リファラル採用の巻き込み方や、社員が能動的に協力したくなる仕組みとは?

「リファラル採用を導入したものの、制度を作っただけで社員が動いてくれない」または、「これから導入したいが、どうすれば全社を巻き込めるのか分からない」といった不安がある経営者の方や人事担当者は少なくありません。
リファラル採用の成否は、社員をいかに「巻き込み」、全社的な協力体制を築けるかにかかっています。単にインセンティブを用意するだけでは、社員からはなかなか「自分ごと」として捉えてもらえないこともあります。
本記事では、リファラル採用で社員が協力してくれない根本的な理由を解き明かし、経営層から現場社員まで全社を巻き込むための具体的な5つのステップを、成功事例を交えながら分かりやすく解説します。
もくじ
なぜリファラル採用で社員の「巻き込み」が重要なのか?
なぜリファラル採用を推進する際に、社員の「巻き込み」が重要視されるのでしょうか。その理由は、リファラル採用の失敗原因と成功した際のメリットにあります。
リファラル採用が失敗する最大の要因は「社員の無関心」
多くの企業でリファラル採用が失敗する最大の理由は、非常にシンプルで「社員の無関心」です。人事部が制度を整え、告知をしても、社員が「自分には関係ない」「忙しいから後回し」と考えてしまえば、制度は活用されません。
社員一人ひとりが「良い仲間を自分の会社に迎え入れたい」と自然に思えるような状態、つまり全社を巻き込んだ協力体制がなければ、リファラル採用は成り立たないのです。
「巻き込み」がもたらす3つの大きなメリット
全社を巻き込むことに成功すると、企業にとって計り知れないメリットが生まれます。
- 採用のミスマッチが激減し、定着率が向上する
社員は、自社の文化や働きがい、そして仕事の厳しさも理解した上で、友人に「この会社は君に合っていると思う」と紹介します。そのため、入社後の「こんなはずではなかった」というミスマッチが起こりにくく、結果として定着率の向上が期待できます。 - 潜在的な優秀層にアプローチできる
転職市場には出てきていないものの、良い機会があれば転職を考えてもいいという「転職潜在層」。こうした優秀な人材に直接アプローチできるのは、リファラル採用ならではの強みです。 - 社員のエンゲージメント向上につながる
友人に自社を紹介する過程で、社員は改めて自社の魅力や価値を再認識します。また、自分の紹介によって仲間が増え、会社が成長していく実感は、仕事への誇りや貢献意欲、すなわちエンゲージメントの向上にもつながります。
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リファラル採用で「巻き込み」できない3つの理由
では、なぜリファラル採用に上手く社員を巻き込めないのでしょうか。その背景には、社員が口に出さない「本音」が隠されています。
メリットが不明確、または魅力に欠ける
「紹介したらインセンティブは出るらしいけど、具体的にいくらなのか、いつもらえるのかよく知らない」「インセンティブが数千円では、正直なところ手間と見合わない」といった声は少なくありません。金銭的なインセンティブだけでなく、「紹介した友人と一緒に働ける」といった非金銭的なメリットが伝わっていないケースも多くあります。
紹介する手間や心理的な負担が大きい
「紹介プロセスが複雑で、どの書類をどこに提出すればいいのか分からない」「もし友人が選考で落ちてしまったら、関係が気まずくなるのが心配だ」「通常業務が忙しくて、友人を探したり、声をかけたりする時間的な余裕がない」など、手間や心理的なハードルの高さが、社員の行動を妨げます。
自社の魅力や求める人物像を語れない
「友人に『どんな会社なの?』と聞かれても、うまく説明できる自信がない」「今、会社がどんなポジションで、どんなスキルを持った人を求めているのか具体的に知らない」という状態では、自信を持って友人を誘うことはできません。紹介に必要な情報が不足しているのです。
リファラル採用で全社を巻き込む具体的な5つのステップ
これらの課題を解決し、全社を巻き込むためには、階層ごとに的確なアプローチが必要です。ここでは、具体的な5つのステップをご紹介します。
まずはトップが覚悟を示す
リファラル採用は、人事部だけの取り組みではありません。経営層が「全社で取り組むべき重要な経営戦略である」という強いメッセージを発信することが、巻き込みの第一歩です。
- なぜリファラル採用に取り組むのか、経営メッセージとして発信する
朝礼や全社ミーティングの場で、社長自らの言葉で「会社の未来のために、皆の力を貸してほしい」と語りかけたり、事業の成長とリファラル採用がどう結びついているのかを具体的に示すことで、社員の納得感と共感を生み出します。 - 事業計画と連動した採用目標を共有し、本気度を伝える
