アルムナイ採用の進め方5ステップ!退職者を即戦力に変える方法とは?

アルムナイ採用の進め方5ステップ!退職者を即戦力に変える方法とは?

「求める人材からの応募が集まらない…」 「採用コストは増え続ける一方だ…」

人材獲得競争が激しさを増す現代において、多くの中小企業の経営者様や人事担当者様が、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。

こうした採用課題を解決する新たな一手として、今、「アルムナイ採用」が注目を集めています。

アルムナイ採用とは、一度退職した元社員を再び雇用する採用手法のことです。企業の文化や事業内容を深く理解している人材を即戦力として迎え入れられるため、採用リソースが限られる中小企業にとって、非常に有効な選択肢となり得ます。

この記事では、アルムナイ採用の導入を検討している、あるいは興味はあるものの「何から始めればいいか分からない」という方に向けて、具体的な進め方を5つのステップで分かりやすく解説します。

アルムナイ採用とは?

「アルムナイ(Alumni)」とは、もともとラテン語で「卒業生」や「同窓生」を意味する言葉です。ここから転じて、企業の退職者を「アルムナイ」と呼び、企業とアルムナイが良好な関係を築き、再雇用の機会を創出する取り組みが「アルムナイ採用」と呼ばれています。

「それなら、従来の『出戻り採用』と同じでは?」と思われるかもしれません。両者は元社員を再雇用する点で共通していますが、そのアプローチに大きな違いがあります。

個人的な繋がりから偶発的に発生することが多かった「出戻り採用」とは異なり、企業側が制度として、戦略的に元社員との関係を維持し、能動的に再雇用を目指すのが「アルムナイ採用」なのです。

【関連】アルムナイ採用とは?メリット・デメリットから導入方法まで徹底解説

なぜ今、アルムナイ採用が注目されるのか?

アルムナイ採用が注目される背景には、社会の変化が大きく影響しています。

  • 労働人口の減少と採用コストの高騰
    少子高齢化により、企業の採用競争はますます激化しています。新たな人材を一から見つけるコストや手間は、中小企業にとって大きな負担です。
  • 働き方の多様化とキャリア観の変化
    終身雇用が当たり前ではなくなり、転職によってキャリアアップを目指すことが一般的になりました。一度退職したからといって、企業との関係が完全に断たれるわけではないという考え方が広まっています。
  • 企業と個人の関係性の変化
    企業と従業員は、単なる雇用関係ではなく、対等なパートナーとしてキャリアを共に築く関係へと変化しつつあります。退職後も良好な関係を続けることで、将来的な協業や再雇用の可能性が生まれます。

アルムナイ採用を進めるにあたって知っておきたいメリット・デメリット

戦略的に導入することで大きな効果が期待できるアルムナイ採用ですが、メリットとデメリットを正しく理解しておくことが重要です。

アルムナイ採用におけるメリット

  1. 即戦力人材の確保
    最大のメリットは、何と言っても即戦力性の高さです。自社の企業文化や事業内容、人間関係をすでに理解しているため、入社後の立ち上がりが非常に早く、教育にかかる時間や手間を大幅に削減できます。
  2. 採用・教育コストの削減
    求人広告の出稿や人材紹介サービスの利用が不要になるケースが多く、採用コストを大幅に抑えることができます。また、新人研修なども最小限で済むため、教育コストの削減にも繋がります。
  3. ミスマッチの低減
    お互いの社風や働き方を理解した上での再入社となるため、「こんなはずではなかった」という入社後のミスマッチが起こる可能性は極めて低いでしょう。これは、早期離職の防止にも繋がります。
  4. 組織の活性化
    アルムナイが他社で培った新たなスキルや知識、人脈を社内に持ち帰ってくれることで、組織に新しい風が吹き込まれます。既存のやり方にとらわれない視点は、事業の成長やイノベーションのきっかけになることもあります。

【関連】今、注目すべき「アルムナイ採用」5つのメリットと成功の秘訣

アルムナイ採用におけるデメリットと対策

一方で、導入にあたっては注意すべき点もあります。しかし、事前に対策を講じることで、その多くは回避可能です。

  • 既存社員の不公平感
    再入社時の給与や役職によっては、既存社員が「なぜ一度辞めた人が優遇されるのか」と不公平感を抱く可能性があります。
    • 対策:再入社時の待遇に関する明確なルールを事前に策定し、既存社員にも丁寧に説明することで、不満の発生を防ぎましょう。
  • アルムナイが出戻りしづらい雰囲気
    過去に退職者を悪く言うような文化があると、アルムナイは復帰をためらってしまいます。
    • 対策:退職は「裏切り」ではなく、個人の「キャリアアップの選択」であるという文化を社内に醸成し、円満退職を促すことが重要です。
  • 情報の陳腐化
    会社のルールや事業内容が、アルムナイが在籍していた頃から大きく変わっている場合があります。
    • 対策:入社後のオンボーディング(受け入れ研修)で、変更点や新たな情報をインプットする機会を設け、スムーズな再適応をサポートしましょう。

【関連】アルムナイ採用の導入前に知っておくべきデメリットとは?具体的な対策と成功に導くポイントを解説

アルムナイ採用を導入するための具体的な進め方

それでは、実際にアルムナイ採用を導入するための具体的な手順を5つのステップに分けて解説します。

制度設計と社内ルールの策定

まずは、アルムナイ採用を正式な制度として運用するための土台を固めます。行き当たりばったりで進めると、後々のトラブルに繋がりかねません。以下の項目について、社内で検討し、ルールを明確化しましょう。

