リファラル採用の成功率を高める具体的な方法を徹底解説

リファラル採用に取り組んでいる、あるいはこれから始めようとしている人事担当者様の中には、「一体、どのくらいの成功率を目指せば良いのだろうか」「思ったように紹介が集まらないが、何が原因なのだろうか」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
「社員のつながり」という大きな可能性を秘めたリファラル採用ですが、ただ制度を導入するだけでは、なかなか成果に結びつきません。
本記事では、リファラル採用の成功率の目安から、成功と失敗を分ける要因、そして成功率を具体的に引き上げるための施策までを徹底的に解説します。
もくじ
リファラル採用の「成功率」とは?
リファラル採用における「成功」の定義の重要性
まずはじめに、自社にとってのリファラル採用の「成功」の定義を明確にすることが重要です。一般的に「成功率」と言うと、紹介された候補者が実際に入社に至った割合である「採用決定率」を指すことが多いです。
しかし、成功の指標はそれだけではありません。
- 紹介発生率
全社員のうち、実際に知人・友人を紹介してくれた社員の割合 - 応募率
紹介された候補者のうち、実際に応募してくれた割合 - 採用決定率
応募者のうち、内定承諾に至った割合 - 定着率
リファラル経由で入社した社員が、一定期間後に定着している割合
例えば、「まずは社員が気軽に紹介してくれる文化を作りたい」というフェーズであれば「紹介発生率」を、「ミスマッチを減らしたい」というフェーズであれば「定着率」を重要な指標(KPI)として追っていくべきです。
どの指標を重視するかによって、打つべき施策も変わってきます。まずは自社の採用課題と照らし合わせ、リファラル採用における「成功」の定義を定めましょう。
リファラル採用の成功率、平均はどれくらい?
リファラル採用の成功の定義が定まったところで、多くの方が気になる「採用決定率」の平均値を見てみましょう。
ある調査によると、リファラル採用における応募から採用までの決定率は、10%〜20%程度と言われています。これは、数%程度と言われることもある求人広告経由の採用率と比較すると、非常に高い数値です。
紹介者である社員が、会社の文化や仕事内容を理解した上で、候補者のスキルや人柄がマッチするかをある程度スクリーニングしてくれているため、選考の通過率が高くなる傾向にあります。
もし、自社の採用決定率がこの数値を大きく下回っている場合は、制度や運用方法に何らかの課題があるかもしれません。
リファラル採用がうまくいかない5つの原因
期待を込めてリファラル採用を導入したものの、なかなか成果が出ない場合、その背景にはいくつかの共通した原因が潜んでいます。
制度が社員に浸透・理解されていない
「制度ができたらしい」という話は聞きつつも、「どんな制度なの?」「誰にどうやって紹介すればいいの?」といった具体的な部分が社員に伝わっていないケースです。制度の目的や紹介フローが不明確なままでは、社員もどう協力していいか分からず、行動に移すことができません。
社員にとってのメリットが感じられない
社員が友人・知人を紹介するには、ある程度の時間と手間がかかります。それに見合うメリットがなければ、積極的に協力しようという気持ちにはなりにくいでしょう。インセンティブ(報酬)が魅力的でなかったり、報酬以外のやりがいや評価といったメリットが感じられなかったりすると、制度は形骸化してしまいます。
紹介する側の心理的・物理的負担が大きい
「もし紹介した友人が不採用になったら気まずい」「もし入社後にミスマッチが起きたら責任を感じてしまう」。このような心理的な負担が、紹介へのブレーキになっていることは少なくありません。また、「通常業務が忙しくて、友人への声かけや説明にまで手が回らない」といった物理的な負担も大きな要因です。
経営層や管理職の協力が得られていない
リファラル採用は、人事部だけで完結するものではありません。経営層がその重要性を理解し、全社に協力を呼びかけたり、管理職が部下の紹介活動を後押ししたりする姿勢が不可欠です。「人事が何かやっている」という他人事の雰囲気では、全社的な取り組みへと発展させるのは難しいでしょう。
そもそも社員が自社に魅力を感じていない(エンゲージメントの低さ)
これは最も根深い原因ですが、社員が自社の商品やサービス、組織文化、働く環境に誇りや愛着を持てていない場合、大切な友人・知人に「うちの会社はいいよ」と自信をもって勧めることはできません。リファラル採用の成否は、社員エンゲージメントの高さを映す鏡とも言えます。
リファラル採用の成功率を上げる7つの施策
では、これらのリファラル採用が上手くいかない原因を解消し、成功率を高めるためにはどうすれば良いのでしょうか。明日からでも始められる具体的な施策を7つご紹介します。
シンプルで分かりやすい制度を設計する
誰でも直感的に理解でき、簡単に利用できる制度にすることが第一歩です。
- 紹介フローの明確化
「誰に」「何を」「どのように」伝えれば紹介が完了するのか、手順をシンプルに図解するなどして示しましょう。 - マニュアルやFAQの整備
社員からよく出る質問を想定し、Q&A形式でまとめておくことで、人事担当者の問い合わせ対応工数も削減できます。
魅力的なインセンティブ制度を導入する
社員の協力を促すインセンティブは重要です。
- 金銭的報酬
報酬額の相場は職種や役職によって異なりますが、一般的には一人当たり5万円〜30万円程度が目安です。社員紹介に特化したサービスなどを参考に、自社に合った金額を設定しましょう。 - 非金銭的な報酬
