リファラル採用の社内告知のやり方とは?成功に導く進め方と3つのコツ

「コストを抑え、定着率の高い優秀な人材を採用したい」 そのように考え、自社の社員に知人や友人を紹介してもらう「リファラル採用」を導入する企業が増えています。
しかし、いざ制度を導入したものの、 「社員がなかなか知人を紹介してくれない」 「制度を作っただけで、すっかり形骸化してしまっている」 といった課題を抱えている経営者や人事担当者の方も多いのではないでしょうか。
そのような課題が生じる原因の一つに「社内告知」の方法があるかもしれません。
リファラル採用における社内告知は、単に制度が始まることを知らせるだけのものではなく、社員一人ひとりの当事者意識を引き出し、会社全体で採用を成功させるための、非常に重要な「戦略」なのです。
この記事では、リファラル採用の成否を分ける社内告知の重要性から、具体的な進め方、社員の協力度を高めるコツまで、豊富な文例を交えながら徹底的に解説します。
もくじ
リファラル採用の社内告知を行う目的とは?
効果的な社内告知は、リファラル採用にどのような影響を与えるのでしょうか。まずは、社内告知が担う重要な目的を理解しておきましょう。
全社員の「採用活動への当事者意識」を醸成する
「採用は人事部の仕事」と考えている社員は少なくありません。しかし、リファラル採用の主役は、現場で働く社員一人ひとりです。
社内告知を通じて、「会社の未来を創る仲間探しは、全員で行う大切なプロジェクトである」というメッセージを伝えることが重要です。会社のビジョンや採用の重要性を共有することで、社員は「他人事」ではなく「自分事」として採用活動を捉え、積極的に協力してくれるようになります。
制度の透明性を高め、社員の不信感や不公平感を払拭する
「誰かを推薦したけれど、その後どうなったか分からない」「インセンティブは本当にもらえるの?」といった不信感は、社員の協力意欲を著しく低下させます。
紹介から採用までの流れ、インセンティブの金額や支払い条件などを明確に、そしてオープンに告知することで、制度の透明性を担保しましょう。社員が安心して制度を利用できる信頼関係を築くことが、リファラル採用成功の土台となります。
求める人物像の解像度を合わせ、採用のミスマッチを防ぐ
「誰でもいいから紹介してほしい」というメッセージでは、紹介の質は上がりません。それどころか、会社のカルチャーに合わない人材が集まってしまい、かえって採用工数が増える可能性もあります。
社内告知の場で、「どんなスキルや価値観を持った人に、なぜ仲間になってほしいのか」を具体的に伝えることが不可欠です。求める人物像の解像度が社内でそろうことで、紹介の精度が高まり、結果として採用のミスマッチを効果的に防ぐことができます。
リファラル採用の社内告知の進め方
それでは、実際に社内告知をどのように進めていけばよいのでしょうか。ここでは、明日から実践できる5つのステップをご紹介します。
告知の前に「リファラル採用制度」を設計する
効果的な告知を行うには、その土台となる制度がしっかりしていることが大前提です。告知を始める前に、以下の項目が明確に定まっているかを確認しましょう。
- 採用したい人物像(ペルソナ)の明確化:スキル、経験、価値観など
- 対象となる募集職種とポジション:どの部署で、どんな役割を担う人か
- 紹介から採用決定、インセンティブ支払いまでの流れ:誰が、いつ、何をするのか
- 社員が納得できるインセンティブ(報酬・特典)制度:金銭だけでなく、食事券や特別休暇なども有効
これらの制度設計があやふやなままでは、社員も安心して友人に声をかけることができません。
効果的な告知の「タイミング」と「対象者」を見極める
社内告知は一度で終わりではありません。継続的に情報を発信し、社員の意識に定着させることが重要です。
- キックオフ
制度開始時の全社向け一斉告知 経営層から直接、制度導入の背景や会社としての想いを語ってもらうのが効果的です。朝礼や全社会議の場を活用しましょう。 - 定期的リマインド
月次や季刊での継続的な情報発信 「現在このポジションを募集しています!」「〇〇さんの紹介で新しい仲間が増えました!」といった情報を定期的に流し、制度が常に動いていることをアピールします。 - 個別アプローチ
キーパーソンや特定部署への協力依頼 特に人脈が豊富そうな社員や、急募ポジションの部署に対しては、個別で協力をお願いするのも有効です。
【例文あり】社員の心に響く告知メッセージを作成する
いよいよ告知メッセージの作成です。ただ情報を羅列するのではなく、社員の心を動かし、行動を促す内容を心がけましょう。
■告知に盛り込みたい7つの必須項目
- 制度導入の背景・会社としての想い
- なぜ社員の協力が必要なのか
- 具体的に求める人物像
- 募集職種の詳細(業務内容、条件など)
- 紹介フロー(紹介方法、選考の流れ)
- インセンティブの内容と支払条件
- 問い合わせ先の担当部署・担当者
■社内チャット用の告知文例
【ご協力のお願い】あなたの力を貸してください!リファラル採用制度、本日スタートします!
