リファラル採用におけるオンボーディングの重要性とは?定着率を高めるポイントを解説

リファラル採用におけるオンボーディングの重要性とは?定着率を高めるポイントを解説

採用コストを抑え、自社にマッチした優秀な人材を確保できる手法として、多くの企業が「リファラル採用」に注目しています。信頼する社員からの紹介だからこそ、入社後の活躍も期待できる。そう考えて、制度を導入された経営者・人事担当者の方も多いのではないでしょうか。

その一方で、 「紹介で入社した社員が、なぜか早期に辞めてしまった…」 「入社後、紹介者と新入社員の双方のパフォーマンスが落ちてしまった…」 といった、予期せぬ課題に直面するケースが増えているのも事実です。

なぜ、期待の大きかったリファラル採用で、このような事態が起きてしまうのでしょうか。 その答えは、「入社後」の取り組みにあります。

この記事では、リファラル採用の成否を分ける極めて重要なプロセスである「オンボーディング」に焦点を当て、入社した社員が早期に活躍・定着するための具体的な方法を分かりやすく解説します。

リファラル採用におけるオンボーディングとは?

まずはじめに「オンボーディング」という言葉の定義を紹介します。

オンボーディングの目的と重要性

オンボーディングとは、新入社員が組織にスムーズに馴染み、早期に能力を発揮して活躍できるよう支援する一連の受け入れ・定着プロセスのことです。

単なる入社手続きや数日間の研修だけを指すのではありません。入社前から始まり、少なくとも3ヶ月〜半年、企業によっては1年間にわたって継続的に行われる包括的な取り組みです。

効果的なオンボーディングは、早期離職の防止、エンゲージメント(会社への愛着や貢献意欲)の向上、そして新入社員の即戦力化を促進し、企業の成長に大きく貢献します。

なぜリファラル採用で「オンボーディング」が重要なのか?

一般的な中途採用以上に、リファラル採用では戦略的なオンボーディングが不可欠です。なぜなら、リファラル採用には見過ごされがちな特有の難しさが潜んでいるからです。

紹介者と被紹介者の「人間関係」への配慮が必要

リファラル採用の最大の特徴は、紹介者(既存社員)と被紹介者(新入社員)の間に、もともと友人・知人としてのプライベートな人間関係が存在することです。

これは大きなメリットである一方、入社後のフォローを怠ると大きなリスクに変わり得ます。例えば、新入社員が業務上の困難に直面した際、会社への不満が紹介者個人への不満にすり替わってしまうことがあります。

最悪の場合、新入社員の退職が紹介者との人間関係の悪化を招き、紹介者のエンゲージメント低下や退職にまでつながる「共倒れ退職」のリスクもゼロではありません。

「入社前の期待値」と現実のギャップが生じやすい

友人・知人からの情報は、どうしてもポジティブな側面が強調されがちです。「風通しが良い」「やりがいがある」といった魅力的な話を聞くことで、入社への期待値は自然と高まります。

しかし、どんな会社にも厳しい側面や泥臭い業務は存在します。この現実とのギャップを埋めるプロセスがないまま入社すると、ほんの些細なことで「聞いていた話と違う」という大きな失望につながりかねません。この「期待値のズレ」は、早期離職の主要な原因の一つです。

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「聞きづらい・頼りづらい」という心理的障壁

「紹介してくれた友人の顔に泥を塗りたくない」 「簡単な質問をして、がっかりされたくない」

新入社員がこのように考えてしまうことで、業務上の疑問や人間関係の不安を一人で抱え込みやすい傾向があります。

一方で、周囲の社員も「〇〇さん(紹介者)がいるから、フォローは大丈夫だろう」と過信してしまい、サポートが手薄になりがちです。この双方の遠慮や思い込みが、新入社員の孤立を深めてしまうのです。

リファラル採用におけるオンボーディングの実践ステップ

それでは、具体的にどのようにリファラル採用経由で入社した方のオンボーディングを進めればよいのでしょうか。ここでは「入社前」「入社初日~1ヶ月」「入社2ヶ月~3ヶ月以降」の3つのフェーズに分けて、実践的なステップをご紹介します。

