リファラル採用の面接、どう進める?質問例から不採用時の伝え方まで徹底解説
信頼できる社員からの紹介で採用候補者を見つける「リファラル採用」。採用コストを抑えつつ、自社の文化にマッチした人材と出会える可能性が高いことから、多くの企業で導入が進んでいます。
しかしその一方で、 「社員の紹介だし、面接はどこまでやるべき?」 「候補者や紹介者に気を遣ってしまい、踏み込んだ質問ができない…」 「もし不採用になったら、紹介してくれた社員との関係が気まずくなりそう…」 といった、「面接」に関する特有の悩みを抱えている経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
「紹介だから大丈夫だろう」と面接を簡略化したり、逆に遠慮してしまったりすると、入社後のミスマッチにつながる危険性があります。
本記事では、リファラル採用における面接の重要性から、通常採用との違い、具体的な準備や質問例、そして最もデリケートな「不採用時の伝え方」まで、網羅的に解説します。
もくじ
リファラル採用で面接は必要か?

【結論】面接は「必須」である
まず結論からお伝えすると、リファラル採用においても面接は「必須」です。たとえ信頼する社員からの紹介であっても、面接を省略するべきではありません。その理由は、大きく3つあります。
- 公平性の担保
他の選考ルートで応募してきている候補者と同じように、正規のプロセスで選考を行うことは、社内外への公平性を示す上で非常に重要です。特定の応募者だけを優遇することは、他の候補者や既存社員の不信感につながる可能性があります。 - ミスマッチの防止
紹介者はあくまで「友人・知人として」候補者の人柄やスキルを評価しています。それが「自社の社員として」活躍できるかどうかは、また別の視点での判断が必要です。面接という客観的な場で、会社のビジョンや業務内容、カルチャーとの相性をすり合わせることで、入社後の「こんなはずではなかった」というミスマッチを防ぎます。
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面接は、企業が候補者を評価するだけの場ではありません。候補者にとっても、会社の雰囲気や事業内容を深く理解し、ここで働きたいという意欲を高める重要な機会です。丁寧な面接を通じて会社の魅力を伝えることで、候補者の入社への覚悟を促すことができます。
リファラル採用における面接の3つの心構え

リファラル採用の面接は、通常の面接と同じように進めて良いのでしょうか。基本的な流れは同じですが、成功のためには以下の3つの心構えが重要になります。
候補者は「お客様」ではなく「仲間候補」として接する
紹介者への配慮から、候補者に対してへりくだった態度を取ってしまうケースがありますが、これは禁物です。あくまで採用選考の場であり、対等な立場で真剣に向き合う姿勢が求められます。会社の仲間としてふさわしいか、厳しい視点も持って判断しましょう。その真摯な態度が、結果的に候補者からの信頼にもつながります。
「紹介者」への配慮を忘れない
面接のプロセスには、常に「紹介者」という存在が関わってきます。面接後のフィードバックをどうするか、合否の連絡は誰からどう伝えるかなど、紹介者へのコミュニケーションを丁寧に行うことが、良好な人間関係を維持し、今後のリファラル採用を活性化させる鍵となります。
「不採用」の可能性も誠実に伝える
面接を行う以上、不採用となる可能性は当然あります。この点を、候補者と紹介者の双方に事前に伝えておくことが重要です。「紹介があったからといって、採用が約束されているわけではない」という前提を共有しておくことで、万が一の場合の心理的なダメージを和らげ、トラブルを未然に防ぐことができます。
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リファラル採用の面接における質問例20選

