採用課題を一覧で整理!母集団不足やミスマッチを解消する「定着」視点の採用戦略とは
「求人広告を出しても、ターゲットからの応募が来ない」 「面接の手応えは良かったのに、他社に取られてしまった」 「やっと採用できたエース人材が、半年で辞めてしまった」
多くの経営者様や人事担当者様が、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。
採用活動は、単に人を集めれば終わりではありません。自社のカルチャーにフィットし、長く活躍してくれる人材を見つけ出す必要があります。しかし、労働人口の減少や働き方の多様化により、その難易度は年々増しています。
現状を打破するために最も重要なのは、「自社の採用プロセスのどこにボトルネック(詰まり)があるか」を正確に特定することです。
本記事では、多くの企業が直面する「採用課題」をプロセスごとに一覧化しました。まずは貴社の状況と照らし合わせ、課題の所在を明確にし、コストを抑えながら定着率を高めるための具体的な解決策を解説します。
もくじ
なぜ今、採用が難しいのか?日本企業が直面する現状
採用課題の一覧を見ていく前に、なぜこれほどまでに採用が難しくなっているのか、その社会的背景を整理しておきましょう。
労働人口の減少と「超」売り手市場
最大の要因は、少子高齢化による生産年齢人口の減少です。 厚生労働省が発表する有効求人倍率は、一時的な変動はあるものの、長期的には「求職者数よりも求人数が多い」売り手市場が続いています。 かつてのように「企業が求職者を選ぶ」時代から、「企業が求職者から選ばれる」時代へとパワーバランスが完全に逆転しました。多くの企業が限られたパイを奪い合っている状態であり、待っているだけで応募が来ることは稀です。
働き方の多様化と求職者意識の変化
求職者が企業に求める条件も変化しています。 以前は「給与」や「会社の安定性」が最優先事項でしたが、現在は以下のような「ソフト面」の価値観を重視する傾向が強まっています。
- 働きがい・社会貢献性:自分の仕事が誰の役に立っているか
- 働きやすさ:テレワーク、フレックス、副業可などの柔軟性
- カルチャーフィット:企業のビジョンへの共感、一緒に働く人との相性
これらの変化に対応できていないと、どんなに条件面を良くしても、求職者にとって魅力的な選択肢にはなり得ないのです。
【プロセス別】よくある採用課題一覧チェックリスト
ここからは、採用フローを4つのフェーズに分け、よくある採用課題を一覧でご紹介します。 貴社の採用活動において、どの項目が当てはまるかチェックしてみてください。
1. 母集団形成(集客)フェーズの課題
エントリー数が足りない、あるいは数は集まるが質が伴わないケースです。
- ターゲットからの応募がゼロに近い
求人媒体に出稿しているが、自社が求めるスキルや経験を持った層からの反応がない。 - 「とりあえず」の応募が多く、スクリーニングに手間取る
求人内容が曖昧で、「誰でも歓迎」のように見えてしまっているため、ミスマッチな応募が殺到している。 - 競合他社に埋もれてしまっている
給与や待遇などの条件面で他社と比較され、見劣りしている。あるいは、自社の強みが原稿で表現できていない。 - 認知度が低く、検索すらされない
BtoB企業や中小企業によくある課題で、そもそも求職者が社名を知らないため、指名検索や直接応募が発生しない。
2. 選考・内定フェーズの課題
応募はあるものの、面接通過率が低かったり、内定辞退が多発したりするケースです。
- 選考スピードが遅く、他社に奪われる
書類選考や面接日程の調整に数日〜1週間かかってしまい、その間に他社から内定が出てしまう。 - 面接官によって評価基準がバラバラ
「なんとなく良さそう」といった属人的な感覚で合否を決めており、現場責任者と人事の間で評価が食い違う。 - 自社の魅力を伝えきれていない(アトラクト不足)
面接が「見極め」の場になってしまい、候補者の意向上げ(志望度を高める動き)ができていない。 - 内定後のフォロー不足による辞退
内定を出した後に入社までの期間が空き、候補者の不安(内定ブルー)を解消できず、直前で辞退される。
3. 入社後・定着(オンボーディング)の課題
採用には成功したが、早期離職やパフォーマンス不足に悩むケースです。
- 入社後のリアリティショック(ミスマッチ)
「聞いていた話と違う」「イメージしていた社風と合わない」といった理由で、入社3ヶ月〜半年以内に離職してしまう。 - 既存社員との人間関係が築けない
中途採用者が孤立してしまい、組織に馴染めない。受入体制が整っていない。 - 期待していたパフォーマンスが出ない
スキルマッチだけで採用してしまい、カルチャー(行動指針や価値観)が合わず、成果に繋がらない。
4. コスト・リソースの課題
成果に対して、費用や労力がかかりすぎているケースです。
- 採用単価(CPA)の高騰
人材紹介(エージェント)頼みの採用になっており、採用人数が増えるほど手数料が膨れ上がっている。 - 人事担当者のマンパワー不足
日程調整やスカウトメールの送信など、ノンコア業務に忙殺され、採用戦略の立案や候補者との対話といったコア業務に時間が割けない。
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自社の採用課題を特定する分析フレームワーク
