アルムナイ採用を仕組み化する5つのステップ 辞めた社員を資産に変える運用フローとは
深刻な人手不足が叫ばれる昨今、多くの企業が新たな採用チャネルの開拓に頭を悩ませています。 そんな中で、「アルムナイ採用(カムバック採用)」が大きな注目を集めています。
かつて自社で働き、他社での経験を積んで戻ってくる「アルムナイ(卒業生)」は、即戦力であり、企業文化も理解している貴重な人材です。
しかし、いざ導入しようとしても、以下のような課題に直面する経営者・人事担当者様も多いのではないでしょうか。
アルムナイ採用を成功させる鍵は、「個人の頑張り」ではなく「組織的な仕組み化」にあります。
本記事では、退職した社員を貴重な人的資産(タレントプール)として捉え直し、アルムナイ採用を組織に定着させるための具体的な5つのステップと、運用のポイントを解説します。
もくじ
なぜ今、アルムナイ採用に「仕組み化」が必要なのか?
「辞めた社員が戻ってくる」という事例は、昔から少なからず存在しました。しかし、それらは偶然の再会や、特定の社員同士の個人的な親交によって生まれたケースがほとんどです。
企業戦略としてアルムナイ採用を行うには、こうした「偶発性」や「属人性」から脱却し、「再現性のある仕組み」へと昇華させる必要があります。
属人的な採用活動の限界とリスク
仕組み化されていないアルムナイ採用には、いくつかのリスクがあります。
まず、「アプローチの偏り」です。現場のマネージャーや特定の社員と仲が良かった退職者にしか声がかからないため、本当に優秀で戻ってきてほしい人材を見逃してしまう可能性があります。
次に、「継続性の欠如」です。退職者と連絡を取り合っていた担当者が異動や退職をしてしまった場合、その繋がり(パイプ)は途絶えてしまいます。これでは、いつまでたっても会社としての資産になりません。
アルムナイ採用の仕組み化による3つのメリット
アルムナイ採用を仕組み化し、制度として運用することで、以下の大きなメリットが得られます。
- 採用コストの大幅な削減
通常、人材紹介会社を利用すれば年収の30〜35%程度の手数料が発生します。しかし、アルムナイ採用は自社の資産を活用するため、このコストが理論上ゼロになります。 - ミスマッチの防止と定着率の高さ
お互いに「良いところ」も「悪いところ」も知っている状態での再入社となるため、入社後のギャップが極めて少なく、早期離職のリスクを最小限に抑えられます。 - 既存社員への好影響(エンゲージメント向上)
「一度外の世界を見た人が、やっぱりこの会社が良いと言って戻ってきた」という事実は、既存社員に対して自社の魅力を再認識させる強力なメッセージとなります。「戻ってこられる会社」であるという安心感は、組織全体の心理的安全性にも寄与します。
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アルムナイ採用を仕組み化する5つのステップ
では、具体的にどのようなフローでアルムナイ採用を仕組化すればよいのでしょうか。ここからは、明日から着手できる5つのステップを紹介します。
1.退職時の「出口管理(オフボーディング)」を変える
アルムナイ採用のスタート地点は、実は「退職時」にあります。退職する社員に対して、どのような送り出し方をするかで、将来戻ってくる可能性は大きく変わります。
ここで行うべきは、退職面談の質を変えることです。事務的な手続きだけでなく、「あなたのキャリアを応援している」「もしまた一緒に働ける機会があれば歓迎する」というメッセージを明確に伝えましょう。
この段階で、「退職=裏切り・縁の切れ目」ではなく、「卒業=新たな関係の始まり」であるという意識を植え付けることが重要です。
2.アルムナイの定義とターゲット設定
「辞めた人は誰でもウェルカム」というわけではありません。自社のカルチャーにマッチし、再び貢献してくれる可能性のある人材を定義する必要があります。
・対象者: 勤続○年以上、人事評価が一定以上、円満退職であること、など。
・再雇用時のルール: 戻ってきた時の給与テーブルや役職はどうするのか。
これらを事前に決めておくことで、現場の混乱を防ぎ、既存社員からの不公平感も払拭できます。特に「他社でスキルアップしてきた分を給与にどう反映するか」は重要な論点ですので、明確な基準を設けておきましょう。
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3.退職者データベース(名簿)の作成と管理