ここでは、リファラル採用の面接で実際に使える質問をカテゴリー別に紹介します。これらの質問を通じて、候補者の多面的な姿を明らかにしていきましょう。
基本の質問(スキル・経験)
- これまでのご経歴について、特に力を入れて取り組んだことを教えてください。
- 今回の募集ポジションにおいて、ご自身のどのような経験が活かせるとお考えですか?
- 仕事をする上で、最も大切にしている価値観は何ですか?
- これまでの仕事で、最も困難だった経験と、それをどう乗り越えたか教えてください。
- あなたの強みと、今後改善していきたい弱みを教えてください。
カルチャーフィットを見極める質問
- どのようなチームや組織で働くときに、ご自身の能力が最も発揮できると思いますか?
- 当社のどのような点に魅力を感じていますか?
- 仕事において、どのような時にやりがいを感じますか?
- 意見が対立した際に、どのように対応しますか?
- 当社の理念(ミッション・ビジョン・バリュー)について、共感できる点はありますか?
入社意欲や覚悟を問う質問
- 今回、紹介者の〇〇さんから、当社のどのような話を聞いていますか?
- その話を聞いた上で、なぜ当社で働きたいと思われたのですか?
- もし入社された場合、どのような形で当社に貢献したいですか?
- 当社で働く上で、何か懸念や不安に感じている点はありますか?
- 今回の転職活動では、他にどのような企業を検討されていますか?
逆質問(候補者からの質問)で確認すべきポイント
候補者からの逆質問は、彼らの意欲や関心を知る絶好の機会です。 「特にありません」で終わってしまう場合は、入社意欲が低い可能性も考えられます。
- 会社の今後の事業展開について
- 入社後に期待される役割やミッションについて
- チームの雰囲気やメンバー構成について
- 入社後の研修やキャリアパスについて
- 評価制度や福利厚生について
上記のような質問が出てくるかどうかに注目し、彼らが本当に入社後の姿を具体的にイメージしているかを見極めましょう。
リファラル採用の面接で陥りやすい失敗例

良かれと思ってやったことが、裏目に出てしまうこともあります。リファラル採用においては、以下の行動には特に注意してください。
紹介者の評価を鵜呑みにする
「〇〇さんが言うなら間違いない」と思い込むのは危険です。必ず面接官自身の目で、自社の基準に照らし合わせて客観的に判断しましょう。
面接時間を極端に短くする
「紹介だから形式的に」と面接を短時間で切り上げるのは、候補者に対して失礼にあたります。他の応募者と同様に、相互理解のために十分な時間を確保しましょう。
合否の理由を曖昧にする
特に不採用の場合、紹介者や候補者への配慮から理由を曖昧にしがちです。しかし、これがかえって不信感につながります。客観的な事実に基づき、誠実に説明できるように準備しておくことが重要です。
リファラル採用で紹介者との関係を壊さない不採用の伝え方
リファラル採用で最も神経を使うのが、不採用の通知です。伝え方一つで、紹介者との信頼関係が大きく損なわれる可能性があります。以下のポイントを押さえ、細心の注意を払って対応しましょう。
スピード感と誠実さ
合否が決まったら、できるだけ速やかに連絡することが鉄則です。特に不採用の連絡は、メールだけで済ませるのではなく、まずは紹介者に直接会うか電話で伝えるのが最も丁寧な方法です。誠実な姿勢が、信頼関係を守ります。
紹介者への伝え方(例文付き)
<伝える際のポイント>
- まず、紹介してくれたことへの感謝を改めて伝える。
- 候補者の人格や能力を否定する言葉は絶対に避ける。
- 不採用の理由は、あくまで「今回のポジションの要件との比較」など、客観的な事実を伝える。
- 今後も協力してほしいという期待を伝える。
<会話例文>
「〇〇さん、先日は〇〇さんをご紹介いただき、本当にありがとうございました。先日面接させていただいたのですが、非常に素晴らしい方でした。 ただ、大変申し訳ないのですが、今回は見送らせていただくことになりました。 というのも、今回のポジションでは〇〇というスキルを特に重視しており、他の候補者の方と比較検討した結果、今回はご縁がなかったという結論に至りました。〇〇さんのご経歴や人柄が素晴らしかっただけに、我々としても苦渋の決断でした。 今回、素晴らしい方を紹介してくださったこと、心から感謝しています。これに懲りず、また良い方がいらっしゃれば、ぜひご紹介いただけると嬉しいです。」
候補者への伝え方(例文付き)
候補者へは、紹介者への連絡が済んだ後、メールで丁寧に通知するのが一般的です。
<メール例文>
件名:選考結果のご連絡【株式会社Take Action】
〇〇様
株式会社Take Actionの〇〇です。
この度は、〇〇様からのご紹介を受け、当社の採用選考にご参加いただき、誠にありがとうございました。
〇〇様と直接お話しできましたこと、大変嬉しく思っております。
慎重に選考を進めました結果、誠に残念ながら、今回はご期待に沿えない結果となりました。
〇〇様のご経歴やスキルは大変魅力的でしたが、今回の募集ポジションに求められる要件と照らし合わせた上で、苦渋の決断に至った次第です。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
ご紹介いただきました〇〇様にも、弊社から真摯にご説明させていただきます。
末筆ではございますが、〇〇様の今後のご健勝とご活躍を心よりお祈り申し上げます。
(署名)
リファラル採用の面接を成功させる5つのポイント

