株式会社マイナビ 就職情報事業本部 | 採用戦略・人材開発・エンゲージメント経営を支援するTake action

受賞企業WINNERS

ENGAGEMENT賞

ルーキー部門

株式会社マイナビ 就職情報事業本部

会社概要

会社名:株式会社マイナビ 就職情報事業本部
従業員数:100名
事業内容:就職・転職・進学情報の提供や人材派遣・人材紹介
企業URL:https://www.mynavi.jp/

株式会社マイナビ 就職情報事業本部

表彰理由

▼山本教授

今年度のルーキー部門ノミネート企業として、株式会社マイナビ様を選定させていただきました。お取組みのすばらしいところは、以下の4点です。
第1が、現在の人事マネジメントで、社員のエンゲージメントやリテンションとの関連で注目されているチームや部署における「心理的安全性」の確保/強化を目的とされている点です。
第2が、仕組みが形骸化しないよう、ベストいいねのコイン紹介等、様々な工夫を行っておられる点です。
第3が、組織横断による設立のための事務局、合意の上でのプロジェクトチームによる推進等、当事者意識を十分高めた上でサンクスギフトを導入されている点です。
第4が、導入直後と比べた利用率の低下対策に既に着手されている点です。

▼小川教授

株式会社マイナビ様は、THANKS GIFT導入決定から実際の導入に至るまでの4ヵ月間を非常に丁寧に進めました。同社のように従業員が数千名におよぶ大規模企業では、新しい取組みをいきなり全社的に導入するには、多くの時間と労力が求められます。一方で、無理に急いで導入をしても、思うような効果が得られず、現場の混乱や形骸化をもたらすだけです。同社は対象者をTHANKS GIFTの効果が求められる地域や部門に限定したうえで、管理職の理解、現場メンバーの理解、全員への説明等を段階的に実施し、大きな混乱等を回避しながら本取組みの導入を成功させました。大規模企業が新しい取組みを導入する際の理想的なかたちといえます。

受賞コメント

我々マイナビは新卒向けの「マイナビ2023」や「マイナビ転職」といった求人メディアや人材紹介といった人材ビジネス領域を主軸にした事業を行っております。また、「マイナビニュース」、「マイナビウェディング」、「マイナビ農業」といった自社メディアを用いた生活情報ビジネス領域にも力を入れております。「人材情報サービス企業」というイメージが強いかもしれないですが、今は「総合情報サービス企業」として日々活動しております。

THANKS GIFTの導入目的は大きく2つありました。「部署間連携強化」と「心理的安全性の確保」です。今回導入させていただいたのは新卒事業領域の神奈川・静岡エリアという特定のエリアです。人数としては営業・非営業部門の約100名。2021年9月から導入をしておりますが、導入を決めたのは実は5月でした。開始までの4か月間、事前準備に力を入れて参りました。

このエリアの課題として、エリア間・部署間でのコミュニケーションの希薄化がありました。オフィスのABW化、活動拠点が横浜・川崎・静岡・沼津・浜松でバラバラなこと。更には、コロナ渦で在宅勤務も増えたことも要因です。その中で、営業責任者がコミュニケーションツールの一つとしてTHANKS GIFTを検討したことが始まりでした。実は、全く同じタイミングで私が所属している新卒事業領域の組織開発部門でもピアボーナスの仕組みを検討しておりました。生産性の高い組織を作ることをゴールに、そのためには心理的安全性が欠かせないと考え、特に「感謝」に着目して検討をしていました。そこで、現場とタッグを組んで進めていくことになりました。

半数以上が営業の組織ということもあったので、営業だけが主役にならないよう神奈川・静岡の営業推進部門と、新卒事業領域の組織開発部門で運営事務局を設置いたしました。特に管理職層の理解が重要だと認識していたので、現場の営業・非営業全課長約20名に「良い組織と現状のギャップ」をヒアリングしていきました。全員に共通していたのは、「コミュニケーションが取りやすい組織が良い組織」ということ、そして現状のギャップに関しては「部署間連携」が共通認識でした。良い組織という理想像を共通言語にした上で、THANKS GIFTの概要と目指す世界観を伝え、導入への賛同を集めていきました。その後、プロジェクトメンバーを選定。プロジェクトメンバーは各拠点・部署から役職問わず1名以上選定し、今回肝になる事業エリアでのミッション・ビジョン・バリューを刷新。コインを策定するためのワークショップも実施しました。そして、全員に概要と使い方の説明会を行い、ようやく導入開始に至りました。

成果としては、シンプルに日々の会話に「ありがとう」が増えたことが本当に大きかったなと思います。当事者意識を高め導入できたこともあり、数値的な視点では、導入初月のログイン率が95,8%、コイン贈呈枚数1日平均5,5枚と高い数値を挙げられました。導入後も形骸化しないよう月1でのベストいいねコインの紹介、事務局で選定したコイン事例の紹介・称賛を行っています。掲示板機能も活用しプロジェクトメンバーによるブログリレー、中途社員紹介、有志メンバーによる美味しい飲食店の紹介なども実施し、単なる業務ツールで完結するのではなく楽しみながら使えるような工夫をしています。その後も常にログイン率は90%。導入後のアンケートでも「コミュニケーションに良い影響を与えている」と95%の方が回答してくれました。別途、毎月のエンゲージメントサーベイでも、導入直後の10月に関して「仕事仲間との関係」が過去最高の数値になっていました。

今後に関しては、当初の目的の「心理的安全性の確保」は浸透してきているので、「生産性の向上」に向き合っていきたいと思っています。更に、ワンチーム機能を導入した上で相互理解を高め、役職者のマネジメントの幅を広げるツールにもなればとも思っています。一方で、導入直後と比べると利用率の低下も感じているので、ログイン率と贈呈率を高めていきたいと思います。しかし、「ありがとう」は強制されるものではありせんので、自然と使いたくなる仕組みづくりも改めて考えていきたいと思います。現状だとブログの閲覧PVが非常に高いこともあるので、年齢層の高い方を中心にブログの情報発信をしていただくことで上と下の結節点になるようなプロジェクトもさらに実施していく予定です。エンゲージメントサーベイとの相関性、売上も見ながらKPIを立て直し、今後もしっかり運用していきたいなと思っております。