リファラル採用におけるエンゲージメント向上とは?成功に導くポイントを解説

採用手法の多様化が進む昨今、多くの企業が注目し、導入を進めている「リファラル採用」。採用コストを抑えつつ、自社の文化にマッチした人材に出会える可能性が高いことから、特に中小企業にとって魅力的な手法と言えるでしょう。
その一方で、「制度は作ったものの、社員からの紹介が全く集まらない」「思うように活性化しない」といった課題を抱えている経営者様や人事担当者様も多いのではないでしょうか。
豪華なインセンティブを用意しても、全社に協力を呼びかけても、状況が変わらない。もしそうであれば、問題の根源は別の場所にあるのかもしれません。その根本的な原因こそ、本記事のテーマである「従業員エンゲージメント」の低さです。
本記事では、リファラル採用の成功に不可欠な従業員エンゲージメントとの関係性を解き明かし、社員が自社の「ファン」として、積極的に採用活動へ協力してくれる組織を作るための具体的な方法を、分かりやすく解説します。
もくじ
リファラル採用がうまくいかない原因とは?
「協力してくれない」という壁
リファラル採用を導入した企業が直面しがちなのが、「社員が協力してくれない」という静かな壁です。制度の案内をし、インセンティブを設定しても、紹介数は一向に伸び悩む。次第に制度は形骸化し、担当者だけがやきもきしている…といったケースは決して少なくありません。
もちろん、「紹介したい友人がたまたまいない」「通常業務が忙しくて余裕がない」といった理由も考えられます。しかし、それ以上に根深い問題が潜んでいることが多いのです。報酬やインセンティブといった「外的要因」だけでは、社員の心を動かすには限界があります。
「従業員エンゲージメント」の低さ
リファラル採用における根深い問題の原因の1つは「従業員エンゲージメントの低さ」です。
従業員エンゲージメントとは、一言でいえば「社員が自社に対して抱く、愛着や貢献意欲、信頼関係」のことです。単なる満足度(給与や福利厚生が良いなど)とは異なり、「この会社の一員として、その成長に貢献したい」という自発的な想いを指します。
少し想像してみてください。もし社員が自社に対して、次のように感じていたらどうでしょうか。
- 「人間関係に疲弊しており、正直、自分も辞めたいくらいだ…」
- 「会社の将来性や事業内容に、あまり魅力を感じていない」
- 「友人に紹介して、もし何かあったら申し訳ない。責任を取りたくない」
- 「会社の良いところを聞かれても、自信を持って語ることができない」
このような状態で、「友人に会社を紹介してください」とお願いされても、行動に移すのは非常に難しいでしょう。むしろ、大切な友人であればあるほど、紹介をためらうのが自然な心理です.
つまり、リファラル採用の成功は、制度の巧拙やインセンティブの多寡以上に、社員一人ひとりが「この会社を、大切な友人にも心から勧めたい」と思えるかどうかにかかっているのです。
リファラル採用におけるエンゲージメントを高める5つのステップ
従業員エンゲージメントは、一朝一夕で高まるものではありません。しかし、地道な取り組みを続けることで、組織のカルチャーは着実に変わっていきます。ここでは、リファラル採用の活性化、ひいては強い組織づくりのために実践したい5つのステップをご紹介します。
サーベイで組織の健康状態を可視化する
何よりもまず、自社の現状を客観的に把握することから始めましょう。感覚的に「うちの会社は雰囲気が良い・悪い」と判断するのではなく、データに基づいて課題を特定することが重要です。
そのための有効な手段が、「エンゲージメントサーベイ」です。専門的なツールを導入するのも一つの手ですが、まずはGoogleフォームなどで簡単なアンケートを実施するだけでも構いません。「会社のビジョンに共感できるか」「上司や同僚との関係は良好か」「正当に評価されていると感じるか」といった質問を通して、社員が何に満足し、何に不満を抱えているのかを可視化しましょう。
会社の「向かう先」を共有し、共感を育む
社員は、自分が何のために働いているのか、会社がどこへ向かっているのかを理解することで、仕事への意義を見出し、貢献意欲を高めます。経営理念や事業ビジョンが、額縁に飾られているだけの「お題目」になっていないでしょうか。
大切なのは、経営層の言葉で、繰り返し、情熱をもって語り続けることです。全社集会や社内報はもちろん、日々の朝礼や1on1ミーティングの場でも、会社の「想い」や社会に提供している価値を伝え続けましょう。社員が会社のビジョンを「自分ごと」として捉え、共感してくれたとき、エンゲージメントは大きく向上します。
心理的安全性の高い職場をつくる
「こんなことを言ったら、評価が下がるかもしれない」「失敗したらどうしよう」といった不安がなく、誰もが安心して発言・挑戦できる「心理的安全性」の高い職場は、エンゲージメントの土台となります。
風通しの良いコミュニケーションを促すために、以下のような施策が考えられます。
- サンクスカード制度
日々の感謝を伝え合う文化を醸成する。 - 部署横断のランチ会や社内イベント
普段関わらない社員との交流を促す。 - 1on1ミーティングの定例化
上司と部下が業務以外のことも気軽に話せる場を設ける。
社員が互いを尊重し、助け合える関係性を築くことが、居心地の良さと働きがいにつながります。
【関連】社内での「ありがとう」をポイント化する効果やメリットを紹介
納得感のある人事評価・承認文化を醸成する
自分の仕事ぶりや会社への貢献が、きちんと認められ、正当に評価されているという実感は、エンゲージメントを支える重要な柱です。「頑張っても報われない」と感じる環境では、貢献意欲は削がれてしまいます。
