【採用施策12選】定着率UPのヒントや、今注目の「つながり」採用を解説
「求人を出しても応募が来ない」「採用コストばかりがかさみ、成果につながらない」「やっと採用できても、ミスマッチですぐに辞めてしまう」
昨今、有効求人倍率の高止まりや労働人口の減少により、企業の採用難易度はかつてないほど高まっています。多くの経営者様や人事担当者様が、上記のような悩みを抱えているのではないでしょうか。
採用活動がうまくいかない最大の原因の一つは、「自社のフェーズや課題に合った採用施策を選べていないこと」にあります。
そこで本記事では、現在主流となっている12種類の採用施策を一覧で解説します。それぞれのメリット・デメリット、費用感、そして「どんな企業に向いているか」を整理しました。
また、記事の後半では、採用コストを抑えながら定着率を高める、今もっとも注目すべき「つながり」を活かした採用手法についても掘り下げてご紹介します。
貴社の採用戦略を見直し、採用から会社を強くするためのヒントとしてご活用ください。
もくじ
採用施策を選ぶための3つの軸
具体的な採用施策を見ていく前に、まずは自社の状況を整理するための「3つの軸」を確認しておきましょう。これらが明確でないまま手法だけを選んでも、効果は半減してしまいます。
1. ターゲット層(誰にアプローチしたいか)
採用したい人材は「新卒」か「中途」か、あるいは「未経験層」か「即戦力」かによって、有効な媒体は異なります。
また、重要なのが「転職潜在層」と「転職顕在層」という視点です。
- 顕在層:「今すぐ転職したい」と考えて活動している層。求人サイトやエージェントに多く存在します。
- 潜在層:「良い話があれば考えたい」という層。SNSやリファラル(紹介)でないとアプローチできませんが、優秀な人材が多い傾向にあります。
2. 予算とコスト(フロー型かストック型か)
採用にかける予算はいくらか、そしてその予算は「掛け捨て」か「資産」かという視点です。
- フロー型(掛け捨て):求人広告のように、掲載期間が終われば接点がなくなるもの。即効性はありますが、採用するたびに費用が発生します。
- ストック型(資産):自社の採用サイトやSNS、リファラル採用の仕組みなど、一度構築すればノウハウやリストが自社に蓄積され、中長期的に採用コストを下げられるもの。
【関連】なぜ採用コストは高騰するのか?見直すべきポイントとリファラル採用のすすめ
3. 緊急度と期間(いつまでに欲しいか)
「来月までに欠員を埋めたい」のか、「半年かけてじっくりカルチャーマッチする人を探したい」のか。緊急度が高ければ、コストをかけてでもエージェント等の即効性ある手法を選ぶ必要があります。
【一覧表】主要な採用施策12選を徹底比較
ここからは、代表的な採用施策を4つのカテゴリーに分け、全12個の手法を解説します。
まずは以下の比較表で全体像を掴んでください。
| カテゴリー | 手法 | コスト | 即効性 | ターゲット | 主なメリット |
| 1. 求人媒体・広告 | 求人ナビサイト | 中 | 中 | 顕在層 | 多くの求職者に周知できる |
| ハローワーク | 低 | 低 | 顕在層 | 無料で利用できる | |
| Web広告 | 高 | 高 | 潜在・顕在 | ターゲットを絞って配信可能 | |
| 2. 人材紹介・代行 | エージェント | 高 | 高 | 顕在層 | 成功報酬で確実性が高い |
| RPO(採用代行) | 中~高 | 中 | – | 人事業務の工数を削減できる | |
| 3. ダイレクト | ダイレクトスカウト | 中 | 中 | 潜在・顕在 | 欲しい人材へ直接アプローチ |
| SNS採用 | 低~中 | 低 | 潜在層 | ブランディング・ファン化 | |
| イベント・説明会 | 中 | 中 | 顕在層 | 会社の雰囲気を直接伝えられる | |
| 4. つながり | リファラル採用 | 低 | 中 | 潜在・顕在 | マッチ度が高く定着しやすい |
| アルムナイ採用 | 低 | 中 | 潜在層 | 即戦力・教育コスト不要 | |
| タレントプール | 低 | 低 | 潜在層 | 将来の候補者を資産化できる | |
| 自社採用サイト | 中 | 中 | 全層 | 自社の魅力を自由に発信可能 |
1. 求人媒体・広告(「待ち」の採用)
