リファラル採用の分析方法とは?重要KPIと改善アクションを徹底解説

リファラル採用の分析方法とは?重要KPIと改善アクションを徹底解説

「社員の繋がりを活かして、優秀な人材を採用したい」 「採用コストを抑えながら、定着率の高い人材を獲得したい」

このような期待から「リファラル採用」を導入したものの、「期待したほど紹介が集まらない」「紹介はあっても、なかなか採用に繋がらない」といった悩みを抱えてはいないでしょうか。

リファラル採用の成否を分ける最大のポイントは、導入後の「分析」と「改善」にあります。勘や経験だけに頼った運用では、どこに問題があるのかが分からず、効果的な次の一手を打つことは困難です。

この記事では、リファラル採用の成果を最大化するために不可欠な「分析」に焦点を当て、具体的な指標(KPI)から改善アクションまでを徹底的に解説します。


リファラル採用の分析が必要である理由

リファラル採用において「分析が重要だとは分かっているが、日々の業務に追われて後回しになっている」という方も多いかもしれません。しかし、分析を怠ることで、リファラル採用は効果が出ないどころか、時間とコストを浪費するだけの施策になりかねません。

リファラル採用の分析を行わないことで陥りがちな3つの失敗

  1. 社員の協力が得られない(原因が不明)
    「制度を導入したのに、なぜか社員が協力してくれない」というケースです。原因が「制度を知らない」のか、「紹介するメリットを感じない」のか、「紹介プロセスが面倒」なのかが分からないため、的外れな対策を続けてしまう可能性があります。
  2. 紹介の「質」が低く、選考に進まない
    紹介数はあるものの、求める人物像と合わずに見送りになるケースが続くパターンです。貴重な面接時間が割かれるだけでなく、紹介してくれた社員や、紹介された候補者の心証を損なうリスクもあります。
  3. コストや工数に見合った成果が出ているか不明
    インセンティブ(紹介報酬)や担当者の人件費など、リファラル採用にもコストはかかります。成果が出ているのかが不明なままでは、施策を継続すべきかどうかの判断もできず、経営層への説明も難しくなってしまいます。

リファラル採用の分析がもたらす3つのメリット

一方で、リファラル採用もデータに基づいた分析を行うことで、これらの失敗を未然に防ぎ、採用活動を成功へと導くことができます。

  1. 課題のボトルネックを正確に特定できる
    「紹介数」や「応募率」などの数値を追うことで、「どこで活動が滞っているのか」というボトルネックを客観的に特定できます。
  2. 客観的なデータに基づき、効果的な改善策を立案できる
    例えば、「制度の認知度は高いが、紹介数が少ない」というデータがあれば、「インセンティブを見直そう」「紹介方法を簡単にしよう」といった、的を射た改善策を考えられます。
  3. 経営層や社員に対して、施策の根拠を明確に説明できる
    「他の採用手法に比べて採用単価を30%削減できています」といった具体的なデータは、施策の有効性を示す強力な根拠となり、社内の協力体制を強化することにも繋がります。

【関連】リファラル採用のメリット7選!デメリットや成功のコツも徹底解説

リファラル採用で分析すべき5つの最重要指標(KPI)

リファラル採用においては、具体的にどのような数値を分析すればよいのでしょうか。ここでは、リファラル採用のプロセスを分解し、各段階で必ず押さえておきたい5つの重要指標(KPI)を解説します。

社員協力率

  • 計算式
    協力意思を示した社員数 ÷ 全社員数 × 100 (%)
  • 何がわかるか
    この指標は、リファラル採用制度がどれだけ社内に浸透し、社員に「協力したい」と思ってもらえているかを示す「制度の健康診断」のようなものです。数値が低い場合、制度そのものに何らかの問題がある可能性が考えられます。
  • 分析のポイント
    全社平均だけでなく、部署や役職、勤続年数などで区切ってデータを見てみましょう。「営業部は協力率が高いが、開発部は低い」といった傾向が見えれば、特定の部署へのアプローチを強化するなどの対策が打てます。

紹介発生率

  • 計算式
    実際に紹介してくれた社員数 ÷ 協力意思を示した社員数 × 100 (%)
  • 何がわかるか
    「協力はしたいけど、実際には紹介していない」という社員がどれくらいいるかを示します。協力率が高いにもかかわらず、この数値が低い場合、「紹介への心理的・物理的なハードル」が存在する可能性が考えられます。
  • 分析のポイント
    紹介に至らなかった社員にアンケートやヒアリングを行い、「紹介したい友人がいない」「紹介の仕方が分からない」「忙しくて時間がなかった」など、具体的な理由を探ることが重要です。

応募転換率

  • 計算式
    応募者数 ÷ 被紹介者数 × 100 (%)
  • 何がわかるか
    社員が友人・知人に声をかけた後、実際に「応募」というアクションに繋がった割合です。この数値は、紹介の質や、候補者への魅力訴求がうまくいっているかを測るバロメーターとなります。
  • 分析のポイント
    募集しているポジションごとに応募転換率を見てみましょう。特定のポジションだけ数値が低い場合、社員に仕事の魅力が十分に伝わっていない可能性があります。また、紹介者と候補者の関係性(元同僚、学生時代の友人など)と応募率の相関を分析するのも有効です。

選考通過・内定率

  • 計算式
    内定者数 ÷ 応募者数 × 100 (%)
  • 何がわかるか
    応募してくれた候補者が、自社の求める人材とどれだけマッチしていたかを示します。この数値が高いほど、質の高い紹介が行われている証拠です。
  • 分析のポイント
    他の採用チャネル(求人広告、人材紹介など)と比較することが重要です。一般的にリファラル採用はマッチ度が高いため、他のチャネルよりも高い選考通過率が期待できます。もし数値が低い場合は、社員への「求める人物像」の共有方法を見直す必要があるでしょう。

