アルムナイ採用の分析方法とは?具体的なKPIと改善策を解説

アルムナイ採用の分析方法とは?具体的なKPIと改善策を解説

「アルムナイ採用を導入してみたものの、実際どのくらい効果が出ているのか分からない…」 「退職者との関係構築は、具体的に採用活動にどう貢献しているのだろうか?」

アルムナイ採用に取り組む中で、このような漠然とした疑問を抱えてはいないでしょうか。

多くの企業様で、アルムナイ採用が担当者の熱意や経験といった「感覚的」な運用に留まってしまい、その投資対効果を社内に客観的なデータで説明できない、という課題を抱えています。

本記事では、アルムナイ採用の成果をデータに基づいて「分析」し、貴社の採用力をさらに強化するための具体的な手法を分かりやすく解説していきます。

結論からお伝えすると、アルムナイ採用の成功の鍵は、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、継続的なデータ分析を通じて改善のサイクルを回していくことにあります。この記事を読めば、明日から何をすべきかが明確になるはずです。

なぜ今、アルムナイ採用に「分析」が必要なのか?

そもそも、なぜアルムナイ採用において「分析」が重要なのでしょうか。その理由は大きく3つあります。

感覚的な「点」の採用から、戦略的な「線」の採用へ

アルムナイ採用は、「退職した優秀な社員が偶然戻ってきてくれた」という一度きりの「点」の施策ではありません。退職の経緯から、退職後のコミュニケーション、再応募、再入社、そして入社後の活躍までを、一貫した「線」として捉え、戦略的に運用していく必要があります。

データを分析することで、「どのような退職者が、どのようなきっかけで復帰を希望するのか」「どのようなコミュニケーションが再入社に繋がりやすいのか」といった傾向が見えてきます。これにより、場当たり的な対応ではなく、データに基づいた戦略的なアプローチが可能になるのです。

採用コストの費用対効果(ROI)を明確にする

経営者にとって、あらゆる企業活動には投資対効果(ROI)が求められます。アルムナイ採用も例外ではありません。

求人広告や人材紹介など、他の採用手法と比較して、アルムナイ採用がどれだけコスト効率の良いものなのかを客観的な数値で示せなければ、継続的な投資や協力体制を得ることは難しいでしょう。

例えば、「アルムナイ採用によって、今年は人材紹介料を〇〇円削減できた」「採用単価が他の手法に比べて〇%低い」といった具体的なデータを提示できれば、アルムナイ採用の価値を社内に証明し、より積極的な活動の推進力となります。

アルムナイとの関係性を強化し、エンゲージメントを高める

アルムナイとの良好な関係は、採用成功の基盤です。しかし、「良好な関係」とは具体的にどのような状態でしょうか。これも分析によって可視化できます。

例えば、アルムナイ向けに配信しているメールマガジンの開封率や、イベントへの参加率などを分析することで、彼らがどのような情報を求めているのか、どのような交流の機会を望んでいるのかといったニーズを把握できます。

その分析結果をもとにコミュニケーション施策を改善していくことで、アルムナイのエンゲージメント(企業への愛着や貢献意欲)を高め、より強固な信頼関係を築くことができるのです。

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アルムナイ採用で分析すべき5つの重要KPI

具体的にアルムナイ採用でどのような指標(KPI)を分析すれば良いのでしょうか。ここでは5つの切り口から、重要なKPIをご紹介します。

1.採用プロセスに関するKPI

まずは、採用活動の基本的な流れがうまくいっているかを測る指標です。

  • アルムナイ・ネットワーク登録者数
    退職者のうち、何人がネットワークに参加してくれているか。
  • 応募率
    ネットワーク登録者のうち、実際に求人に応募してくれた人の割合。
  • 選考通過率
    応募から各選考段階(書類、面接)を通過した人の割合。
  • 採用決定率(内定承諾率)
    内定を出した人のうち、承諾してくれた人の割合。

これらの数値を時系列で追うことで、「ネットワークの規模は順調に拡大しているか」「応募に繋がる魅力的な情報発信ができているか」といった点を評価できます。

2.コストに関するKPI

費用対効果を測るための、経営的にも重要な指標です。

  • 採用単価(CAC)
    アルムナイ1名を採用するためにかかった総コスト。
  • 広告費削減額
    アルムナイ採用で充足できたことで、本来かかるはずだった求人広告費や人材紹介料の削減額。

特に採用単価は、他の採用手法と比較することで、アルムナイ採用のコスト優位性を明確に示すことができます。

3.入社後のパフォーマンスに関するKPI

「採用して終わり」ではなく、再入社後に活躍してくれているかを測る指標です。

  • 再入社後の定着率
    再入社した社員が、1年後、3年後も定着しているかの割合。
  • エンゲージメントスコア
    組織や仕事に対する熱意や貢献意欲を測る指標(サーベイツールなどで計測)。
  • パフォーマンス評価
    人事評価の結果。

