は、転職先ではどのように解決(あるいは変化)されましたか?」

転職先での経験と「変化(成長)」の確認

【見極めたいこと
 ・「空白期間」に何を学び、どう成長したのか(客観的な事実)。
 ・在籍時にはなかった新しいスキルや視点を獲得しているか。

【質問例】
 ・「当社を退職された後、どのようなご経験を積まれましたか? 具体的にどのような役割・業務を担ってこられましたか?」
 ・「その経験を通じて、ご自身が最も成長したと感じる点(得たスキル)は何ですか?」
 ・「(もしあれば)当社在籍時には経験できなかった業務や、直面した困難について教えてください。それをどう乗り越えましたか?」

復職(出戻り)理由と動機の確認

【見極めたいこと】
 ・「なぜ他社ではなく、わざわざ当社に戻りたいのか」という本音と熱意。
 ・会社の「現在の」情報(事業内容、ビジョンなど)を理解しているか。

【質問例】
 ・「今回、改めて当社を志望された理由を、率直に教えてください」
 ・「他社も選択肢にある中で、当社に戻りたいと思われた決め手は何ですか?」
 ・「当社のどのような情報(例:SNS、元同僚からの話、プレスリリースなど)に触れて、興味を持たれましたか?」

入社後のビジョンと「会社の変化」への適応確認

【見極めたいこと】
 ・候補者のビジョンと、会社の「現在の」方向性が一致しているか。
 ・自社の「変化」を受け入れ、適応できるか。

【質問例】
 ・「もし復職いただけた場合、これまでの他社でのご経験を活かして、どのように貢献できるとお考えですか?」
 ・「(例:組織体制や事業方針の変化を具体的に説明した上で)当社の現在のこの状況について、どう思われますか? ご自身ならどう立ち回りますか?」
 ・「当社も当時と比べて、〇〇というツールを導入したり、〇〇というルールが変わったりしています。こうした『変化』について、どのように適応していけそうでしょうか?」

アルムナイ採用の面接におけるNG対応

アルムナイ採用の面接では、知人感覚が抜けずうっかり聞いてしまいがちなNG質問があります。これらは信頼関係を損ね、優秀な人材を逃すことにも繋がるため、絶対に避けましょう。

感情的な詰問

  • 「なぜあの時辞めたんだ」
  • 「会社を裏切ったのに、よく戻ってこようと思ったね」
  • 「〇〇さん(上司)を困らせたこと、覚えてる?」 

これらは候補者の志望意欲を著しく下げ、圧迫面接と受け取られます。

他社の内部情報や待遇の過度な探り

  • 「前の会社の給料は、結局いくらだった?」
  • 「(競合他社の場合)内部の〇〇プロジェクトはどうなってる?」
  • 「〇〇さん(元同僚)はまだいる?元気?」 

面接の本筋と関係ない詮索は、不信感を抱かせます。給与については、希望年収として尋ねるのが適切です。

復職を前提とした馴れ合いな会話

  • 「もう戻ってくるんでしょ?堅い話は抜きにしてさ」
  • 「いつから来れる?来週からお願いしたいんだけど」 

まだ評価が終わっていない段階で復職を前提に話すと、評価が甘くなるだけでなく、他の社員の不満にも繋がります。

アルムナイ採用の面接における「評価基準」とは?

アルムナイ採用の面接が終わったら、客観的な基準で評価することがミスマッチを防ぐカギとなります。以下の4つのポイントで判断しましょう。

退職理由が「解消」されているか

最も重要なポイントです。

  • 候補者側
    候補者自身が、転職先での経験を経て、当時の不満を解消・昇華できているか。(例:スキル不足が理由だったが、他社で実績を積んで自信をつけた)
  • 自社側
    当時の退職理由(例:評価制度の不備、特定の人物によるハラスメント、過度な労働環境)が、現在改善されているか。
    改善されていなければ、同じ理由で再び退職する可能性が高いです。

スキル・経験が「アップデート」されているか

「昔取った杵柄」だけでは不十分です。他社で得た新しい知見やスキルが、当社の「現在の」課題解決に貢献できるか、具体的に評価します。

会社の「現在の」カルチャーやフェーズとマッチしているか

会社も日々変化しています。特に中小企業では、数年で事業フェーズや組織体制が激変することも珍しくありません。候補者が持つ「過去のイメージ」ではなく、「現在の」会社の価値観やスピード感に合っているかを見極めます。

周囲(既存社員)への影響はポジティブか

企業において、既存社員への配慮は非常に重要です。

  • 復職者のポジションや待遇が、現在頑張っている社員の不公平感に繋がらないか。
  • 既存社員と良好な関係を築けそうか。(例:元部下が上司になる、など) これらの人間関係も考慮して、慎重に判断する必要があります。

アルムナイ採用を成功させるための「面接以外」のポイント

アルムナイ採用の面接そのものだけでなく、面接前後の「仕組み」を整えておくことも、アルムナイ採用の成功には不可欠です。

リファレンスチェックの実施も検討する

元社員とはいえ、他社での数年間の働きぶりは未知数です。必要に応じて(必ず候補者の許可を得て)、転職先の上司や同僚にリファレンスチェック(勤務状況の照会)を行うことも、客観的な評価のために有効です。

待遇(給与・役職)の決定ルールを明確化しておく

「元社員だから」という理由で優遇(あるいは冷遇)するのは危険です。「在籍時の給与」ではなく、あくまで「他社で得た経験・スキル」と「現在の市場価値」「入社後に期待される役割」に基づいて決定するというルールを明確にしておきましょう。

【関連】アルムナイ採用の待遇はどう決める?適切な決め方と注意点を解説

アルムナイ採用に特化したツールの活用を検討する

面接での内容をこまめに記録したり、アルムナイの情報を管理するためには、アルムナイ採用に特化したツールの活用も効果的です。
アルムナイとの関係構築(コミュニケーション)を円滑化し、情報管理も行えることで、アルムナイ採用を成功へと導くことができます。

【関連】アルムナイ採用を成功に導くツールとは?メリット・機能から導入の注意点まで解説

おすすめのアルムナイ採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください

アルムナイ採用の面接は、「懐かしむ場」ではなく、「お互いの『変化』を確認し、未来の貢献をすり合わせる戦略的な場」です。

面接官が「元社員」としてではなく「新規の即戦力候補」として真摯に向き合い、「過去の実績」に流されず、「現在のスキル」と「未来への熱意」を見極めることが、採用の成功につながります。

しかし、「アルムナイ採用について、専門家のアドバイスが欲しい」
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といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。

そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。

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