評価基準を明確にし、全社員に公開することはもちろん、評価面談では丁寧なフィードバックを心がけましょう。また、給与や役職といった評価だけでなく、日々の「承認」も非常に重要です。「〇〇さん、ありがとう!助かったよ」「この前の提案、すごく良かったね」といった上司や同僚からの何気ない一言が、社員のモチベーションを大きく高めます。
キャリアへの期待感を醸成する
「この会社で働き続ければ、自分はもっと成長できる」という未来への期待感も、エンゲージメントに不可欠な要素です。
大掛かりな研修制度をすぐに導入するのは難しくても、できることはたくさんあります。
- 資格取得支援制度
スキルアップを金銭的にサポートする。 - 書籍購入補助
社員の自発的な学びを後押しする。 - 1on1でのキャリア相談
上司が部下の中長期的なキャリアプランに寄り添う。
会社が社員一人ひとりの成長を真剣に考えているという姿勢を示すことが、社員の「ここで頑張り続けたい」という想いを育みます。
エンゲージメント向上と合わせて確認するべきリファラル採用におけるポイント
エンゲージメント向上という組織風土の改革は、中長期的な視点で取り組むべきテーマです。それと並行して、リファラル採用制度そのものに「協力しにくい要因」がないかを見直すことも、活性化の鍵となります。
制度の「透明性」と「簡便性」
「紹介したい友人がいるけれど、誰に、何を伝えればいいのか分からない」「手続きが面倒くさそう」といった理由で、行動をためらう社員は意外と多いものです。
そのため、紹介プロセスは、可能な限りシンプルにしましょう。専用のフォームを用意したり、人事担当者がいつでも相談に乗れる窓口を明確にしたりと、社員が迷わずに行動できる仕組みを整えることが重要です。また、制度の目的や紹介フロー、インセンティブの内容などをまとめた資料を用意し、いつでも閲覧できるようにしておくといった周知徹底も欠かせません。
【関連】リファラル採用の制度の作り方とは?社員が協力したくなる仕組みを解説
紹介してくれた社員への「誠実な対応」
リファラル採用で最も避けたいのが、「紹介したのに、その後どうなったか全く連絡がない」という状況です。これは、紹介してくれた社員の善意を裏切る行為であり、エンゲージメントを著しく低下させます。
「ご友人は現在、書類選考中です」「残念ながら今回はご縁がありませんでしたが、ご紹介いただきありがとうございました」など、選考の進捗状況はこまめに、そして誠実に報告しましょう。友人本人への丁寧な対応はもちろんのこと、紹介者である社員へのケアを徹底することが、次の紹介へと繋がる信頼関係を築きます。
「共感」を呼ぶインセンティブ設計
金銭的なインセンティブは有効な手段の一つですが、それだけが全てではありません。紹介者と被紹介者、そして上司を交えた「ウェルカムランチ会」の開催や、特別な休暇の付与、全社集会での表彰など、「会社に貢献できた」という実感や誇りを感じられるような非金銭的なインセンティブも、社員の共感を呼び、制度の活性化に繋がります。
【関連】リファラル採用のインセンティブとは?相場や制度設計のポイントを徹底解説
リファラル採用のエンゲージメント向上には専用ツールの活用も効果的
ここまでにご紹介したエンゲージメント向上のための施策や制度の見直しは非常に重要ですが、日々の業務と並行してこれらすべてを推進するには、多くの時間と労力がかかります。そこで、こうした取り組みを効率化し、さらに加速させるために有効なのが「リファラル採用専用ツール」の活用です。
リファラル採用ツールで「紹介のハードル」を下げる
リファラル採用に特化したツールを導入することで、社員の「紹介の手間」を大幅に削減し、人事担当者の「管理業務」を効率化できます。
- 社員のメリット
- SNS連携機能などで、友人・知人に求人情報をワンクリックで共有できる。
- スマートフォンアプリから手軽に紹介手続きができる。
- 人事担当者のメリット
- 誰が誰を紹介し、選考がどの段階にあるのかを一元管理できる。
- インセンティブの管理や支払い手続きを自動化できる。
- 紹介数や決定率などのデータを分析し、制度改善に活かせる。
社員が「これなら簡単だからやってみよう」と思える手軽さを提供することは、リファラル採用を活性化させる上で強力な後押しとなります。
ツールはあくまで、リファラル採用の活性化やエンゲージメント向上という目的を達成するための手段です。しかし、これらのツールを賢く活用することで、施策の実行スピードと質を大きく向上させることが可能になるでしょう。
【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう
今回は、リファラル採用と従業員エンゲージメントの深い関係性について解説しました。
従業員エンゲージメントを高めることは、単なる採用力強化に留まりません。社員の定着率や生産性を向上させ、イノベーションを生み出す土壌となり、会社全体を強くする最も重要な経営課題の一つです。
「リファラル採用で従業員エンゲージメントを向上させたいが、何から手をつければいいか分からない」
「リファラル採用を始めるにあたって、プロの意見が聞きたい」
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。
当社では経験豊富な採用コンサルタントが設計から運用までワンストップで支援します。
リファラル、アルムナイ採用成功のために必要なノウハウと実務支援、マネジメントをプロの人事チームが顧客の採用成功まで伴走します。
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