多くの企業が導入している、最もポピュラーな手法です。
- 求人サイト(ナビサイト)
・特徴:大手媒体に求人情報を掲載し、応募を待つスタイル。
・メリット:登録者数が多く、一度に多くの認知を獲得できます。
・デメリット:掲載費が先行してかかるため、採用できなくてもコストが発生します。また、競合他社と比較されやすく、知名度や給与条件で見劣りすると埋もれてしまいます。 - ハローワーク
・特徴:国が運営する職業紹介所。
・メリット:掲載料も成果報酬も無料。地元採用には強みがあります。
・デメリット:若手や専門職の利用者が少なく、求めるターゲット層と合致しない場合があります。 - Web広告(SNS広告・リスティング広告)
・特徴:Google検索やInstagram、X(旧Twitter)などに広告を出す手法。
・メリット:年齢、居住地、興味関心などで細かくターゲティングでき、潜在層にもアプローチ可能です。
・デメリット:運用には専門知識が必要であり、クリック単価が高騰する傾向にあります。
2. 人材紹介・アウトソーシング(「お任せ」の採用)
自社のリソースが足りない場合や、確実性を求める場合に有効です。
- 人材紹介エージェント
・特徴:専任の担当者が、条件に合う求職者を紹介してくれるサービス。
・メリット:完全成功報酬型(年収の30~35%程度)が多く、採用できるまで費用がかかりません。非公開求人として進めることも可能です。
・デメリット:採用単価が非常に高くなります。また、紹介会社のフィルターを通すため、自社の魅力を直接伝えきれない場合があります。 - RPO(採用代行)
・特徴:スカウトメールの送信や日程調整など、採用実務を外部に委託するサービス。
・メリット:マンパワー不足を解消し、人事は「面接」や「戦略立案」などコア業務に集中できます。
・デメリット:委託費用がかかるほか、採用ノウハウが自社に蓄積されにくい側面があります。
3. ダイレクト・ソーシング(「攻め」の採用)
企業側から能動的にアプローチする手法で、近年利用が急増しています。
- ダイレクトスカウト(スカウトメール)
・特徴:データベースに登録された求職者に対し、企業が直接スカウトメールを送る手法。
・メリット:自社が本当に欲しい人材だけにアプローチでき、開封率や返信率を高める工夫ができます。
・デメリット:一人ひとりのレジュメを読み込み、個別の文面を作成する必要があるため、人事の工数が膨大になります。 - ソーシャルリクルーティング(SNS運用)
・特徴:XやInstagram、TikTokなどで日常の様子を発信し、ファンを増やす手法。
・メリット:「人柄」や「社風」を伝えやすく、カルチャーマッチした人材が集まりやすいです。
・デメリット:フォロワーを増やし、応募につなげるまでには長い時間がかかります。炎上リスクへの配慮も必要です。 - イベント・合同説明会
・特徴:オンラインやリアル会場で、求職者に向けて会社説明を行う場。
・メリット:一度に多数の求職者と接点を持て、熱意を直接伝えられます。
・デメリット:出展費用がかかる上、当日の動員数に成果が左右されます。
4. リファラル・アルムナイ(「つながり」の採用)
今、最も注目されているのが「人とのつながり」を活かした採用手法です。
- リファラル採用(社員紹介)
・特徴:自社の社員に、知人や友人を紹介してもらう手法。
・メリット:社員が自社の良し悪しを理解した上で紹介するため、マッチング精度が極めて高く、定着率が良いのが最大の特徴です。外部コストがかからず、採用単価を大幅に削減できます。
・デメリット:社員への周知や協力体制の構築など、社内での制度設計と風土づくりが必要です。 - アルムナイ採用(カムバック採用)
・特徴:過去に退職した社員(アルムナイ)を再雇用する手法。
・メリット:人柄や能力を既に把握しており、企業文化も理解しているため、即戦力となり教育コストがかかりません。
・デメリット:退職時に良好な関係を築いていることが前提となります。 - タレントプール
・特徴:過去の応募者や内定辞退者、アルムナイなどをデータベース化し、継続的にコンタクトを取り続ける手法。
・メリット:必要なタイミングですぐに声をかけられる「資産」となります。
【関連】採用手法のトレンド7選。採用難の時代を勝ち抜く「攻め」の戦略とは?
