中途採用でリファラル採用を成功させるには?メリット・デメリットから活性化のコツまで解説

中途採用でリファラル採用を成功させるには?メリット・デメリットから活性化のコツまで解説

「求めるスキルを持った人材からの応募が来ない…」 「採用コストは年々増え続けるのに、採用人数は変わらない…」 「入社後のミスマッチが多く、早期離職に悩んでいる…」

経営者や人事担当者の皆様にとって、中途採用におけるこのような悩みは尽きないのではないでしょうか。

変化の激しい現代において、企業の成長を支える優秀な人材の獲得競争は激化の一途をたどっています。従来の求人広告や人材紹介サービスだけでは、自社が本当に求める人材に出会うことが難しくなっているのが実情です。

その状況を打破する有効な一手として、今、多くの企業から注目を集めているのが「リファラル採用」です。

本記事では、このリファラル採用について、基本的な知識から具体的な導入ステップ、成功させるための重要なポイント、そして陥りがちな失敗例までを網羅的に解説します。

もくじ

リファラル採用とは?

まずは、リファラル採用の基本的な概念と、なぜ今注目されているのかを紹介します。

リファラル採用の基本的な仕組み

リファラル採用とは、自社の社員に、友人や知人など信頼できる人材を紹介してもらう採用手法のことです。「リファラル(referral)」とは「紹介・推薦」を意味し、「社員紹介採用」とも呼ばれます。

単に人を紹介してもらうだけでなく、紹介してくれた社員に対して、採用が成功した場合にインセンティブ(報酬)を支払う制度を設けているのが一般的です。

縁故採用(コネ採用)との明確な違い

「社員紹介」と聞くと、「縁故採用(コネ採用)」をイメージされる方もいるかもしれません。しかし、両者は明確に異なります。

最大の違いは、「公平な選考プロセスがあるかどうか」です。リファラル採用は、あくまで採用候補者と出会うための「きっかけ」の一つであり、候補者の能力や適性は、他の応募者と同様の基準で厳正に判断されます。この透明性が、制度への信頼につながります。

【関連】リファラル採用と縁故採用の違いとは?メリット・デメリットから導入の注意点まで徹底解説

なぜ今、中途採用でリファラル採用が注目されるのか?

リファラル採用が注目される背景には、現代の採用市場が抱える構造的な課題があります。

  • 労働人口の減少と採用競争の激化
    少子高齢化により、優秀な人材の獲得競争はますます激しくなっています。
  • 転職市場の活性化
    転職が当たり前の時代になり、候補者はより多くの選択肢を持つようになりました。
  • 採用チャネルの多様化
    求人サイトやSNSなど、情報が溢れる中で自社の求人を見つけてもらうことが困難になっています。

こうした状況下で、企業は従来の「待ち」の採用手法だけでは立ち行かなくなっています。そこで、社員の人脈という独自のチャネルを活かし、まだ転職市場に出てきていない優秀な「潜在層」にもアプローチできるリファラル採用が、有効な「攻め」の採用手法として価値を高めているのです。

中途採用にリファラル採用を導入する5つのメリット

リファラル採用を導入することで、企業が得られる5つのメリットを紹介します。

採用コストを大幅に削減できる 

中途採用で人材紹介サービスを利用した場合、一般的に採用者の年収の30%~35%が成功報酬としてかかります。年収500万円の人材を採用すれば、150万円以上のコストが発生する計算です。一方、リファラル採用のインセンティブは数万円~数十万円が相場であり、一人当たりの採用単価(CPA)を劇的に抑えることが可能です。

【関連】リファラル採用の採用コストとは?インセンティブ相場と成功のコツ

企業文化にマッチした人材を採用しやすい 

社員は、自社のビジョンや価値観、職場の雰囲気といった言語化しにくい「企業文化」を肌で理解しています。その社員が「うちの会社に合いそうだ」と感じて紹介してくれる人材は、カルチャーフィットの精度が非常に高い傾向にあります。これは、書類や数回の面接だけでは見抜きにくい部分であり、大きなメリットと言えます。