上記の採用課題一覧を見て、複数の項目にチェックがついた方も多いかもしれません。 すべてを同時に解決するのは難しいため、優先順位をつける必要があります。その際に有効なのが、「定量的分析」と「定性的分析」の組み合わせです。
数値で見る(定量的分析)
採用プロセスごとの「歩留まり(通過率)」を算出します。
- 応募数 → 書類選考通過率 → 一次面接通過率 → 内定率 → 入社率
例えば、「応募数は十分にあるが、面接通過率が極端に低い」のであれば、母集団の質(ターゲット設定)か、書類選考の基準に問題があります。 逆に、「内定までは行くが、入社率が低い」のであれば、面接でのアトラクト(魅力付け)や条件提示、競合比較に負けている可能性が高いです。
声を聞く(定性的分析)
数値には表れない「感情」や「理由」を探ります。
- 辞退者アンケート:なぜ他社を選んだのか、何が懸念点だったのかを聞く。
- 入社後の面談:入社者が何にギャップを感じているかを聞く。
- 現場の面接官の声:どんな候補者が多く、何が不足していると感じるかを聞く。
これらを組み合わせることで、「なんとなく人が来ない」という漠然とした悩みから、「最終面接での自社理解促進が弱いため、競合に負けている」といった具体的な課題へと解像度を高めることができます。
採用課題を解決に導く3つの具体的施策
課題が特定できたら、解決策を実行に移します。 ここでは、現代の採用トレンドに合わせ、特に効果が高い3つの施策をご紹介します。
1. 「欲しい人材」に届く採用チャネルへの転換
「求人媒体を出して待つ」だけの手法(受動的採用)で成果が出ていない場合、こちらからアプローチする手法(能動的採用)へ切り替える必要があります。
具体的には「ダイレクトリクルーティング(スカウト)」の活用です。手間はかかりますが、自社のターゲット要件に合う人材に直接メッセージを送ることで、転職潜在層へアプローチでき、母集団の質を高めることができます。
【関連】採用手法のトレンド7選。採用難の時代を勝ち抜く「攻め」の戦略とは?
2. 選考体験(Candidate Experience)の向上
「選考スピード」と「丁寧なコミュニケーション」は、お金をかけずにできる最大の差別化要因です。
- 応募から24時間以内に返信する。
- 面接の合否連絡を翌日中に行う。
- 面接では候補者のキャリア相談に乗るスタンスを持つ。
候補者体験(CX)を向上させることで、例え条件面で他社と並んでいても、「この会社は自分を大切にしてくれている」という信頼感が生まれ、入社意欲の向上につながります。
3. マッチング精度を高める「リファラル採用・アルムナイ採用」
もし貴社が、「採用コストの高騰」「ミスマッチによる早期離職」「母集団の質の低下」の3点に同時に悩んでいるなら、最も効果的なのは「つながり」を活かした採用手法の導入です。
■リファラル採用(社員紹介)
現場で働く社員に、知人や友人を紹介してもらう手法です。 社員は自社の良い点も悪い点も理解しているため、カルチャーにマッチしそうな人物を紹介してくれます。そのため、定着率が圧倒的に高く、エージェント費用などの外部コストもかかりません。
■アルムナイ採用(退職者の再雇用)
かつて自社で働き、退職したOB・OG(アルムナイ)を再雇用する手法です。 一度外の世界を見た上で「やはりこの会社が良い」と戻ってくるため、モチベーションが高く、教育コストも不要で即戦力となります。近年、多くの企業が「出戻り制度」として制度化を進めています。
これらは、採用課題の根本である「信頼関係の構築」と「相互理解」を最初からクリアできているため、極めて効率的で質の高い採用手法と言えます。
【関連】人材獲得競争に勝つ!リファラル採用とアルムナイ採用の戦略的活用術
おすすめのリファラル採用・アルムナイ採用を支援するサービス「リファアルム」

リファアルムは、リファラル採用とアルムナイ採用を同時に支援するサービスです。採用は感覚的に行うものではなく、全従業員を巻き込み、「全社一丸」となって取り組むことが大切です。「リファアルム」を使うことにより、従業員のリファラル採用やアルムナイ採用に対する「前向きな姿勢」を引き出すことが可能です。
1、従業員が「リファラル」「アルムナイ」に積極的に協力する、魅力的なカルチャーを形成できる。
2、創業以来のノウハウを活かし、「リファラル」「アルムナイ」だけではない採用活動全体の成功を支援。
3、協力してくれた従業員に対し、業界トップクラスのギフトラインナップで謝礼を提供。
リファラル採用・アルムナイ採用でお困りの企業様は、「リファアルム」にお問い合わせください
本記事では、採用課題の一覧と、その解決策について解説しました。
・まずはプロセス別に自社の課題をチェックする。
・定量・定性の両面からボトルネックを特定する。
・待ちの姿勢を脱却し、リファラル採用やアルムナイ採用など「つながり」を活かした手法を取り入れる。
採用難易度は今後も上がり続けますが、正しい課題認識と戦略があれば、必ず打開策は見つかります。
しかし、「リファラル採用・アルムナイ採用について、専門家のアドバイスが欲しい」
「リファラル採用・アルムナイ採用を始めたいが、何から手を付けたら良いか分からない」
といったお悩みをお持ちの採用担当者様も多いのではないでしょうか。
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