社員の皆さん
お疲れ様です。人事部の〇〇です。
この度、株式会社Take Actionの未来を皆さんと一緒に創っていくため、本日より「リファラル採用(社員紹介)制度」をスタートすることになりました!
・ なぜ、今リファラル採用なのか?
私たちは「採用から会社を強くする」というミッションの実現に向け、さらなる事業成長を目指しています。そのためには、私たちのビジョンに共感し、共に挑戦してくれる新しい仲間の力が不可欠です。そして、私たちの会社の文化や価値観を最も深く理解してくださっているのは、日々現場で活躍されている社員の皆さんです。皆さんだからこそ出会える、未来の素晴らしい仲間がいると信じています。
・あなたの周りの素敵な方を、ぜひご紹介ください!
もし、ご友人・知人の中に「この人ならTake Actionで活躍できそう!」「一緒に働きたい!」と思える方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介いただけないでしょうか。・現在募集中のポジション
- 法人営業(中小企業向け)
- カスタマーサクセス
※詳細な業務内容は添付の募集要項をご確認ください。
・こんな方を探しています!
- 当社のミッションに共感してくれる方
- チームワークを大切にし、前向きに業務に取り組める方
- お客様の成功を本気で考え、行動できる方
・紹介〜採用までの流れ
- 人事部の〇〇まで、紹介したい方のお名前と連絡先をチャットで連絡
- 人事部から候補者様へ連絡し、カジュアル面談を実施
- 書類選考 → 面接(2回)→ 内定
・御礼(インセンティブ)について
ご紹介いただいた方が入社された場合、感謝の気持ちとして紹介者のあなたに金一封(〇〇円)と特別休暇(3日間)を贈呈します。ご不明な点があれば、いつでも人事部の〇〇までお気軽にご連絡ください。 皆さんのご協力を、心からお待ちしております!
複数の「媒体」を駆使して、全方位的にアプローチする
メッセージを作成したら、様々な媒体を使って社員の目に触れる機会を増やしましょう。
- オンラインでの告知
全社会議での発表、SlackやTeamsなどの社内チャット、社内報、いつでも見返せる社内ポータルサイト(イントラネット) - オフラインでの告知
オフィスの休憩スペースや食堂へのポスター掲示、給与明細へのチラシ同封など
オンラインとオフラインを組み合わせることで、より多くの社員に情報を届けることができます。
結果を可視化し、「効果測定」と「改善」を繰り返す
社内告知は「やりっぱなし」では意味がありません。必ず効果測定を行い、改善を繰り返すPDCAサイクルを回しましょう。
- 紹介数や採用決定率、どの部署からの紹介が多いかなどをデータで追跡する
- 「紹介制度のどこが分かりにくいか」「どうすればもっと協力しやすいか」など、社員に直接アンケートを取り、改善のヒントを得る
成功事例が出たら、「〇〇さんの紹介で、こんな素敵な仲間が増えました!」と積極的に共有し、成功の輪を広げていくことも大切です。
社員の協力度を格段に上げる!社内告知を成功させる3つのコツ
社内告知の進め方をご紹介しましたが、社員の協力度をもう一段階引き上げるための、より実践的な3つのコツをご紹介します。
「なぜ、あなたに頼みたいのか」という特別感を伝える
全社一斉の告知だけでなく、「〇〇さんの前職の経験なら、優秀なエンジニアとの繋がりがありませんか?」「〇〇さんのようにコミュニケーション能力の高い方、周りにいませんか?」といったように、個人に期待する理由を添えて声をかけると、協力のモチベーションは格段に上がります。
紹介の「心理的・物理的なハードル」をとことん下げる
「友人を会社に紹介するのは、なんだか責任が重い…」と感じる社員は少なくありません。その心理的ハードルを下げる工夫が重要です。
- 選考の前に、人事や現場社員と話せる「カジュアル面談」の機会を設ける
- SNSやLINEで友人に送るだけですむ「紹介用メッセージのテンプレート」を配布する
- 紹介カードを作成し、手渡しで気軽に紹介できるようにする
など、紹介者の負担を軽くする仕組みを考えましょう。
経営層や管理職が率先して「楽しむ姿勢」を見せる