リファラル採用で効果的な面接を行うためには、以下のポイントが非常に大切です。
紹介者から候補者の情報を詳しくヒアリングする
まずは紹介者から、候補者について客観的な情報を得ましょう。 「なぜ、彼/彼女を会社に紹介したいと思ったのですか?」 「候補者の強みや、逆に懸念点があれば教えてください」 「私たちの会社のどんな点に興味を持ちそうだと思いますか?」 など、推薦理由や人柄、スキルについて深くヒアリングすることで、面接で確認すべきポイントが明確になります。
面接官の間で評価基準と役割分担を明確にする
紹介者との関係性が評価に影響を与えないよう、事前に面接官同士で評価基準をすり合わせておくことが不可欠です。「スキル」「カルチャーフィット」「成長ポテンシャル」など、具体的な評価項目と基準を定め、客観的な判断ができるように準備しましょう。複数の面接官で担当する場合は、誰が何を聞くか役割分担を決めておくとスムーズです。
候補者へ「通常の選考である」ことを丁寧に伝える
面接の日程調整などの連絡の際に、候補者に対して「〇〇さんからご紹介いただきました。ありがとうございます。ぜひ一度、相互理解の場としてお話しさせてください」と、紹介への感謝を伝えつつ、あくまで通常の選考プロセスの一環であることを丁寧に説明しましょう。
紹介者に対応の進捗をこまめに共有する
「先日、〇〇さんと面接の日程が決まりました」「本日、無事に面接が終了しました」など、選考の進捗を紹介者にこまめに報告することで、紹介者は安心し、会社への信頼感を深めてくれます。この小さな配慮が、リファラル採用文化の醸成につながります。
リファラル採用ツールで進捗管理をする
リファラル採用をExcelやスプレッドシート等で管理していると、情報の整理がつかずに対応漏れが発生したり、制度自体が形骸化することもあります。
近年では、リファラル採用に特化したツールも提供されています。こうしたツールを活用することで、制度や情報管理を一元化し、運用の手間を大幅に削減できます。
また、空いた時間で、候補者や社員とのコミュニケーションといった、より本質的な業務に集中できるようになります。
【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう
リファラル採用における面接は、通常の面接以上に「丁寧なコミュニケーション設計」と「客観的な評価基準」が成功の鍵を握ります。
紹介者と候補者、そして会社の三者が「良い採用だった」と思えるように、事前の準備を徹底し、一人ひとりに誠実に向き合うことが何よりも重要です。
「リファラル採用を始めたいが、何から手をつければいいか分からない」
「リファラル採用の面接について、プロの意見が聞きたい」
そのような場合は、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。
当社では経験豊富な採用コンサルタントが設計から運用までワンストップで支援します。
リファラル、アルムナイ採用成功のために必要なノウハウと実務支援、マネジメントをプロの人事チームが顧客の採用成功まで伴走します。
リファラル採用、そして採用活動全体でお困りのことがございましたら、まずはお気軽に下記よりお問い合わせください。