「来期の売上目標達成のため、〇〇部門でエンジニアが5名必要だ」というように、具体的な事業計画と連動した採用目標を共有することで、社員は「他人ごと」ではなく「自分たちの未来のため」と捉えるようになります。
現場のキーマンを最強の味方にする
現場の社員に最も影響力を持つのは、直属の上司である管理職です。管理職が協力的か否かで、部署ごとの成果は大きく変わります。
- 管理職向けの説明会を実施し、部門へのメリットを丁寧に説明する
「リファラル採用で新しいメンバーが増えれば、部門の生産性が向上し、あなたのマネジメント負担も軽減される可能性がある」といったように、管理職自身のメリットを具体的に伝え、協力を仰ぎましょう。 - チームの目標にリファラル採用への貢献を組み込む
評価制度にリファラル採用への貢献度を反映させるなど、管理職が積極的にメンバーに働きかける動機付けを行うことも有効です。
「自分ごと化」を促す仕組みと文化をつくる
全社員を巻き込むには、参加のハードルを下げ、参加したくなるような「仕組み」と「文化」の両輪が必要です。
- 制度の目的や紹介方法がわかる「キックオフ説明会」を開催する
単なる制度説明だけでなく、「どんな人が活躍しているか」を既存社員が語る場を設けるなど、求める人物像の解像度を高める工夫をしましょう。 - 誰でも・いつでも・簡単に紹介できる仕組みを整える(ツールの活用など)
スマホアプリや専用ツールを導入し、数タップで友人を紹介できるような手軽さを実現することが重要です。これにより、「手間がかかる」というハードルを劇的に下げることができます。 - 金銭的・非金銭的なインセンティブを魅力的に設計する
紹介報酬だけでなく、「紹介者と入社者への会食費用の補助」「特別休暇の付与」など、社員が喜ぶユニークなインセンティブを用意することで、制度の魅力が高まります。 - 定期的な情報共有で「成功体験」をシェアし、機運を高める
社内報やチャットツールで「〇〇さんの紹介で、新しい仲間が増えました!」といった成功事例を積極的に共有しましょう。成功体験のシェアは、「自分もやってみよう」という気持ちを後押しします。
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紹介された友人が「受けてみたい」と思う体験を提供する
紹介された候補者(友人)への配慮も欠かせません。紹介してくれた社員の顔に泥を塗るような対応は、制度への信頼を失墜させます。
- 選考ではなく、まずは会社の雰囲気を知ってもらう「カジュアル面談」を設定する
いきなり面接ではなく、現場社員と気軽に話せる場を設けることで、候補者は安心して企業理解を深めることができます。 - 紹介者と連携し、スピーディーで丁寧なコミュニケーションを徹底する
選考結果の連絡が遅い、対応が雑といったことは絶対に避けましょう。紹介者にも進捗を丁寧に共有し、連携して候補者をフォローすることが大切です。
巻き込みの中心でハブとなる
人事担当者は、これらの取り組みの中心となり、各所をつなぐ「ハブ」としての役割を担います。
- 各部署との定期的な連携会議を設ける
現場が今どんな人材を必要としているのか、ヒアリングを重ねて募集要件を常にアップデートしましょう。 - 社員からのフィードバックを収集し、制度を常にアップデートする
「紹介プロセスが分かりにくい」「インセンティブに魅力を感じない」といった社員の声を定期的に収集し、制度を改善し続ける姿勢が、信頼につながります。
リファラル採用の巻き込みで注意すべき2つのポイント
最後に、リファラル採用で社員の巻き込みを進める上で陥りがちな注意点を2つお伝えします。
友人紹介の「強制」は絶対にしない
「紹介は義務ではないか」「なぜ協力しないんだ」という強制的な雰囲気は、社員に強いストレスを与え、逆効果です。あくまでも社員の自発的な意思を尊重し、協力したいと自然に思える環境づくりを心がけましょう。
一時的なキャンペーンにならず、文化として根付かせる
重要なのは、日常的に社員が会社のことを語り、良い仲間を誘うことが当たり前になる「文化」を醸成することです。継続的な情報発信には、リファラル採用ツールの活用も有効的です。さらに、こうしたツールを活用することで、情報管理を一元化し、運用の手間を大幅に削減できます。
【関連】リファラル採用の注意点7選!法規制から人間関係のトラブルまで徹底解説
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう
本記事では、リファラル採用で全社を巻き込むための具体的なステップと成功のポイントを解説しました。
リファラル採用は、一朝一夕に成果が出るものではありません。しかし、今回ご紹介したステップを参考に、粘り強く取り組むことで、必ずや貴社の採用力を強化する大きな武器となるはずです。
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