リファラル採用の成功の鍵は「採用広報」にあり!具体的な手法と注意点を徹底解説

「社員紹介制度(リファラル採用)を導入したのに、期待していたほど社員が紹介してくれない」 「紹介はされるものの、選考途中や内定のタイミングで辞退されてしまうことが多い」
もし貴社がこのような課題を抱えているなら、その原因は「採用広報」の不足にあるのかもしれません。
リファラル採用は、単に制度を作って社員に協力を呼びかけるだけではなかなか機能しないのが現実です。社員が「自社のことを大切な友人に紹介したい」と心から思い、紹介された友人が「この会社で働いてみたい」と感じるためには、戦略的な情報発信、すなわち「採用広報」が不可欠なのです。
この記事では、リファラル採用に悩む経営者や人事担当者の皆様へ向けて、社員の協力を引き出し、採用成功率を高めるための「採用広報」の具体的な手法を分かりやすく解説します。
もくじ
なぜリファラル採用に「採用広報」が不可欠なのか?
採用広報と聞くと、求人媒体への出稿や採用サイトの運営といった、社外向けの活動をイメージする方が多いかもしれません。しかし、リファラル採用においては、「社内(社員)」と「社外(候補者)」の両方に向けた広報活動が、車の両輪のように機能することが成功の鍵となります。
<社内向けの効果>社員の「紹介したい」という意欲を醸成する
社員は「会社の広告塔」ではありません。彼らが友人・知人を紹介してくれるのは、会社への共感や愛着、いわゆる「従業員エンゲージメント」が高い状態にあるときです。採用広報には、このエンゲージメントを高める効果があります。
- 会社の魅力や将来性を再認識させる
会社のビジョンや事業の成長性を伝える広報活動を通じて、社員は自社で働くことへの誇りを再認識し、「この素晴らしい会社を友人にも勧めたい」という気持ちになります。 - 「どんな人を紹介すれば良いか」の解像度を高める
求める人物像や募集ポジションの役割を具体的に発信することで、社員は「自分の友人の中に、この会社で活躍できそうな人がいるだろうか?」と、自分ごととして考えやすくなります。 - 制度を形骸化させず、協力的な文化を育む
リファラル採用の重要性や成功事例を継続的に共有することで、制度が形骸化するのを防ぎ、「会社一丸となって良い仲間を探そう」という文化が醸成されます。
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<社外向けの効果>紹介された候補者の「入社したい」を後押しする
友人から紹介された候補者は、その会社に対して一定の安心感を持っています。しかし、入社を決断するには、友人からの情報だけでは不十分です。
- 客観的な情報で企業理解を深める
候補者は、公式サイトや採用ブログ、第三者からの評判などを確認し、友人から聞いた話が本当かどうかを確かめようとします。充実した情報発信は、候補者の不安を払拭し、理解を深める上で不可欠です。 - リアルな職場環境や文化を伝え、入社後のミスマッチを防ぐ
社員の働き方やカルチャーが伝わるコンテンツは、候補者が「自分がこの会社で働く姿」を具体的にイメージする手助けとなります。これにより、入社後の「思っていたのと違った」というミスマッチを減らすことができます。
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【社内向け編】リファラル採用を加速させる採用広報の具体的な手法
では、具体的にどのような広報活動を行えば、リファラル採用の活動に社員を巻き込み「紹介したい」と思ってもらえるのでしょうか。3つのステップで解説します。
1.会社の「魅力」と「求める人物像」を言語化し、共有する
まず取り組むべきは、社員に紹介してもらうための「共通言語」を作ることです。
- 経営層からビジョンを語る
社長や役員が、自社のミッション・ビジョン・バリュー(MVV)や事業の将来性について、全社集会や社内報、動画メッセージなどで繰り返し熱く語りましょう。会社の「想い」を共有することが、共感の第一歩です。 - 求める人物像(ペルソナ)を具体的にする
「コミュニケーション能力が高い人」といった曖昧な表現ではなく、「顧客の課題に深く共感し、粘り強く解決策を提案できる人」のように、具体的な行動や価値観レベルまで落とし込んで共有します。 - 活躍社員をロールモデルとして紹介する
求める人物像を体現している社員にインタビューを行い、その働きぶりや考え方を社内ブログなどで紹介するのも効果的です。これにより、他の社員が紹介する人物をイメージしやすくなります。
【関連】リファラル採用はペルソナが9割!紹介の質と数を高める作り方と活用法
2.分かりやすく、協力しやすい「制度」を周知徹底する
どんなに社員の意欲が高まっても、制度が複雑で使いにくければ行動にはつながりません。
- 紹介プロセスをシンプルにする
「誰に、何を、どのように伝えればよいか」が一目で分かるように、紹介フローを図解したり、専用の申請フォームを用意したりして、社員の手間を最小限に抑えましょう。 - インセンティブ制度を明確にする
紹介料(インセンティブ)の金額や支払い条件、タイミングなどを明確に定め、全社員がいつでも確認できるようにします。インセンティブは、感謝の気持ちを形にするための重要な要素です。 - 便利な「紹介ツール」を用意する
社員が友人・知人に送るためのメッセージテンプレートや、会社の魅力が詰まった採用ピッチ資料、募集職種の概要資料などを用意しておくと、紹介のハードルが大きく下がります。
3.「協力して良かった」と思える体験を創出する
リファラル採用は、一回きりのお願いで終わらせず、継続的な文化として根付かせることが重要です。