報酬は金銭だけとは限りません。「有名レストランの食事券」「特別休暇の付与」「全社総会での表彰」など、社員のモチベーションを高めるユニークな報酬も効果的です。
【関連】リファラル採用のインセンティブとは?相場や制度設計のポイントを徹底解説
全社を巻き込むための継続的な情報発信
一度制度を告知して終わりではなく、粘り強く情報発信を続けましょう。
- 目的・ビジョンの共有
「なぜ今、リファラル採用が重要なのか」という背景や目的を、経営層から発信してもらうと効果的です。 - 募集情報の具体化
「営業職募集」だけではなく、「〇〇業界での法人営業経験があり、チームで成果を出すのが好きな人を探しています!」のように、求める人物像を具体的に伝えましょう。 - 成功事例の共有
「〇〇さんの紹介で入社した△△さんが大活躍しています!」といったポジティブなニュースを社内報やチャットで共有し、協力者への感謝を伝えることで、「自分も貢献したい」という気持ちを醸成します。
【関連】リファラル採用の社内告知のやり方とは?成功に導く進め方と3つのコツ
紹介者の負担を軽減する工夫
心理的・物理的なハードルを下げることが、紹介数を増やす鍵です。
- 紹介用ツールの用意
SNSやメッセージアプリで簡単にシェアできる紹介文のテンプレートや、会社の魅力が伝わる紹介用資料(カジュアルなスライドなど)を用意しておくと、社員は友人に声をかけやすくなります。 - カジュアルな接点を企画
「まずは話を聞くだけ」のカジュアルな会社説明会や、社員が友人を誘いやすいランチ会・ミートアップイベントなどを企画するのも有効です。
紹介してくれた社員への丁寧なフィードバック
紹介してくれた社員へのケアは、次の紹介に繋げるために極めて重要です。
- こまめな状況共有
「ご友人の〇〇さん、書類選考を通過しました」「来週、一次面接です」など、選考の進捗を逐一報告しましょう。 - 感謝の気持ちを伝える
たとえ不採用という結果になったとしても、まずは協力してくれたことへの感謝を伝えます。その上で、不採用の理由を可能な範囲で丁寧に説明することで、社員の納得感を得られ、「また協力しよう」と思ってもらいやすくなります。
リファラル採用のKPIを設定し、効果測定を行う
最初に設定したリファラル採用の「成功の定義」に基づき、KPIを定めて定期的に効果測定を行いましょう。「紹介者数」「応募数」「採用決定率」などを毎月チェックし、数値が伸び悩んでいる場合は、その原因を分析して改善策を講じる、というPDCAサイクルを回していくことが成功への近道です。
【関連】リファラル採用の分析方法とは?重要KPIと改善アクションを徹底解説
社員エンゲージメントを高める根本的な取り組み
小手先の施策だけでなく、社員が「この会社で働き続けたい」「この会社を友人にも勧めたい」と心から思えるような組織づくりが、リファラル採用を成功させる最も効果的な方法です。公正な評価制度、風通しの良いコミュニケーション、働きがいのある仕事など、従業員満足度を高めるための根本的な取り組みを疎かにしてはいけません。
それでもリファラル採用がうまくいかない場合は
ここまで紹介した施策を試しても、なかなか成果に繋がらない場合もあるかもしれません。
リファラル採用は非常に有効な手法ですが、万能ではありません。採用したい職種やタイミングによっては、求人広告や人材紹介など、他の採用手法の方が適している場合もあります。大切なのは、リファラル採用だけに固執するのではなく、自社の事業戦略や採用課題に合わせて、複数の採用手法を戦略的に組み合わせることです。
また、近年リファラル採用の運用を効率化・活性化させるための専用ツールやクラウドサービスが増えています。こうしたツールの活用は、成功の確率を大きく高めます。
ツールがあることで、紹介のハードルを物理的に下げることが重要です。理想は、社員がスマートフォンから数タップで知人に情報を共有し、応募まで繋げられるような手軽さです。
社員は気軽に紹介することができ、人事担当者としても管理工数の削減を実現することができるため、制度設計から運用まで手軽に行うことができます。
【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう
リファラル採用の成功は、単に制度を作って終わりではありません。
・仕組みづくり: 社員が気軽に、そして積極的に協力したくなるような制度や環境を整えること。
・魅力的な組織づくり: 社員が「この会社を友人にも勧めたい」と心から思えるような、エンゲージメントの高い組織を作ること。
この両輪が揃って初めて、リファラル採用は強力な採用チャネルとして機能します。
本記事で紹介したポイントや施策は、すぐに実践できるものも多いはずです。まずは自社の状況を振り返り、一つでも改善できそうなことから始めてみてはいかがでしょうか。社員一人ひとりが採用担当者として活躍する、強い組織づくりを目指しましょう。
しかし、「リファラル採用の成功率について、さらに詳しく知りたい」
「リファラル採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」
といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。
当社では経験豊富な採用コンサルタントが設計から運用までワンストップで支援します。
リファラル、アルムナイ採用成功のために必要なノウハウと実務支援、マネジメントをプロの人事チームが顧客の採用成功まで伴走します。
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