リファラル採用のミスマッチを防ぐ5つの対策と成功の秘訣

リファラル採用のミスマッチを防ぐ5つの対策と成功の秘訣

「知人の紹介だから、きっと良い人材に違いない」 「通常の採用ルートより、カルチャーフィットしやすいはずだ」

リファラル採用に、このような期待を寄せる経営者や人事担当者の方は多いのではないでしょうか。しかし、その期待とは裏腹に、「入社後のギャップが大きく、早期離職につながってしまった…」といったミスマッチに頭を悩ませるケースも少なくありません。

リファラル採用は、うまく機能すれば企業にとって非常に強力な採用手法となります。しかし、一歩間違えれば、大切な社員間の人間関係にまで影響を及ぼしかねないデリケートな側面も持っています。

本記事では、多くの企業が陥りがちなリファラル採用のミスマッチが起こる原因を深掘りし、明日から実践できる具体的な防止策から、万が一起きてしまった場合の対処法までを網羅的に解説します。

リファラル採用でミスマッチが発生する4つの原因

なぜ、信頼できる社員からの紹介にもかかわらず、ミスマッチは起きてしまうのでしょうか。その背景には、リファラル採用特有の「人間関係」が介在することで生じる、いくつかの原因が考えられます。

1.候補者への情報提供の不足・偏り

紹介者である社員は、友人や知人に対して、自社の魅力的な側面を伝えたいという気持ちが働きがちです。その結果、仕事のやりがいや良い人間関係といったポジティブな情報に偏ってしまい、業務の厳しさや組織が抱える課題といったリアルな情報が候補者に伝わりにくくなります。
候補者は良い面だけを期待して入社するため、現実とのギャップに直面した際に「こんなはずではなかった」と感じ、早期離職の引き金となってしまうのです。

2.紹介者と企業の「期待値のズレ」

紹介者は「友人として人柄が良く、真面目だから」といった理由で推薦することが多いですが、企業側が求めるスキルや経験、価値観と必ずしも一致するとは限りません。

特に、中小企業においては一人が担う役割も多岐にわたるため、単に「良い人」であるだけでなく、事業に貢献できる具体的な能力が求められます。この「友人としての評価」と「ビジネスパーソンとしての評価」のズレが、ミスマッチの大きな原因となります。

3.「紹介だから」という過度な配慮と遠慮

「〇〇さんの紹介だから、無下にはできない…」 このような配慮から、通常の選考フローを簡略化したり、面接での質問が甘くなったりするケースは後を絶ちません。

紹介者の顔を立てようとするあまり、企業側は候補者のスキルや懸念点を深く掘り下げられず、候補者側も遠慮して本音の質問がしづらくなります。この相互の遠慮が、互いの理解を妨げ、入社後のミスマッチを生み出す温床となるのです。

4.人間関係への配慮不足

万が一、候補者が不採用となった場合や、採用後に早期離職してしまった場合に、紹介者と候補者の関係が悪化してしまうリスクがあります。

また、社内においても「〇〇さんが紹介した人はすぐに辞めてしまった」といったネガティブな印象が広まると、紹介者本人の立場が悪くなることを恐れ、他の社員も紹介に消極的になってしまいます。結果として、制度そのものが形骸化してしまうことにもつながりかねません。

リファラル採用のミスマッチを防ぐ5つの具体的な対策

では、これらのミスマッチを未然に防ぐためには、どのような対策を講じればよいのでしょうか。導入前の準備から選考プロセスにおける具体的な5つのアクションプランをご紹介します。

1.制度設計とルールの明確化

リファラル採用を成功させるための第一歩は、感覚的な運用を避け、誰が見ても分かる明確なルールを設計することです。

  • 求める人物像(ペルソナ)の言語化と全社共有
    必要なスキルや経験はもちろん、「当社の〇〇という価値観に共感できる人」「△△な働き方を前向きに捉えられる人」といった、カルチャーフィットの基準まで具体的に言語化し、全社員に共有しましょう。
  • 紹介フローと選考基準の可視化
    誰が、いつ、何をするのかを明確にしたフロー図を作成します。そして最も重要なのは、「リファラル採用であっても、選考プロセスや基準は通常採用と一切変わらない」ということを明文化し、全社に周知徹底することです。
  • インセンティブ制度の適切な設計
    インセンティブは社員の協力意欲を高めますが、紹介の「質」を担保する工夫も必要です。例えば、「入社時に半額、入社半年後の定着を確認してから残りの半額を支給する」といった段階的な制度にすることで、採用後の定着まで意識した紹介を促せます。

【関連】リファラル採用のインセンティブとは?相場や制度設計のポイントを徹底解説

2.紹介者への十分な情報提供と協力依頼

社員には、単なる「紹介者」ではなく「会社の広報担当」として動いてもらう意識を持つことが重要です。

  • 「会社の“広報担当”」としての意識を持ってもらう
    募集ポジションの具体的な業務内容、やりがい、そして乗り越えるべき課題や厳しさまで、包み隠さず情報を提供し、候補者に伝えてもらうよう依頼します。
  • 「あくまで推薦。採否は会社が責任を持つ」という認識の徹底
    「不採用になっても、あなたの評価は一切変わらない。判断の責任はすべて会社が持つ」というメッセージを明確に伝えることで、紹介者の心理的負担を軽減し、純粋に「良い」と思う人材を推薦してもらいやすくなります。