定着率の向上が期待できる 

入社前に、紹介者である社員から仕事内容や職場のリアルな情報を聞くことができるため、候補者は入社後のギャップを感じにくくなります。また、社内に信頼できる知人がいるという安心感も、新しい環境へのスムーズな適応を助け、早期離職の防止につながります。

転職潜在層にもアプローチ可能 

「今すぐではないが、良い会社があれば転職したい」と考えている優秀な人材は、転職サイトに登録していないケースが多々あります。リファラル採用は、こうした転職潜在層に直接アプローチできる数少ない手段です。社員の個人的な信頼関係を通じて、他社がリーチできない人材と出会うチャンスが生まれます。

従業員エンゲージメントの向上 

社員が友人や知人に自社を紹介する際、自社の事業内容や働く環境、ビジョンについて改めて考えることになります。これは、社員が自社の魅力を再認識し、組織への帰属意識や貢献意欲、すなわち「従業員エンゲージメント」を高める絶好の機会となります。採用活動が、組織全体の活性化にもつながるのです。

中途採用におけるリファラル採用のデメリットと対策

リファラル採用には、多くのメリットがある一方、リファラル採用には注意すべき点も存在します。しかし、これらは事前に対策を講じることで十分に回避可能です。

人間関係の悩み

紹介であるがゆえに、不採用の際に紹介者と候補者の関係性が気まずくなる可能性があります。また、逆に入社後、紹介者の顔を立てて適切な評価がしにくくなるという懸念も考えられます。

  • 対策
    • 公平な選考の徹底
      事前に「紹介であっても、選考基準は他の応募者と全く同じである」ことを全社員に明確に伝えます。
    • 丁寧なフィードバック
      万が一不採用となった場合は、紹介してくれた社員への感謝を伝えた上で、理由を誠実に説明し、ケアを怠らないことが重要です。

紹介される人材の偏り

特定の部署や似たタイプの社員からばかり紹介が続くと、同質的な人材ばかりが集まり、組織の多様性が損なわれるリスクがあります。

  • 対策
    • 全社的な協力依頼
      特定の社員に頼るのではなく、様々な部署、役職、年齢の社員に幅広く協力を呼びかけます。
    • 求める人物像の具体化
      「こんなスキルや経験を持つ人を探しています」と、求める人物像を具体的に周知することで、紹介のミスマッチを防ぎます。

必ずしも紹介が集まるとは限らない 

魅力的な制度を導入したからといって、自動的に紹介が集まるわけではありません。社員が「紹介したい」と思える会社でなければ、制度は形骸化してしまいます。

  • 対策
    • この対策については、後述の「成功のポイント」で詳しく解説します。制度設計だけでなく、全社的な取り組みが鍵となります。

中途採用におけるリファラル採用の始め方・進め方

実際にリファラル採用を導入するには、何から手をつければよいのでしょうか。ここでは、具体的なステップに沿って解説します。

目的と採用ターゲットの明確化 

まず、「なぜリファラル採用を行うのか」という目的を明確にします。「採用コストの削減」「定着率の向上」「エンジニアの採用強化」など、自社の課題に沿った目的を設定しましょう。その上で、「どんなスキル、経験、価値観を持つ人材を求めているのか」という採用ターゲット像を具体的に定義します。これが、社員が紹介する際の判断基準となります。

【関連】リファラル採用のターゲット設定とは?紹介が生まれる具体的な3ステップを解説

社内制度の設計(ルール・インセンティブ) 

目的とターゲットが明確になったら、具体的なルールを設計します。

  • 紹介フロー
    誰に、どのように紹介するのか。
  • 対象者
    正社員、契約社員、アルバイトなど、紹介できる社員の範囲。
  • インセンティブ
    紹介者への報酬。金額(数万円~数十万円が一般的)や支払いのタイミング(例:入社3ヶ月後に半額、6ヶ月後に残額など)を決定します。
  • 選考プロセス
    紹介された候補者の選考フローを明確にします。

社員への周知と協力依頼 

制度は、作って終わりではありません。最も重要なのは、社員に制度を正しく理解してもらい、積極的に協力してもらうことです。全社朝礼や説明会の場を設け、経営層や人事から直接、制度導入の背景や目的、具体的な手順を丁寧に説明しましょう。マニュアルを作成して、いつでも確認できるようにしておくことも有効です。