最も効果的なのは、経営層や役職者が自ら友人・知人を紹介し、そのプロセスを楽しむ姿を見せることです。「社長が楽しそうに友人を会社に誘っている」という事実は、何よりも雄弁なメッセージとなります。「全社で仲間探しを楽しもう!」というポジティブな雰囲気をトップダウンで醸成していきましょう。
リファラル採用の社内告知で注意すべき失敗例と対策
最後に、多くの企業が陥りがちな失敗例と、その対策をセットでご紹介します。自社が当てはまっていないか、ぜひチェックしてみてください。
制度の説明のみとなり、協力するメリットや想いが伝わっていない
インセンティブの金額や応募フローといった事務的な説明だけでは、社員の心は動きません。「自分には関係ない」「面倒くさそうだ」と思われてしまうのが実情です。
【対策】会社の「想い」と「感情的なメリット」を伝える
対策としては、経営層や人事担当者が自らの言葉で、事業のビジョンや「なぜ、社員の皆さんに協力してほしいのか」という熱い想いを語ることです。「会社のカルチャーを一番理解している皆さんの力を貸してほしい」というメッセージは、社員の当事者意識を育みます。また、金銭的なインセンティブだけでなく、「信頼できる仲間と働く楽しさ」や「会社づくりに貢献できるやりがい」といった感情的なメリットも合わせて伝えましょう。
告知が一度きりで、社員の記憶から忘れ去られてしまう
人間は忘れやすい生き物です。制度開始時に一度だけ大々的に告知しても、日々の忙しい業務の中で社員の記憶からはすぐに薄れていってしまいます。
【対策】計画的なリマインドで、常に「意識の片隅」に置いてもらう
対策は、あらかじめ告知計画を立て、継続的に情報を発信することです。例えば、「毎週月曜の朝会で募集中のポジションを共有する」「月1回、チャットで成功事例を配信する」など、情報に触れる機会を定常的に作りましょう。常に制度を「意識の片隅」に置いてもらうことで、ふとした瞬間に「そういえば友人にぴったりの募集があったな」と思い出してもらいやすくなります。
紹介後の進捗状況がブラックボックス化し、紹介者のモチベーションが低下する
勇気を出して友人を紹介してくれた社員にとって、その後の選考状況がどうなっているのかは非常に気になるものです。何の連絡もない状態が続くと、「紹介したのにぞんざいに扱われた」と不信感を抱き、二度と協力してくれなくなる可能性があります。
【対策】こまめな進捗報告で、紹介者への感謝と誠意を示す
対策は、紹介者への進捗報告フローを制度に組み込み、徹底することです。「書類選考を通過しました」「来週、一次面接です」といった報告はもちろん、たとえ不採用という結果になった場合でも、必ず感謝の言葉を添えて丁寧に伝えましょう。紹介してくれたこと自体への感謝と誠意を示すことが、紹介者のエンゲージメントを高め、次の紹介へと繋げる信頼関係を築きます。
おすすめのリファラル採用を支援するサービス「リファアルム」
リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。リファアルムを使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
リファアルムを活用する具体的なメリットは下記の3つです。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
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リファラル採用の成功は、優秀な人材の採用に留まらず、社員のエンゲージメント向上にも繋がる素晴らしい取り組みです。そして、その成否のカギを握るのが、社員一人ひとりの心を動かす戦略的な「社内告知」にほかなりません。
しかし、「リファラル採用の社内告知について、専門家のアドバイスが欲しい」
「リファラル採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」
といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
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