採用決定率と採用単価(CPA)

  • 計算式(採用決定率)
    採用決定者数 ÷ 内定者数 × 100 (%)
  • 計算式(採用単価)
    (インセンティブ費用 + 運用コスト) ÷ 採用決定者数
  • 何がわかるか
    最終的な成果とコスト効率を測るための指標です。採用決定率は内定辞退の状況を、採用単価は費用対効果を示します。
  • 分析のポイント
    採用単価を計算する際は、インセンティブだけでなく、広報活動にかかった費用や担当者の人件費(工数)なども含めて算出すると、より正確な費用対効果を把握できます。

リファラル採用の分析結果から導く具体的な改善プラン

リファラル採用のKPIを分析して課題が見えてきたら、次はいよいよ改善アクションです。ここでは、課題が発生しやすいフェーズ別に、具体的な打ち手の例をご紹介します。

社員の協力が得られない・紹介が増えない場合

  • 原因の仮説
    制度の認知不足、インセンティブの魅力不足、紹介方法が煩雑で面倒
  • 改善アクション例
    • 定期的な社内広報の実施: 全社朝礼や社内報で、リファラル採用で入社した社員の活躍を紹介したり、経営層から改めて協力をお願いするメッセージを発信したりすることで、制度の風化を防ぎます。
    • インセンティブ制度の見直し: 金銭的な報酬だけでなく、「特別休暇の付与」「食事券のプレゼント」「評価制度への反映」など、社員が本当に喜ぶインセンティブを検討しましょう。
    • 紹介プロセスの簡略化: 社員が「友人にこのURLを送るだけ」で紹介が完了するような、専用ツールや簡単なフォームを導入し、心理的・物理的な負担を軽減します。

【関連】リファラル採用の制度の作り方とは?社員が協力したくなる仕組みを解説

紹介はされるが、応募に繋がらない場合

  • 原因の仮説
    会社が求める人物像と、社員が紹介する人物像のミスマッチ、候補者への魅力付けが不十分
  • 改善アクション例
    • 「求める人物像」の分かりやすい共有: スキルや経験といった条件だけでなく、「こんな価値観を持つ人と働きたい」といったカルチャーフィットの側面を、具体的なエピソードを交えて社員に伝えましょう。
    • 魅力的な紹介コンテンツの用意: 社員が友人に自信を持って共有できるような、会社の魅力や働く環境が伝わる紹介資料(Webページや動画、PDFなど)を作成し、提供します。
    • カジュアル面談の設定: 「まずは話を聞いてみるだけ」という気軽な接点を設けることで、応募へのハードルを下げ、候補者の興味を引き出します。

【関連】リファラル採用のミスマッチを防ぐ5つの対策と成功の秘訣

選考辞退や内定辞退が多い場合

  • 原因の仮説
    候補者への配慮不足、通常の選考と同じフローで進めることによる特別感の欠如
  • 改善アクション例
    • 紹介者へのこまめな状況共有: 選考プロセスや結果について、紹介してくれた社員へ丁寧にフィードバックすることで、社員のエンゲージメントを維持し、次の紹介へと繋げます。
    • 特別な選考体験の提供: 役員が最初から面談を行う、現場の社員と話す機会を多く設けるなど、リファラル採用ならではの特別な選考フローを用意することで、候補者の入社意欲を高めます。
    • オファー面談での後押し: 内定を出す際、人事だけでなく紹介者の社員にも同席してもらい、入社の後押しをしてもらうことで、内定承諾率の向上が期待できます。

リファラル採用の分析を成功させる3つのポイント

最後に、リファラル採用の分析と改善を継続し、リファラル採用を成功させるための3つのポイントをご紹介します。

目的を明確にし、見るべき指標を絞る

いきなり全ての指標を完璧に追いかけようとすると、長続きしません。まずは「採用人数を増やす」「採用単価を下げる」「特定の専門職を採用する」など、リファラル採用で達成したい目的を明確にしましょう。その上で、目的に直結するKPI(例えば「採用人数増」なら「紹介発生率」や「応募転換率」)から重点的に分析を始めるのが成功のコツです。

リファラル採用ツールを活用する

分析を継続するためには、データ管理の仕組み化が不可欠です。まずはGoogleスプレッドシートやExcelで、「紹介日」「紹介者」「被紹介者」「応募日」「選考ステータス」などを記録する簡単な管理表を作ることから始めましょう。将来的には、採用管理ツール(ATS)を導入すると、データ集計や分析が自動化され、担当者の負担を大幅に軽減できます。

【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説

定期的に振り返りの場を設け、PDCAを回す

データは、集めるだけでは意味がありません。月に一度、人事担当者や関係者で集まり、「データを確認(Check)し、課題を特定し(Plan)、改善策を実行(Do)し、結果を次の分析で評価する(Action)」というPDCAサイクルを回す文化を作りましょう。この地道な繰り返しが、リファラル採用の成果を最大化する最も確実な道筋です。

【関連】リファラル採用の成功率を上げる改善策とは?制度設計から社内文化の醸成まで徹底解説

おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう

本記事では、リファラル採用の成果を最大化するための分析方法と改善アクションについて解説しました。

分析と聞くと難しく感じるかもしれませんが、まずはリファラル採用ツールで簡単なデータを取り始めるだけでも、これまで見えなかった多くの課題や改善のヒントが発見できるはずです。

“やりっぱなし”のリファラル採用から脱却し、データという羅針盤を手に、戦略的な採用活動への第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

しかし、「リファラル採用の分析について、さらに詳しく知りたい」
「リファラル採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」

といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。

そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。

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