【関連】リファラル採用の社内告知のやり方とは?成功に導く進め方と3つのコツ

紹介の受付と選考プロセスの実行 

実際に紹介を受け付けるための窓口(人事担当者や専用フォームなど)を設置します。紹介があった際は、紹介者と候補者の双方に対して、迅速かつこまめに進捗状況を報告することが信頼関係を維持する上で非常に重要です。選考は、事前に定めたプロセスに則り、公平性を保ちながら進めます。

効果測定と改善(PDCA) 

制度を導入したら、定期的に効果を測定しましょう。

  • 紹介人数
  • 選考通過率
  • 採用決定率
  • 採用コストの変化 これらのデータを基に、「インセンティブの額は適切か」「周知の方法は効果的か」などを分析し、継続的に制度を改善していく(PDCAサイクルを回す)ことが成功の鍵です。

中途採用におけるリファラル採用を成功に導くポイント

リファラル採用の制度を導入し、ただ待っているだけでは紹介は増えません。リファラル採用を活性化させ、真の成功に導くためには、以下のポイントを意識することが大切です。

経営層が本気でコミットし、魅力を発信する 

社員が最も動かされるのは、経営層の本気度です。社長自らがリファラル採用の重要性を語り、自社のビジョンや事業の魅力を熱く発信することで、社員の「会社に貢献したい」という意欲を引き出すことができます。

「紹介したい」と思える魅力的な会社であること 

結局のところ、これが最も本質的なポイントです。社員が自分の大切な友人や知人に「うちの会社はいい会社だよ」と心から思えなければ、紹介は生まれません。風通しの良い職場環境、公正な評価制度、働きがいのある事業など、社員が誇りを持てる会社であることが、リファラル採用成功の最大の土台となります。

紹介のハードルを下げる工夫をする 

「いきなり選考に応募してもらうのはハードルが高い…」と感じる社員も多いでしょう。そこで、「まずは人事担当者とカジュアルにお茶でもしませんか?」「会社の雰囲気が分かるイベントに誘ってみませんか?」といった、気軽な第一歩を用意することで、紹介の心理的なハードルを大きく下げることができます。

紹介してくれた社員への徹底した感謝とフィードバック 

採用の成否に関わらず、紹介という行動そのものに対して、まず感謝を伝えることが非常に重要です。不採用だった場合も、「今回は残念だったけど、〇〇さんのために動いてくれて本当にありがとう」という一言があるだけで、社員は「また協力しよう」と思ってくれます。この丁寧なコミュニケーションが、次の紹介へとつながるのです。

インセンティブ制度を工夫する 

金銭的な報酬はもちろん有効ですが、それだけがモチベーションではありません。「紹介者と被紹介者の両方に会食をプレゼント」「特別休暇を付与する」など、自社らしさのあるユニークなインセンティブも、社員のエンゲージメントを高め、制度の活性化に効果的です。

【関連】リファラル採用のインセンティブとは?相場や制度設計のポイントを徹底解説

制度の形骸化を防ぐためにツールを活用する

リファラル採用をExcelやスプレッドシート等で管理していると、情報の整理がつかずに制度が形骸化してしまう可能性があります。
近年では、リファラル採用に特化したツールも提供されています。こうしたツールを活用することで、制度や情報管理を一元化し、運用の手間を大幅に削減できます。
また、空いた時間で、候補者や社員とのコミュニケーションといった、より本質的な業務に集中できるようになります。

おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう

本記事では、中途採用におけるリファラル採用のメリット・デメリットから、具体的な導入ステップ、成功のためのポイントまでを解説してきました。

リファラル採用は、採用活動であると同時に、社員との信頼関係を深め、組織全体を強くするポテンシャルを秘めた取り組みです。

もちろん、制度を導入すればすぐに結果が出るわけではありません。社員が「自社を誇りに思い、大切な知人に紹介したい」と思えるような魅力的な会社作りを地道に進めると同時に、経営層と人事が一体となって全社を巻き込んでいく姿勢が不可欠です。


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