リファラル採用の採用コストとは?インセンティブ相場と成功のコツ

採用活動におけるコストの高騰は、多くの企業、特に中小企業の経営者様や人事担当者様にとって、頭を悩ませる大きな課題ではないでしょうか。
そんな中、採用コストを抑えられる手法として「リファラル採用」が注目を集めています。しかし、「本当にコストを抑えられるの?」「具体的に何に費用がかかるの?」といった疑問をお持ちの方も多いはずです。
本記事では、リファラル採用で発生するコストの具体的な内訳から、他の採用手法との比較、そしてコストを抑えながら成功に導くためのポイントまで、網羅的に解説します。
もくじ
リファラル採用とは?
リファラル採用とは、自社の役員や従業員に、自身の友人や知人など、信頼できる人材を紹介・推薦してもらう採用手法のことです。「リファラル(referral)」は「紹介・推薦」を意味し、「縁故採用」と混同されがちですが、縁故採用が血縁や地縁などを重視するのに対し、リファラル採用はあくまで候補者のスキルや人柄が自社にマッチするかを重視する点で異なります。
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なぜ今、リファラル採用が注目されるのか
近年、リファラル採用が注目される背景には、以下のような理由があります。
- 採用競争の激化
少子高齢化による労働人口の減少に伴い、求人広告や人材紹介だけでは優秀な人材の確保が難しくなっています。 - ミスマッチの防止
従業員から社風や働き方についてリアルな情報を聞いた上で応募するため、入社後の「こんなはずではなかった」というミスマッチが起こりにくく、定着率の向上が期待できます。 - 潜在層へのアプローチ
まだ転職を具体的に考えていない「転職潜在層」にもアプローチできる可能性があります。
そして何より、「採用コストを削減できる可能性がある」という点が、多くの企業にとって大きな魅力となっています。
リファラル採用で発生するコストの内訳
「リファラル採用は社員の紹介だから無料」というイメージがあるかもしれませんが、それは誤解です。実際には、直接的・間接的にいくつかのコストが発生します。
直接的なコスト(金銭的コスト)
目に見えて支払いが発生する費用です。
- 紹介インセンティブ(報酬金)
紹介してくれた社員へ支払う報酬です。最も代表的なコストと言えるでしょう。金額は企業の規模や紹介されたポジションによって様々ですが、正社員で5万円~30万円程度が一般的な相場です。アルバイト・パートの場合は1万円~5万円程度が目安となります。 支給のタイミングも重要で、「入社が確定した時点」や「試用期間(例:3ヶ月)が終了した時点」など、企業によってルールが異なります。
【関連】リファラル採用の報酬制度とは?金額の相場から制度設計のコツまで解説 - 会食費・交際費
社員が候補者とカジュアルに話をするためのランチ代やカフェ代などです。会社が費用を負担することで、社員が候補者を誘うハードルを下げ、積極的な声がけを促進する効果があります。 - 広報・周知費用
リファラル採用は、社員に制度を認知してもらわなければ始まりません。制度を周知するためのポスターやチラシの作成費、社内説明会の開催費用、社内報での告知などにかかる費用です。 - 採用管理ツールの利用料
紹介状況や選考プロセスを効率的に管理するためのシステム利用料です。Excelなどでの手作業管理も可能ですが、応募者が増えてくると「誰が誰を紹介したのか」「選考はどこまで進んでいるのか」といった管理が煩雑になり、かえって非効率になる場合があります。
間接的なコスト(時間的・人的コスト)
直接的な支払いはないものの、社員や担当者の時間という形で見えないコストが発生します。
- 制度設計・運用の人件費
人事担当者がリファラル採用のルール(インセンティブの金額、応募方法など)を設計し、運用・改善していくための時間、つまり人件費です。 - 紹介者(社員)の協力工数
社員が友人や知人のリストから候補者を探したり、会社の魅力を伝えたり、候補者からの質問に答えたりする時間もコストと捉えることができます。 - 面接・選考にかかる人件費
これは他の採用手法でも同様ですが、紹介された候補者と面接を行う面接官や人事担当者の人件費も、当然ながら発生します。
3つの採用手法別の採用単価の比較