「リファラル・アルムナイ採用」が注目される理由・背景
ここまで多くの施策をご紹介しましたが、近年多くの企業様で成果を上げているのが「リファラル採用」と「アルムナイ採用」です。
なぜ今、この「つながり」による採用が必要なのでしょうか?
理由1:採用市場の変化と「信頼」の重要性
情報過多の現代において、求職者は「企業が発信するキラキラした広告」よりも、「信頼できる友人や知人のリアルな口コミ」を信用するようになっています。「あの人が働いていて良い会社だと言うなら間違いない」という信頼が、入社の決め手になります。
理由2:コスト削減と定着率の向上
エージェントや求人広告への依存は、採用費の高騰を招きます。一方、リファラルやアルムナイは、基本的に紹介料が発生しません(インセンティブを除く)。
さらに重要なのが「定着率」です。事前にリアルな情報を得て入社するため、「入社後のギャップ」が少なく、早期離職のリスクを最小限に抑えられます。
【関連】リファラル採用の採用コストとは?インセンティブ相場と成功のコツ
理由3:企業の「資産」になり、組織を強くする
リファラル採用に取り組むことは、単なる人員補充ではありません。
社員が「自分の会社を友人に勧めたい」と思うためには、会社自体が魅力的でなければなりません。つまり、リファラル採用の推進は、エンゲージメントの向上や組織改善に直結し、結果として会社そのものを強くするのです。
【関連】リファラル採用におけるエンゲージメント向上とは?成功に導くポイントを解説
採用施策を成功させるためのポイント
最後に、これらの採用施策を成功させるためのポイントをお伝えします。
複数の施策を組み合わせる(ポートフォリオ)
どれか一つに絞る必要はありません。「急募の枠はエージェント」「将来のリーダー候補はリファラルとスカウト」といったように、緊急度と重要度に応じて予算配分を変え、最適なポートフォリオを組むことが大切です。
「ツール」を活用して工数を削減する
特にリファラル採用やアルムナイ採用は、アナログで管理しようとすると、「誰が誰を紹介したか分からない」「制度があるのに社員が動かない」といった事態になりがちです。
こうした施策は、専用のツールを導入して社員が使いやすい環境を整え、人事業務を効率化することが成功の鍵となります。
【関連】リファラル採用ツールおすすめ5選!メリットや選び方を徹底解説
おすすめのリファラル採用・アルムナイ採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
リファラル採用・アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください
採用施策にはそれぞれ特徴があり、一概に「これが正解」と言えるものはありません。
しかし、労働人口が減少していくこれからの時代において、「採用コストを抑えつつ、定着率の高い人材を確保する」ことは、経営の至上命題です。
その解決策として、外部のデータベースにお金を払い続けるのではなく、自社の社員や退職者との「つながり」を資産化するリファラル採用・アルムナイ採用の仕組みづくりを始めてみてはいかがでしょうか。
「リファラル採用・アルムナイ採用について、専門家のアドバイスが欲しい」
「リファラル採用・アルムナイ採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」
そのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ弊社の「リファアルム」にご相談ください。
ただツールを入れてもリファラル、アルムナイ採用が増えるとは限りません。
当社では経験豊富な採用コンサルタントが設計から運用までワンストップで支援します。
リファラル、アルムナイ採用成功のために必要なノウハウと実務支援、マネジメントをプロの人事チームが顧客の採用成功まで伴走します。
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