  • 対象者の条件
    誰をアルムナイ採用の対象とするか(例:勤続年数3年以上、円満退職者など)
  • 再入社時の処遇
    給与や役職をどのように決定するか(例:退職時の待遇をベースにする、他社での経験を考慮するなど)
  • 選考プロセス
    通常の選考フローと同じか、一部を簡略化するか
  • 既存社員への周知
    制度の目的やルールをどのように説明するか

【関連】アルムナイ採用を成功させる制度とは?具体的な設計方法と運用のコツ

退職者コミュニティの構築・運用

次に、アルムナイとの繋がりを維持するための仕組みを作ります。まずは、円満退職者の情報をデータベース化することから始めましょう。

  • 退職者情報のデータベース化
    過去の円満退職者をリストアップし、連絡先や在籍時の情報を整理します。
  • コミュニケーション手段の確保
    完璧なシステムは不要です。まずは、Facebookの非公開グループやLINEグループ、メーリングリストなど、低コストで手軽に始められるツールを活用しましょう。
  • 運用担当者の決定
    誰がコミュニティを管理し、情報発信を行うのか、担当者を決めておくとスムーズです。

【関連】アルムナイ採用を成功させるコミュニティの作り方と運営のコツ

アルムナイへの情報発信とアプローチ

コミュニティを構築したら、アルムナイとの関係を維持するために、定期的な情報発信を行います。一方的な求人情報の送付ではなく、まずは緩やかな繋がりを保つことを意識しましょう。

  • 定期的な情報発信
    会社の近況報告、新サービスのリリース、メディア掲載情報などを共有し、会社のファンでいてもらうことを目指します。
  • イベントの企画
    オンライン同窓会や交流会など、アルムナイが気軽に参加できるイベントを企画し、コミュニケーションの機会を創出します。
  • 個別のアプローチ
    募集ポジションにマッチする人材がいれば、個別に声をかけます。「まずはカジュアルに話だけでも」と、気軽なスタンスで連絡するのがポイントです。

選考プロセスの実施

アルムナイから応募があったら、選考プロセスに進みます。通常の選考とは異なり、以下の点を確認することに重点を置きましょう。

  • 退職理由が解消されているか
    なぜ退職に至ったのか、その原因が現在も会社に存在しないかを確認します。
  • 復帰後のビジョン
    戻ってきて何を実現したいのか、どんな貢献ができると考えているか、双方の期待値をすり合わせます。
  • 他社での経験
    社外でどのような経験を積み、スキルを身につけたのかをヒアリングし、自社でどう活かせるかを考えます。

受け入れ準備とオンボーディング

無事に再入社が決まったら、アルムナイがスムーズに組織に再適応できるよう、受け入れ体制を整えます。

  • 配属先への事前共有
    受け入れ部署のメンバーに、アルムナイが再入社する背景や期待する役割を事前に説明し、歓迎ムードを作り出します。
  • 入社後のフォロー
    定期的な1on1ミーティングなどを通じて、困っていることやギャップを感じていることがないかを確認し、早期に解決します。
  • 新しい知見を活かす機会の創出
    アルムナイが社外で得た知見やスキルを、社内勉強会などで共有してもらう機会を設けるのも良いでしょう。

アルムナイ採用を成功させるための3つのポイント

最後に、アルムナイ採用を成功させるために、押さえておきたい3つのポイントをご紹介します。

「いつでも戻ってこれる」文化を醸成する

最も重要なのが、企業文化です。退職者を「裏切り者」と見なすような雰囲気があっては、アルムナイ採用は成り立ちません。「退職は、個人のキャリアを考えた上でのポジティブな選択」と捉え、快く送り出す文化を育てることが、将来の貴重な人材獲得に繋がります。退職時にも感謝を伝え、良好な関係を維持することを心がけましょう。

既存社員の理解と協力を得る

アルムナイ採用は、既存社員の理解と協力なくしては成功しません。なぜこの制度を導入するのか、会社全体にどのようなメリットがあるのかを丁寧に説明しましょう。特に、処遇面で不公平感が出ないよう、制度の透明性を高めることが重要です。「会社が人を大切にしている証だ」と既存社員がポジティブに捉えられるような働きかけが不可欠です。

アルムナイ採用に特化したツール等を活用する

アルムナイ採用は、種をまき、水をやり、時間をかけて関係性を育んでいく農耕型のアプローチです。
活動の継続には、アルムナイ採用ツールの活用も効果的となります。
アルムナイ採用ツールを導入することで、アルムナイネットワークにおけるコミュニケーションを円滑化し、アルムナイ採用の成功へと導くことができます。

【関連】アルムナイ採用を成功に導くツールとは?メリット・機能から導入の注意点まで解説

おすすめのアルムナイ採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください

本記事では、アルムナイ採用の具体的な進め方を5つのステップで解説しました。

アルムナイ採用は、単なる採用手法の一つではありません。一度は自社で活躍してくれた「卒業生」という貴重な財産を活かし、企業と個人が長期的に良好な関係を築く、これからの時代に合った採用戦略です。

しかし、「アルムナイ採用について、専門家のアドバイスが欲しい」

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といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。

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