アルムナイと繋がり続けるためには、彼らの情報を管理する場所が必要です。 氏名、退職時期、退職理由、連絡先(個人のメールアドレスやSNSアカウント)、転職先などの情報をデータベース化します。
ここで注意したいのは、「Excelやスプレッドシート管理の限界」です。 初期段階では手作業でも可能ですが、人数が増えるにつれて管理が煩雑になり、個人情報保護の観点からもセキュリティリスクが高まります。また、退職者の連絡先が変わった場合、本人に変更してもらう仕組みがないと、データはすぐに陳腐化してしまいます。
4.継続的なコミュニケーション(コミュニティ化)
名簿を作っただけでは採用には繋がりません。重要なのは、「緩やかな繋がり」を維持し続けることです。
いきなり「人が足りないから戻ってきて」と連絡するのは逆効果です。まずは、定期的に会社のニュースレターを送ったり、アルムナイ同士が交流できるイベントを開催したりして、関係性を温めましょう。
「最近、会社がこんな新しい事業を始めたらしい」「あの部署の○○さんが昇進したらしい」といった情報に触れ続けてもらうことで、彼らが転職を検討するタイミングで、真っ先に自社の名前を思い出してもらう(第一想起をとる)ことが目的です。
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5.再雇用フローの確立
いざアルムナイが応募してくれた際に、通常の応募者と同じ選考フローに乗せるのはナンセンスです。彼らはすでに自社のことをよく知っているのですから、特別な「ファストパス」を用意しましょう。
・書類選考や一次面接の免除
・いきなり役員や部長とのカジュアル面談を実施
・入社後の試用期間の短縮
こうした優遇措置を明文化しておくことで、アルムナイ側も「歓迎されている」と感じ、応募のハードルを下げることができます。
アルムナイ採用を成功させるための重要ポイント
アルムナイ採用の仕組みを作っても、運用する「心構え」が間違っていれば機能しません。特に重要な2つのポイントをお伝えします。
退職者を「裏切り者」扱いしない社内風土づくり
最も大きな障壁となるのが、社内に残る「辞めた人へのネガティブな感情」です。経営陣や現場の管理職が「あいつは会社を捨てた」という態度をとっていれば、アルムナイは二度と戻ってきませんし、戻ってきても居心地が悪くすぐに辞めてしまうでしょう。
経営者や人事が率先して「外で挑戦する人を応援する」「いつでも戻ってこれる場所にする」というスタンスを発信し、社内の空気を変えていく必要があります。退職者を「卒業生」と呼び変えるのも一つの有効な手段です。
情報をオープンにし続ける
アルムナイは、良くも悪くも「過去の会社」しか知りません。 「当時はここがダメだったけれど、今はこう改善された」「今はこんな面白い課題に取り組んでいる」という現在の姿を、包み隠さずオープンに伝え続けましょう。
会社の変化や成長を共有することで、アルムナイは「今の自分なら、あの会社でもっと貢献できるかもしれない」という可能性を感じ取ってくれます。
仕組み化の課題を解決する「専用ツール」の活用
ここまでアルムナイ採用の仕組み化における5つのステップを紹介しましたが、いざ実行しようとすると、人事担当者様のマンパワー不足が壁になることが多々あります。
「退職者一人ひとりにメールを送る時間がない」 「名簿の更新作業が面倒で続かない」 「個人情報の管理に不安がある」
こうした「運用の手間(工数)」と「心理的なハードル」を一気に解決するのが、アルムナイ採用に特化したツールの導入です。
「手作業での管理に限界を感じている」「専任の担当者を置く余裕がない」という企業様こそ、ツールの力を借りて、効率的に仕組み化を実現すべきです。
【関連】アルムナイ採用を成功に導くツールとは?メリット・機能から導入の注意点まで解説
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アルムナイ採用は、一朝一夕ですぐに成果が出る施策ではありません。しかし、一度仕組みを構築し、タレントプール(人材の蓄積)ができあがれば、将来にわたって採用コストを下げ続け、組織を強くする強力な武器になります。
まずは、目の前の退職者に対する「出口対応」を変えることから始めてみませんか? そして、退職者と良好な関係を維持し続けるための「仕組み」作りについて、ぜひ一度検討してみてください。
しかし「アルムナイ採用の仕組み化について、専門家のアドバイスが欲しい」
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