入社前

オンボーディングは、入社承諾の時点から始まっています。

  • 期待値コントロールの徹底
    選考段階から、会社の良い面だけでなく、課題や仕事の厳しさといったリアルな情報(RJP:リアリスティック・ジョブ・プレビュー)を誠実に伝えることが重要です。期待値のズレを最小限に抑え、入社後のギャップを防ぎます。
  • 紹介者との役割分担の明確化
    「入社後のフォローは、どこまで紹介者が担当し、どこから会社(人事・配属先)が責任を持つのか」を事前に明確にすり合わせておきましょう。これにより、紹介者への過度な負担を防ぎ、会社として受け入れる体制を整えることができます。
  • 入社手続きや必要備品の事前準備
    PCや社用携帯、名刺といった備品はもちろん、各種アカウントの発行などを完璧に準備しておきます。スムーズな受け入れ体制は、「あなたを歓迎しています」という会社からの重要なメッセージになります。


入社初日~1ヶ月

入社後、最初の1ヶ月は新入社員が最も不安を感じる時期です。手厚いサポートを心がけましょう。

  • 経営層からの歓迎メッセージ
    入社初日の朝礼やオリエンテーションで、経営者から直接「〇〇さん(紹介者)から素晴らしい方だと聞いている。一緒に働けることを楽しみにしている」といった歓迎の言葉を伝えることで、新入社員は組織の一員として認められているという安心感を得られます。
  • メンター制度の導入
    紹介者とは別に、業務上の相談役となる「メンター」を任命することが極めて有効です。年齢の近い先輩社員などが担当し、業務の質問はもちろん、ランチに誘うなどして、社内での人間関係構築をサポートします。これにより、新入社員の相談窓口が複数になり、心理的な負担が軽減されます。
  • 定期的な1on1ミーティングの設定
    • 上長との1on1(週1回): 業務の進捗確認、目標設定、課題の共有
    • 人事との1on1(月1回): 人間関係の悩み、キャリアパスなど、部署内では話しにくいことの相談
    • メンターとの面談(週1回): 日々の細かな疑問や不安の解消

このように、立場の異なる複数の社員が定期的に関わることで、問題を早期に発見し、迅速に対応することができます。

入社2ヶ月~3ヶ月以降

組織に少しずつ慣れてくるこの時期は、中長期的な定着と活躍を見据えたフォローが必要です。

  • 紹介者を交えた三者面談の実施
    適切なタイミングで、上長(または人事)、被紹介者(新入社員)、そして紹介者の三者で面談の場を設けましょう。新入社員の現状や頑張りを共有し、今後の期待をすり合わせることで、三者の関係性をより健全なものにできます。
  • アンケートやサーベイによる定点観測
    入社後の満足度やエンゲージメントの変化を把握するために、定期的にアンケートを実施するのも有効です。個別の面談では出てこない本音を引き出し、オンボーディング施策全体の改善につなげることができます。

リファラル採用のオンボーディングを成功させる3つのポイント

最後に、これまで解説したステップの効果を最大化するための、リファラル採用のオンボーディングにおいて最も重要な心構えを3つご紹介します。

「紹介者」を孤立させない

「あとはよろしく!」と、入社後のフォローを紹介者一人に丸投げするのは絶対にNGです。会社は、「紹介者へのフォロー」もオンボーディングの重要な一環と捉えるべきです。「新入社員の様子はどう?」「何か困っていることはない?」といった定期的な声かけや、インセンティブ以外の形(評価面談での言及など)で紹介者の貢献を称えることが、紹介者のエンゲージメントを維持し、次なる紹介へと繋がります。

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「特別扱い」と「放置」のバランスを取る

リファラル入社だからといって過度に優遇する「特別扱い」は、他の社員の不公平感を生み、本人の成長を阻害します。一方で、「友人(紹介者)がいるから大丈夫だろう」という「放置」は、孤立を招きます。他の社員と同じく公平に接しながらも、リファラル特有の心理的障壁があることを理解し、組織として丁寧に関わっていく姿勢が求められます。

リファラル採用ツールでオンボーディングを仕組み化する

これらの取り組みを、特定の担当者の頑張りに依存させてはいけません。誰が担当しても同じレベルのサポートが提供できるよう、オンボーディングプログラムとして手順や内容をツールで管理し、全社で共有することが重要です。「リファラル入社の社員には、会社全体で関わっていく」という文化を醸成することが、成功の最大の鍵となります。

【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説

おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう

リファラル採用は、採用コストの削減やマッチング精度の向上など、多くのメリットをもたらす優れた採用手法です。しかし、その成功は「採用して終わり」ではありません。

紹介者と被紹介者の人間関係や、特有の心理的障壁を理解した上で、入社後の戦略的なオンボーディングを設計・実行することが、リファラル採用で入社した人材の早期離職を防ぎ、定着と活躍を実現する唯一の道です。


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