- 紹介への感謝を丁寧に伝える
紹介があった際は、人事担当者だけでなく、経営層や配属予定先の責任者からも直接感謝の言葉を伝えましょう。結果の合否に関わらず、「協力してくれてありがとう」という姿勢が、次の紹介へとつながります。 - 成功体験を社内で共有する
リファラル採用で入社した社員がどのような活躍をしているのかを、社内報やSlackなどのコミュニケーションツールで積極的に発信します。成功事例の共有は、「自分の紹介が会社の成長につながる」という実感を生み出します。
【社外向け編】リファラル採用を加速させる採用広報の具体的な手法
次に、社員が「この情報なら自信を持って友人にシェアできる」と感じ、候補者が「もっとこの会社のことを知りたい」と思うための、リファラル採用を推進する社外向け広報の手法を見ていきましょう。
社員が主役となるコンテンツを発信する
候補者が最も知りたいのは、そこで働く「人」の情報です。社員のリアルな声を通じて、企業の魅力を伝えましょう。
- 社員インタビュー記事・動画
「なぜこの会社に入社したのか」「仕事のやりがいは何か」「どんなチームで働いているのか」など、一人の社員のストーリーを深掘りすることで、読者は自分を重ね合わせやすくなります。特に動画は、人柄や会社の雰囲気が伝わりやすく効果的です。 - 座談会コンテンツ
様々な職種や年代の社員が集まり、特定のテーマについて語り合う座談会は、多様な働き方や社員同士の関係性を伝えるのに適しています。 - 「一日の流れ」紹介
営業職、エンジニア職など、職種ごとの典型的な一日のスケジュールを紹介することで、候補者は入社後の働き方を具体的にイメージできます。
企業の「素顔」が伝わる情報を発信する
整えられた情報だけでなく、少しラフで人間味のある情報が、候補者の共感や親近感を呼びます。
- 採用オウンドメディア(ブログ)の運営
自社で運営するブログで、事業の裏側、失敗談から学んだこと、ユニークな福利厚生の紹介など、多角的な情報を発信します。継続的な情報発信は、貴社のファンを増やすことにもつながります。 - SNSの活用
X(旧Twitter)やFacebook、Instagramなどで、社内イベントの様子や日常の何気ないオフィスの風景などを発信しましょう。リアルタイム性の高い情報は、企業の「素顔」を伝えるのに最適です。 - ミートアップやカジュアル面談の開催
選考とは関係なく、社員と候補者が気軽に交流できる場を設けることで、相互理解を深めることができます。オンラインでの開催も有効です。
社員が「シェアしやすい」仕組みを整える
魅力的なコンテンツも、社員に届き、シェアされなければ意味がありません。
- シェアボタンの設置
作成したブログ記事や社員インタビューには、必ずSNSのシェアボタンを分かりやすく設置します。 - 社内でのシェア依頼
新しいコンテンツを公開したら、社内チャットツールなどで「新しい記事を公開しました!ぜひ友人・知人にもシェアをお願いします!」と積極的に告知しましょう。その際、シェア用の文面案を添えてあげると、より親切です。
リファラル採用の採用広報で注意すべきポイント
最後に、リファラル採用におけるこれらの施策を成功に導くために、担当者が心得るべき3つの重要なポイントをお伝えします。
長期的な視点で取り組む
採用広報、特にリファラル採用の文化醸成は、一朝一夕で実現するものではありません。半年、一年といった長期的な視点を持ち、PDCAサイクルを回しながら継続的に施策を改善していくことが重要です。すぐに結果が出なくても、諦めずに情報発信を続ける姿勢が求められます。
経営層を巻き込む
リファラル採用は、人事部だけの仕事ではありません。「全社一丸となって、未来の仲間を探すプロジェクト」です。特に、経営層がその重要性を理解し、自ら率先して情報発信を行ったり、社員に協力を呼びかけたりする姿は、社員の意識を大きく変える力を持っています。
【関連】なぜ経営層はリファラル採用に消極的なのか?コストと効果で納得させる5つの説得ステップ
一方的な発信で終わらせない
広報は「伝える」ことだけではありません。「聴く」ことも同じくらい重要です。定期的に社員アンケートやヒアリングを実施し、「会社のどんな点に魅力を感じるか」「紹介する際にどんな情報が足りないと感じるか」といった現場の声を収集しましょう。その声を次の広報施策に反映させることで、より効果的な活動になります。
形骸化を防ぐためのリファラル採用特化ツールを活用する
広報をするだけでは、徐々にリファラル採用の制度が形骸化してしまう可能性があります。リファラル採用専用ツールを活用することで、社員の「紹介の手間」を大幅に削減し、人事担当者の「管理業務」を効率化できます。
本来の業務に支障をきたさずに運用を進められることで、リファラル採用制度の形骸化防止につながります。
【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう
本記事では、リファラル採用を成功に導くための「採用広報」について解説してきました。
リファラル採用のための採用広報とは、言い換えれば「社員が自社のファンになり、その輪を広げていく活動」そのものです。それは単なる採用手法の改善に留まらず、社員のエンゲージメントを高め、組織全体を強くするポテンシャルを秘めています。
「リファラル採用の採用広報を進めたいが、何から手をつければいいか分からない」
「リファラル採用を始めるにあたって、プロの意見が聞きたい」
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。
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