アルムナイ採用を成功させるコミュニティの作り方と運営のコツ
近年、新たな採用手法として注目を集める「アルムナイ採用」。しかし、「一度辞めた社員とどう繋がればいいのか」「そもそも何から手をつければ…」とお悩みの中小企業の経営者・人事担当者様も多いのではないでしょうか。
実は、アルムナイ採用における成功の鍵は、退職者との継続的な関係を築く「コミュニティ」の存在にあります。
この記事では、アルムナイ採用におけるコミュニティの重要性から、活性化させる運営のコツまでを網羅的に解説します。
もくじ
アルムナイ採用におけるコミュニティとは?
アルムナイ(alumni)とは、英語で「卒業生」を意味する言葉です。この考え方に基づき、退職者を「会社からの卒業生」と捉え、敵対的な関係ではなく、良好な関係を継続していこうというのがアルムナイカルチャーの基本です。
アルムナイコミュニティは、この関係性を維持・発展させるためのプラットフォームであり、情報交換や交流を通じて、企業とアルムナイの双方にメリットをもたらすことを目的とします。
なぜ今、アルムナイコミュニティが重要視されるのか?
なぜ今、多くの企業がアルムナイコミュニティに注目しているのでしょうか。その背景には、現代のビジネス環境の変化があります。
- 人材獲得競争の激化と採用チャネルの多様化
少子高齢化による労働人口の減少に伴い、企業の採用競争は激化の一途をたどっています。従来の求人広告や人材紹介だけに頼るのではなく、アルムナイ採用という新たなチャネルを開拓することが、優秀な人材を確保する上で非常に重要になっています。 - 企業の持続的な成長への貢献(再雇用に留まらない価値)
アルムナイとのつながりは、再雇用(カムバック採用)だけが目的ではありません。他社で経験を積んだアルムナイが、自社の顧客やビジネスパートナーになったり、新たな人材を紹介してくれたりと、企業の持続的な成長に多方面から貢献してくれる可能性を秘めています。
アルムナイ採用でコミュニティを構築する5つのメリット
アルムナイコミュニティを構築・運営することは、企業にとって多くのメリットをもたらします。具体的な内容について紹介します。
即戦力人材の再雇用につながる
最大のメリットは、優秀な人材の再雇用です。アルムナイは自社の事業内容や企業文化を深く理解しているため、入社後のミスマッチが起こりにくく、教育コストもかかりません。まさに「即戦力」として、すぐに活躍してくれることが期待できます。
採用コスト・工数を大幅に削減できる
一般的な中途採用では、求人広告費や人材紹介手数料など、一人あたり数十万~数百万円のコストがかかります。アルムナイ採用は、コミュニティを通じて直接アプローチできるため、これらの採用コストを大幅に削減することが可能です。
ビジネスチャンスが拡大する(協業・顧客紹介など)
アルムナイは、退職後に様々な業界・企業で活躍しています。彼らとのネットワークは、新たなビジネスパートナーシップの構築、顧客の紹介、有益な業界情報の入手など、予測不能なビジネスチャンスを生み出す貴重な資産となります。
信頼できるリファラル採用(社員紹介)が促進される
自社のことをよく知るアルムナイは、信頼できる友人や知人を紹介してくれる可能性があります。アルムナイ経由のリファラル採用は、通常の社員紹介よりもミスマッチが少なく、質の高い採用につながりやすいという特徴があります。
企業のブランドイメージが向上する
アルムナイとの良好な関係を築いている企業は、「人を大切にする会社」「働きがいのある会社」というポジティブな印象を社内外に与えます。これは採用ブランディングにおいて大きな強みとなり、現役社員のエンゲージメント向上にも寄与します。
【関連】リファラル採用のメリット7選!デメリットや成功のコツも徹底解説
アルムナイ採用におけるコミュニティの作り方
「アルムナイ用のメリットは分かったけれど、具体的にどう始めればいいの?」という方のために、アルムナイコミュニティの作り方を5つのステップで具体的に解説します。
1.目的とゴールを明確にする
まず最初に、「何のためにコミュニティを作るのか」という目的を明確にしましょう。目的が曖昧なままでは、運営が長続きしません。
- 目的の例
- 即戦力人材の再雇用
- リファラル採用の活性化
- アルムナイとのビジネス協業
- ゴールの例
- 再雇用を年間3名実現する
- コミュニティ経由のビジネス案件を年間5件創出する
2.対象となる退職者(アルムナイ)の範囲を決める
次に、コミュニティに参加してもらうアルムナイの対象範囲を定義します。誰でもOKとするのか、一定の基準を設けるのかを決めましょう。
- 基準の例
- 円満退職者であること
- 勤続年数が3年以上であること
- 正社員として勤務していたこと
企業の状況に合わせて、最適な基準を設定することが重要です。