アルムナイは企業文化への理解があるため、一般的に定着率やパフォーマンスが高くなる傾向があります。このデータを取ることで、採用の「質」の高さを証明できます。

4.アルムナイ・ネットワークに関するKPI

アルムナイとの関係性の「質」を測る指標です。

  • ネットワークのアクティブ率
    定期的なメルマガ開封やサイトへのログインなど、何らかのアクションがある人の割合。
  • イベント参加率
    開催した交流イベントなどへの参加割合。
  • リファラル(友人紹介)発生数
    アルムナイが知人や友人を紹介してくれた数。

これらの指標は、アルムナイが自社に対してポジティブな感情を抱いてくれているかどうかのバロメーターになります。

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5.事業貢献に関するKPI

直接的な採用活動以外での貢献度を測る指標です。

  • アルムナイ経由のビジネス機会創出数
    アルムナイが取引先を紹介してくれる、共同で事業を行うなど、ビジネスに繋がった件数。
  • 企業ブランディングへの貢献度
    SNSでのポジティブな言及や、企業の評判向上に繋がった事例など。

これらの副次的な効果も記録しておくことで、アルムナイ採用の価値を多角的に示すことができます。

アルムナイ採用の分析を進める4つのステップ

「アルムナイ採用におけるKPIは分かったけれど、何から手をつければいいの?」という方のために、アルムナイ採用の分析を進める4つのステップをご紹介します。

1.目的とKPIを明確にする

まず最も重要なのが、「何のために分析するのか」という目的を定めることです。 例えば、「採用コストの高騰が経営課題だ」という企業であれば、目的は「採用単価の削減」になります。そして、その目的を達成するために見るべき主要なKPIは「採用単価」や「広告費削減額」になります。

いきなり全てのKPIを追う必要はありません。自社の最も大きな課題は何かを考え、それに関連するKPIから計測を始めましょう。

2.必要なデータを収集・管理する

次に、定めたKPIを計測するためのデータを集めます。大掛かりな専用システムは必要ありません。まずはExcelやGoogleスプレッドシートで、退職者情報を管理する簡単なデータベースを作成することから始めましょう。

  • 管理すべき項目例
    氏名、退職日、在籍時の部署・役職、連絡先(メールアドレス)、退職理由、ネットワーク参加の有無、再応募の有無、コミュニケーション履歴など。

これらの情報を一元管理することが、正確な分析の第一歩です。

3.データを分析し、傾向を可視化する

データが溜まってきたら、それを分析して傾向を読み解きます。難しく考える必要はありません。Excelの簡単な関数やグラフ機能を使うだけで十分です。

  • 分析例
    • 再応募者の「在籍時の部署」を集計し、どの部署からの復帰が多いかを見る。
    • 応募率の推移を月ごとにグラフ化し、どの時期のどんな情報発信が効果的だったかを考察する。

データを可視化することで、これまで気づかなかった課題や成功のヒントが隠されていることに気づくはずです。

4.分析結果に基づき、改善アクションを実行する

分析は、それ自体が目的ではありません。分析して見えてきた課題や仮説をもとに、具体的な改善アクションを実行することが最も重要です。

  • 改善アクションの例
    • 分析結果: 「退職後3年以上経過した人からの応募が少ない」
    • 仮説: 長期間コミュニケーションが途絶えると、企業のことを忘れてしまうのではないか?
    • 改善アクション: 退職後3年以上のアルムナイに限定して、最近の会社のニュースや活躍している社員のインタビューなどを送ってみる。

この「データ収集→分析→改善アクション」のサイクルを回し続けることが、アルムナイ採用を成功に導く王道です。

アルムナイ採用の分析でよくある課題と解決策

最後に、アルムナイ採用の活動の分析を進める上でつまずきがちなポイントと、その解決策をご紹介します。

分析するためのデータが足りない、散在している

解決策: まずはスモールスタートを意識しましょう。最初から完璧なデータベースを目指す必要はありません。これから発生する退職者に対して、退職時のアンケートを実施し、「今後の情報提供の希望」や「連絡先」を確実に取得することから始めてみてください。既存のデータは、人事ファイルなどから少しずつ集約していきましょう。

どの指標を優先して見れば良いか分からない

解決策: 繰り返しになりますが、自社の採用課題に直結するKPIから始めましょう。例えば、採用のマンパワー不足に悩んでいるのであれば、選考プロセスが短く、ミスマッチの少ないアルムナイ採用がどれだけ「工数削減」に貢献しているかを可視化することに注力するのが良いでしょう。

分析データを管理し切れない

解決策:どうしても人事の工数も限られているため、アルムナイ採用ツールを活用して管理・分析することも効果的です。
アルムナイ採用ツールを導入することで、アルムナイネットワークにおけるコミュニケーションの円滑化も図りながら、アルムナイ採用の成功へと導くことができます。

【関連】アルムナイ採用を成功に導くツールとは?メリット・機能から導入の注意点まで解説

おすすめのアルムナイ採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください

本記事では、アルムナイ採用の効果を最大化するための「分析」について解説してきました。

データ分析と聞くと難しく感じられるかもしれませんが、まずはExcelで簡単な集計をしてみるなど、小さな一歩からで構いません。その小さな一歩が、貴社の採用活動を大きく前進させる原動力となります。

しかし、「アルムナイ採用について、専門家のアドバイスが欲しい」

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