3.候補者への多角的で透明性のある情報提供

候補者が入社後の姿をリアルに想像できるよう、多角的な情報提供を心がけましょう。

  • RJP(現実的な仕事情報の事前開示)の徹底
    RJPとは、”Realistic Job Preview”の略称です。企業の魅力だけでなく、現実的な課題や仕事の厳しい側面も正直に伝えることで、候補者の過度な期待を防ぎ、入社後のギャップを最小限に抑えます。
  • 紹介者以外の社員と話す機会(カジュアル面談)を設ける
    候補者がより客観的に会社を理解できるよう、紹介者以外の、特に現場で働く複数の社員と話す機会を設定しましょう。これにより、候補者は社風や働き方を多角的に知ることができ、入社の意思決定精度が高まります。

4.通常の選考プロセスを省略しない

「紹介だから」という特別扱いは、ミスマッチの最大の原因です。

  • 書類選考、複数回の面接、適性検査の実施
    リファラル採用であっても、他の応募者と全く同じ選考プロセスを徹底してください。書類選考や複数回の面接、必要であればスキルチェックや適性検査も実施し、客観的な基準で評価することが不可欠です。
  • 懸念点は面接でしっかり確認する
    少しでも気になる点や懸念点があれば、遠慮せずに面接で深く掘り下げて質問しましょう。誠実な対話は、候補者にとっても自身のキャリアを真剣に考える良い機会となります。

5.不採用時・辞退時の丁寧なコミュニケーション

結果がどうであれ、関係者への丁寧なコミュニケーションが次の縁につながります。

  • 紹介者への感謝とフォロー
    結果にかかわらず、まずは会社の採用活動に協力してくれたことへの感謝を伝えます。「今回はご縁がなかったが、また良い方がいたらぜひ紹介してほしい」と伝えることで、今後の協力関係を維持できます。
  • 候補者への誠実な対応
    候補者も、社員の大切な知人です。今後のどこかで顧客やパートナーになる可能性も十分にあります。丁寧な対応を心がけることが、企業の長期的な信頼につながります。

リファラル採用でミスマッチが起きてしまった場合の対処法

対策を尽くしても、ミスマッチが起こる可能性をゼロにすることは困難です。万が一の事態に備え、誠実なリカバリー策を準備しておきましょう。

1on1ミーティングなどによる早期キャッチアップ 

入社後は人事や上長が定期的に1on1ミーティングを実施し、本人が抱える違和感や悩みを早期に察知できる体制を整えましょう。早期のフォローが、離職を防ぐ鍵となります。

紹介者へのケアと責任を問わない姿勢 

ミスマッチはあくまで会社の責任であることを明確に伝え、紹介者を決して責めてはいけません。紹介者が安心して今後も協力できるよう、手厚いフォローが重要です。

本人との対話と再配置(異動)の検討 

ミスマッチの原因を本人から丁寧にヒアリングします。もしかすると、現在の部署では能力を発揮できていないだけで、別の部署であれば活躍できる可能性もあります。退職という結論を急ぐ前に、あらゆる可能性を探る姿勢が大切です。

リファラル採用の成功率を高めるポイント

最後に、リファラル採用を形骸化させず、継続的に成功させるためのポイントを3つご紹介します。

リファラル採用ツールなどを活用し、紹介状況を可視化する 

誰が誰を紹介し、現在どの選考ステップにいるのかを可視化することで、対応の漏れや遅れを防ぎ、効率的な運用が可能になります。

【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説

定期的に制度を見直し、社員の声をもとに改善を続ける(PDCA) 

制度を導入して終わりではなく、紹介者やリファラル経由で入社した社員に定期的にアンケートを実施するなど、現場の声をもとに制度を改善し続けることが成功の秘訣です。

【関連】リファラル採用の制度設計とは?成功に導く運用のコツ

経営層がリファラル採用の重要性を発信し、全社的な協力体制を築く 

リファラル採用は人事だけの仕事ではありません。経営層自らがその重要性を発信し、全社員で取り組む文化を醸成することが、質の高い紹介を増やすことにつながります。

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リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。

リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。

1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。

2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。

3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。

「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう

本記事では、リファラル採用におけるミスマッチの原因から、具体的な防止策、そして成功のポイントまでを解説してきました。

結論として、リファラル採用のミスマッチは、「事前の仕組みづくり」と「丁寧なコミュニケーション」によって防ぐことができます。

「紹介だから」と特別扱いするのではなく、明確なルールのもとで客観的な選考を行うこと。そして、プロセスに関わるすべての関係者(候補者、紹介者)への誠実な対応を徹底すること。この2つが、結果として企業と候補者双方にとって良い採用、すなわち「強い会社」をつくる採用につながるのです。

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