3.コミュニティのプラットフォーム(場)を選定する
コミュニティを運営するための「場」となるプラットフォームを選びます。それぞれに特徴があるため、自社の目的やリソースに合わせて選びましょう。
FacebookやSlackなどもおすすめですが、アルムナイ採用ツールを利用することで工数や管理がしやすくなります。
まずは担当者の負担が少ない場から、スモールスタートするのもおすすめです。
4.参加を促すためのコミュニケーションを設計する
プラットフォームができたら、アルムナイに参加を呼びかけます。退職時の案内に加え、過去の退職者にも丁寧に招待の連絡をしましょう。
- コミュニケーションのポイント
- コミュニティの目的やメリットを明確に伝える
- 「いつでも戻ってこれる場所」という歓迎の姿勢を示す
- 一斉送信ではなく、可能な限り個別にメッセージを送る
5.提供するコンテンツやイベントを企画する
コミュニティは作って終わりではありません。参加してくれたアルムナイにとって魅力的だと感じてもらえるコンテンツやイベントを企画し、継続的に提供することが重要です。
- コンテンツ・イベントの例
- 会社の最新ニュースや事業の進捗報告
- 限定の求人情報(アルムナイ向け採用ポジション)
- アルムナイや現役社員のインタビュー記事
- オンライン/オフラインでの交流会や勉強会
アルムナイ採用のコミュニティ運営を成功させる3つのポイント
せっかく作ったアルムナイコミュニティを「幽霊コミュニティ」にしないために、運営を成功させる3つのポイントをご紹介します。
アルムナイにとって「有益な情報」を定期的に提供する
最も重要なのは、アルムナイが「このコミュニティに参加していて良かった」と思えるような有益な情報を提供し続けることです。企業の宣伝ばかりではなく、アルムナイ自身のキャリアや知識にプラスになるような情報をバランス良く発信しましょう。
【関連】アルムナイ採用を社内で成功させる方法は?導入の進め方と説得のコツ
一方的な発信で終わらせない「双方向の仕掛け」を作る
運営側からの情報発信だけでなく、アルムナイ同士が交流したり、アルムナイが意見を発信したりできるような「双方向の仕掛け」がコミュニティを活性化させます。
「放置」しないための運営体制を構築する
多忙な人事担当者が片手間で運営しようとすると、どうしても更新が滞りがちになります。コミュニティ運営の主担当者を決め、「月2回は必ず情報発信する」など最低限のルールを設けることで、無理なく継続できる体制を構築しましょう。
【関連】アルムナイ採用を成功させる制度とは?具体的な設計方法と運用のコツ
アルムナイ採用におけるコミュニティのよくあるQ&A
Q. コミュニティ運営に割くリソース(人手・時間)がありません。
A. 最初から完璧を目指す必要はありません。まずはFacebookグループを開設し、「月1回の情報発信から始める」など、無理のない範囲でスモールスタートすることをおすすめします。目的を再雇用に絞るなど、やることを限定するのも有効です。
Q. どのような情報を発信すればいいか分かりません。
A. まずは自社のプレスリリースや現役社員の紹介、オフィスの様子といった発信しやすい情報から始めてみましょう。慣れてきたら、アルムナイへの簡単なアンケートや、インタビュー企画など、参加を促すコンテンツに挑戦していくと良いでしょう。
Q. 作ったはいいものの、コミュニティが全く盛り上がりません。
A. 運営側からの発信だけでなく、アルムナイ同士が交流できるきっかけ作りが重要です。アルムナイ採用に特化したツールを利用することにより形骸化を防ぐことができるため、ツールを活用することも一つの手法です。
【関連】アルムナイ採用を成功に導くツールとは?メリット・機能から導入の注意点まで解説
おすすめのアルムナイ採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください
本記事では、アルムナイ採用を成功に導くコミュニティの重要性から、具体的な作り方、運営のポイントまでを解説しました。
アルムナイは、一度会社を離れた「他人」ではなく、貴社の文化や事業を深く理解してくれている貴重な「財産」です。彼らとの良好な関係を築くコミュニティは、再雇用という直接的なメリットだけでなく、ビジネスの拡大やブランディング向上など、計り知れない価値を企業にもたらします。
しかし、「アルムナイ採用について、専門家のアドバイスが欲しい」
「アルムナイ採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」
といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
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