では、リファラル採用は他の採用手法と比べて、実際にどれくらいコストを抑えられるのでしょうか。正社員を1名採用した場合のコストをシミュレーションしてみましょう。
- リファラル採用:12万円
内訳:インセンティブ10万円、会食費2万円 - 求人広告媒体:40万円~
内訳:媒体掲載料(4週間で40万円) - 人材紹介サービス:140万円
内訳:成功報酬(年収400万円の35%)
※上記はあくまで一般的なモデルケースであり、費用は採用する職種や地域によって変動します。
前述の通り、リファラル採用は他の手法に比べて、採用単価を抑えられるポテンシャルを秘めています。特に、成功報酬が高額になりがちな人材紹介サービスと比較すると、その差は歴然です。
リファラル採用のコストを抑え、効果を最大化するポイント
リファラル採用の費用対効果をさらに高めるためには、いくつかのコツがあります。コストを抑えつつ、効果を最大化するポイントをご紹介します。
インセンティブ制度を戦略的に設計する
インセンティブは、必ずしも高額な現金だけが有効とは限りません。「紹介してくれた社員と、入社した社員の両方に食事券をプレゼントする」「特別休暇を付与する」「全社の場で社長から表彰する」といった非金銭的な報酬も、社員の満足度やモチベーションを高める上で非常に効果的です。
社員が「紹介しやすい」仕組みを整える
「制度はあるけど、誰も使ってくれない」という課題は多く聞かれます。その原因は、紹介フローが複雑だったり、そもそも制度が十分に認知されていなかったりすることにあります。 定期的に社内報で告知したり、紹介用の簡単なメッセージテンプレートを用意したりと、社員が気軽に参加できる仕組みづくりが重要です。
【関連】リファラル採用の制度の作り方とは?社員が協力したくなる仕組みを解説
求める人物像を明確にし、全社で共有する
「誰でもいいから紹介して」では、ミスマッチが多発し、かえって選考コストが増大してしまいます。「どのようなスキルや価値観を持った人に来てほしいのか」を具体的に言語化し、全社員に共有することで、紹介の質が高まり、結果的にコスト削減に繋がります。
カジュアルな情報交換の場を設ける
「いきなり面接に誘うのはハードルが高い」と感じる社員もいます。会社主導で、社員が気軽に友人を連れてこられるようなランチ会やオフィス見学ツアーを企画するのも良い方法です。これは会社が負担する「会食費」の有効な活用法とも言えます。
採用管理ツールを活用してノンコア業務を削減する
紹介者の管理、選考状況のトラッキング、インセンティブの支払い管理など、リファラル採用には煩雑な事務作業が伴います。これらのノンコア業務に人事担当者の貴重な時間が奪われるのは大きな損失です。 採用管理ツールを導入することで、これらの業務を自動化・効率化し、担当者は候補者とのコミュニケーションといったコア業務に集中できます。結果として、間接的な人件費コストを大幅に削減できるのです。
【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
「リファアルム」を活用してリファラル採用を推進しましょう
リファラル採用は、求人広告や人材紹介といった他の採用手法に比べて、採用コストを大幅に抑えられる非常に有効な手段です。社員の紹介であるため、企業文化にマッチした人材が集まりやすく、定着率の向上も期待できます。
ただ、「無料」ではなく、インセンティブや運用工数といったコストが発生することも事実です。そのコストを正しく理解し、今回ご紹介したポイントを参考に、自社に合った戦略的な制度を設計・運用することが、リファラル採用を成功させる鍵となります。
しかし、「リファラル採用のコストについて、さらに詳しく知りたい」
「リファラル採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」
といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。
当社では経験豊富な採用コンサルタントが設計から運用までワンストップで支援します。
リファラル、アルムナイ採用成功のために必要なノウハウと実務支援、マネジメントをプロの人事チームが顧客の採用成功まで伴走します。
リファラル採用、そして採用活動全体でお困りのことがございましたら、まずはお気軽に下記よりお問い合わせください。